1989年発売
すべてのチェックポイントをクリアすれば憧れのタレントとデートができる『魔界オリエンテーリング』。その先では数々の殺人事件が待ちうけていた。事件の陰に見え隠れする犯人の姿。それを追う星子たち、そして十文字右京。すでにマサルは凶悪な犯人らによって眼をやられてしまった。オリエンテーリングのゴールも間近。そして犯人もすぐそこに迫っている!おまちかねの後編!登場だ。
一色舞、14歳。名家のお嬢様である。通っている学校も名門の白鳳学園、当然また由美やおケイとは出会っていない。舞には、怒った時にだけ怪力が発揮できる超能力をもっている。そんな舞に、お見合いの話がもちあがった。すっかりその気になっている両親の顔をたて、舞はOKした。相手は名家中の名家北白河家の次男・慧、お見合い中に、生徒の誘拐を目撃した舞は、犯人を追いかけた。
ヘンな噂が広まっている。出るってゆーのよ、あたしの学校の化学実験室に。ゆ…幽霊が!?その真偽を確かめるべく、あたしたちはいつものメンバーで肝だめし大会。そしたら…死んでるうっ!えっ、幽霊だから死んでるのは当たり前だって?ち、ちがうのよ、ホントに殺されちゃった死体が出ちゃったの!おなじみ北野&明石刑事を加えて、犯人と幽霊、両方の足どり大捜査のはじまりよ〜っ。
女の子であることを隠しながらも、ロックグループ“トレジャータイムス”のリードボーカルとして、人気急上昇のレイラ。そんな彼女の前に、ひとりの少女が現れる。レイラを男の子だと信じ、彼女になりたいというその少女は、以前にレイラをふった男、今泉雪則とつきあっているはずの菜々絵だった。かつての恋敵の出現におどろき、雪則との苦い別れを思い出して動様するレイラだが…。
あたし、菜々子。城南中の1年生で、いま妖精に夢中なの。そんなあたしに、友だちの千佳やユキはひややかな態度。イジワルなクラスメートの麻由にも、バカにされちゃったし。でも、あたし平気なの。だって担任の羽渕先生も、妖精が好きだったんだって!あたし、先生に教えてもらった妖精ティタニアをよぶおまじないを、ためしてみた。すると、ある夜、キラキラ輝く不思議な夢をみたの…。
エリート然とした端整な悠二、やや不良っぽくニヒルなかおるー博習館高等部総務部整副委員長のふたりは、女子の間で人気を二分している。この両美形には、大人びた物腰の杏子とボーイッシュな幸子がいつも補佐している。今、彼らの関心事は文化祭のイベント。自主性を重んじる校風とはいえ、学校の承認をとるまでには容易ではない。このイベントが、やがて学園の伝説になろうとは…?
あたしは高野圭子、高一。入学前の春休みにこの街に引っ越してきた。ところが何と、隣の家に同じクラスの男子がいて、その名前が原田達彦、前の中学であたしをフッたヤツと同姓同名!彼は見かけは軟弱な優等生だけど、シンは強くて骨っぽい。あたしはいつか惹かれてきった。でも、彼は、夢を実現させるために、人生を賭ける決心をしたと言う。あたしを置き去りにして、彼は何を…?
ぼく、ある人から言われちゃったんだ。「子供のころ、あなたを夢で見たことがある」って。しかも愛しのミヤといっしょに特別出演してたって。そんなこと、あるわけないって?でも、キミはもう知ってるはず。世の中にはいろんな不思議が存在すること。古い本にこもる気。幼いころ亡くした兄弟の霊。ああ、いま『くすのき文庫』が、新たなトワイライトゾーンに!ぼくの膝はもうガクガクッ!
