1989年6月発売
美智子はネクタイを持つ手に、もう一度、力を入れた。首を締めつけた。真二の口から、細かい泡が出た。が、その泡も出なくなった。美智子は突然、思いついた。〈このひとをわたしのものにするんだ!このひとの大切なものを切り取ってやる!〉(「五十一人目の阿部定」より)-事件の陰にひそむ哀しい人間の業を抉る迫真のドキュメント・ノベル。
背中から二の腕にかけて彫られた桜吹雪のイレズミーとくれば、これはもう映画、テレビでお馳染みの遠山桜。後年、大目付から勘定奉行、町奉行の要職をつとめた遠山金四郎の、これは柳橋の船宿「船徳」に居候をきめこんで遊び人修業に精を出していたころの物語。数ある“金さんもの”の中でも、さすがに折目正しく格調高い“元祖”ともいうべき異色作!!
永遠の平和を約束されたはずのリルガミン王国に、滅亡の危機が訪れた!!王国を救えるのは、伝説の2つの宝珠(宝の玉)のみ。しかし、それは恐ろしい龍ール・ケブレスが守る迷宮の奥に隠されているのだ!!迷宮には謎の海賊たちや魔法使いがひそんでいる。そして、「善の心を持つ者だけでも、悪の心を持つ者のみでも、ル・ケブルスの所にはたどり着けない」と言われているのだ…。誰かが、なんとしても宝珠を手に入れてこなければならないのだ!リルガミン王国を救うため立ち上がる勇者が!!そんな時、双子の兄弟ージャンとアッシュが迷宮に向け旅立った…。
「くりりんがさらわれた!」夢楽の手を逃れ、ついでに『時間跳躍之機械・タイムマシン』まで奪って現代にもどってきたダイスケ、くりりん、ハカセの3人組に、またまた大事件が持ち上がった。学校の中で、しかも授業中に謎の男にくりりんがさらわれてしまったのだ。歴史の本にでてきそうなその男のせいで、教室中が大さわぎ。先生は卒倒するし女の子は泣き出すし…。いったい、謎が?なんのために…?ダイスケとハカセは、くりりんをさらった男をさがしだすため、時間旅行へと出発した。次元からくり漂流記第2弾タイムマシン冒険号、再・発・進。
ケン、タダシ、鏡太郎の通う袖ケ浦小学校の6年6組に転校生がやってきた。名前は藤原スミレ。それがとてつもない美少女で三人組はひとめぼれ。特にケンは春の海のクラゲのように夢うつつ。三人はさっそくスミレの家へ押し掛けていくが、そこで奇妙な現象に直面ーなんとスミレが妖怪変化に変身してしまったのだ。その場は、スーパーイズナ丸の登場で危機を脱っするがスミレの姿がない。スミレの父親、藤原サスガの話によると、以前、冒険旅行に出かけたガリ島の魔霊がスミレを連れ去ったというのだ。三人はいでたちを揃え、ガリ島へとスミレ救出に向かうのだが…。
「忍明神のほこらにヒビが入った」-。飛び出して行った妖魔たちを退治するために、オイラは旅に出た。でも、かしらは一人じゃ寂しかろうというので、一人娘のさくら姫を一緒に連れてけと言ってくれたんだ。うれしいよおー!それでもってオイラたちは、里の人口で不思議な地蔵様に出会うことになる。この地蔵様がオイラとさくら姫をいろいろな所へ案内してくれるんだ。まず手始めは、百目ヶ原か蓮莱山あたりかな?どこに行っても手強い奴がいるらしい。妖魔たちの親玉は、正体不明の妖魔大王という強敵だ。すごく強いらしいけど、やっつけるしかないよね。
クリスマス。ヨーロッパ各地の都市や港湾、鉄道拠点などで、デモやストの不穏な動きが続出した。同じ頃、中東ではテロリスト訓練キャンプから送り出されたテロリストたちの消息がプツンと切れ、所在がつかめなくなっていた。これらの事件がたがいに結びついているようには見えなかったし、西側に危機が迫っているようにも思えなかったが、“聖なる”夜の暗闇に乗じて、ワルシャワ条約軍が西側との国境地帯に集結しつつあった…。
自分の使命は神に代わってマフィアを殲滅することだー新聞記者のヴィンスはそう盲信した。いつからか狂気に蝕まれ、妻の姿を鳥と錯視することもある彼にとって、現実と妄想の判別はもはや不可能だった。そして犯罪組織の人間を次々と虐殺しては、犯行声明を新聞社に送りつけた。やがて市民のあいだから犯人を英雄視する声まであがる中、警部補のデラは執拗な捜査をつづけるが…。冬のシカゴに展開される戦慄の犯罪サスペンス!
山陽商事・城之内会長の部屋から白昼堂々、艶かしい声が聞こえてくる。声の主は城之内の秘書、1年前に夫と死別した美貌の未亡人・高原千草、28歳。好色の絶倫で知られる城之内の卓越した技巧が、千草の貞淑な仮面を剥がしていく。やがて、女の歓びを完全に呼び覚まされたとき、千草は商談相手に、その肢体をさらけ出す女に-。今夜もまた、未亡人秘書の唇が、妖しく淫らに男たちをとらえて離さない。
耶馬台国の女王・卑弥呼の娘・台与は海岸に流れついた若者を助ける。過去の記憶を失っていた男は、そのまま居つく。そんなある日のことだ。台与と若者は、耶馬台国を我ものにせんとして、卑弥呼暗殺が、いままさに実行されんとしているのを知り、救出にかけつける。その最中、男は自らに課せられていた、ある使命を思い出したー!傑作歴史伝奇&ミステリー集。
真下ひかるは中学3年生。近頃、親友の蘭子が登校拒否をしたり、ひかるをさけたりする。変だと思ったら、蘭子のやつ、不良っぽいヨーコというコとつき合いはじめたみたい。心配になって蘭子に問いただすと、“素敵なおじさんとデートしちゃった!”なんて言う。ヨーコといっしょにナンパされて、チョコレートパフェを御馳走になったら逃げるんだって。キケンな大冒険に夢中の蘭子がだんだん遠くなっていくみたいで、ひかるはなんとかヨーコから離そうとするのだけど…。少し大人になりたい少女たちのドキドキファーストデート。
「わたし、結婚するの!」親友の真弓の大胆発言に、裕子たちの瞳は…。そりゃぁ確かに六月の花嫁は女のコの夢だし、16歳になれば結婚だってできるけど、それってあんまり早すぎない?もしかして、真弓のハヤトチリとか、相手の男に騙されてるとか?そうだったら大変!裕子たちは大慌てで真弓の相手を捜しはじめた。ところが…。やっとつきとめたその男は、ナ、ナント裕子の憧れの君だった!まさか、そんなのって…。