紋間公平の勤める病院へ、私立西陵中学校の生徒・川瀬志津香が運び込まれた。授業中に不意に倒れたというのだ。彼女には再生不良性貧血の疑いがあった。西陵の校医を務める公平は、内科医局長から志津香の精神面での相談役を頼まれた。彫刻がしたいという志津香の希望を許したことで、公平は担当医にひどく叱られた。そんな折、志津香を恋する若者・高原富士夫が足を折って入院してきた。
霊能力を持った少女は日の神子=神の妻に選ばれた。神の妻は未通女でなくてはならない。激しく揺れ動く女の本能に翻弄されながらも、少女は乱世を治め、強大な王国の権力者にのしあがってゆく。巫女王ヒミコの神秘的な魅力と謎を描く一大長編ロマン。
ヤマトを中心とする諸国を統率するヒミコ。しかし、常に侵略者の陰はつきまとう。神の妻であることを心の支えに、難敵に立ち向かい、タミを治め、巫女王の地位を確固たるものにしてゆく。そして、やがては異境の地にも目を向けることになる。“まぼろしの女王卑弥呼”の実像に迫る古代歴史小説。
新宿歌舞伎町にある霊感占いの“お告げの部屋”。先生の大滝玉枝の代役で、にわか占い師に変身した花子探偵だったが、結婚のことで相談にきていた“小宮翠”と名乗る女性が彼女の前で殺されてしまったからタイヘン。身分証明書を頼りに素性を調べてみると、本物の“小宮翠”が現われて…。殺された女性はいったい何者?そして誰が何のために殺したのか?軽妙なタッチで綴るユーモア・ミステリー。
「あんなひどい男でも好きになったらどうにもならないのよ。自分で男を幸福にしようとか、立直らせようかと思っているのかもしれないわ。それともあんな乱暴をする男が可哀そうでたまらないのかもしれない」良人に捨てられても会いに行く久代、妻を亡くした子持の助教授と結婚するという絢子。愛しくも哀しい女の性を描いた表題作他8篇。
永く精神病の治療をつづけていたブーンは、あるとき、自分がジキルとハイドのような二重人格者で、無意識のうちに残虐な連続殺人を繰り返していることを知って愕然とする。絶望した彼は自殺を企てるが果たせず、《暗黒の神に選ばれた殺人者》が住むという異次元の闇の町ミディアンへ行こうと決心した。ブーンはそこで何を見たのか…そもそこにうごめく異形の民《夜の種族》とはなにものか。この血塗られた闇の世界をつかさどるバフォメットとは…?仮面と素顔、生と死、闇と光、罪と罰、すべてを逆転させ、夢と現実のあやなす暗黒の幻想小説。
苦痛が快楽に変わり、快楽が苦痛に変わる《亀裂》の彼方の世界…。魔道士に誘われ、快楽の世界の囚われ人になった魔性の恋人、フランクを蘇らせるため、ジュリアは行きずりの男にナイフを突き立てた。血をすすり、生贄のエキスを吸い取り、フランクは人間の肉体を取り戻してゆく。「血が欲しい、皮膚をくれ!」フランクの叫びに、ジュリアは二度、三度、殺戮の刃をふるう。欲望に憑かれた男女を待っていたのは、身の毛もよだつ堕地獄の罠だった。淫魔が巣食う恍惚世界への扉を開く《ルマルシャンの箱》とは何か?この世の快楽を貧り尽くすことは罪なのか?鬼才クライヴ・バーカーが鮮烈に描く愛と妄執のドラマ。
女流作家の私と通訳のヨーコ。じつは二人とも生から死の世界へ移ってしまった影法師。私は甲状腺ガンでこの世を去る前に、アメリカ政府から文化交流の一員として招待をうけていた。その思いを実現するため、アメリカを自由に夢遊する若い二人が引き起こす愉快な出来事とは…。ヴァージニア、ニューヨーク、デンバー…など、光も風も人情も異なる五つの街で出会った、五つのアメリカン・ストーリー。新境地を拓く会心作。
父を失い、長兄を兵隊にとられた洋と洋次郎の兄弟は、空襲で家を焼かれ、かあさんの田舎へ疎開した。デパートも映画館もない小さな町で、初めての畑仕事や魚とりに精を出し、動員先の工場では地元工員たちと大喧嘩、そして“前線慰問用”の宝塚予科生との交流。そこにはもうひとつの“戦争”があった…。ひと夏の経験を通して成長していく兄弟の姿を瑞々しい筆致で描く感動の長編小説。
1979年の夏、著者にとって人生の最高の友人=中野重治は逝った。1年後、中野夫人原泉さんは、夫を生地の土に還した。その入院と死に至る状況や、郷里福井の埋葬に立ち合った著者に去来する50余年の時間の意味。そして自分自身の生と真実…。本書は、戦前・戦中・戦後の激動の半世紀に、人間的文学的情熱を共にした中野重治との交遊を通して描いた鎮魂の書。毎日芸術賞、朝日賞受賞。
時は戦国、幻術使い果心居士に導かれてその非情な人格を形成した少年赤丸は、貧困放浪の幼少時代から強奪、放火、殺人と残虐の限りをつくす。長じて彼は、畿内掌握の野望に燃え、無類の権謀術数を発揮して主君三好長慶を自在にあやつり、ついには将軍足利義輝をも弑して実力大名にのしあがった。乱世が生んだ下剋上の武将松永弾正久秀の悪の生涯を描く会心の長編。