1989年発売
地球上の数十億の人間のなかからただ1人選ばれて、スーパーマンになった男。ところがこれが、高所恐怖症やら対人赤面恐怖症などなど、欠陥だらけの実験用だった!が、人類の幸福と正義のために、猪突猛進あるのみー。ハチャハチャの元祖による、珍無類、涙と笑いがいっぱいのスーパー騒動譚。
致命率70パーセント、エイズよりも恐ろしいという国際伝染病“エボラ出血熱”の男性の真性患者が東京で発見された。さらに疑似患者も次々に出た。第一次感染者と思われる女は行方不明。国立微生物医学研究所内部の人間によるウイルス漏出説を探る新聞記者は殺されてしまう。綿密な取材と完壁なデータに裏打ちされた俊英の都会派ミステリー。
奇妙な噂を追う情報の犬・堂田将司。悪徳役人をつぎつぎに暗殺する都市ゲリラ雀部隊。解放の神学を唱え浸透する新人民軍。復活祭の主役・黒いキリストにしかけられた大陰謀。俳優、ジャーナリストの中村敦夫が書下ろす国際情報小説第3弾。
外では、はじめての恋に揺れてときめくいじらしい少女。家では、手のつけられなくなったワガママ娘ーこれがあたし、結実の本当の姿。従姉の待子が兄・圭と親しくなるなんて、敵意と嫉妬を感じるわ。で、あたしはスポーツマンの大垣駿に恋する少女役を演じることにしたの。ところが大垣ったら、待子をかばうようなことばかりするんだから。あげくに、待子にデートを申し込むなんて…。
山咲秋未は高校二年生。仲良しはしっかり者の都と、美人で発展家の亜利沙。秋未自身はふたり姉妹のせいか、ちょっと内気であまったれ。だって5年間も俊彦に片想い中。浩介なんてカルイやつはメじゃないけどね。でも、そんな平凡な日々にヒビが入った。街の画廊で三田村という画家に会った母の綾乃の態度が一変したのだ。恋と友情と家庭の問題に傷つきながら少女が選んだ道は…。
私、小椋未夏は暑さにとても弱い。今日もうたた寝しながらあの夢ー雪野原でひとり立ちつくす夢、を見て泣いていた。私にはなぜかその4歳の時以前の記憶がないのだ。「そんな12年も前のこと、忘れろよ」幼なじみのかっちゃんはそう言ってくれるし、彼の兄の勇人さんも私を包みこんでくれる。でも私は逢ってしまったの。雪見ー私にそっくりな女の子に。何かが始まる…。
札幌にいってしまったゆり子と、手紙での交際が始まった。心まちに手紙をまつおれだったが、内容は必ずしも満足するものでなく、特に小田という男が頻繁に登場するので、心おだやかではなかった。やがて誤解をうみ、互いに意地のはり合いになってしまった。そんなとき、妹の恋騒動から、本当に大切なのは“自分の気持ち”だということに気づき、ゆり子に会うために札幌いきを決心した…。
あたし、仙子。仏心学園高校1年生。ご先祖さまは、女の子の足に見とれて空から落っこちちゃった久米仙なの。親友の青葉と図書館に行ったあたしは、すっごくステキな彼・温海さんと出会った。彼の目にみつめられて逆上したあたしは、運般用カートにのったまま、4階の窓からダイビング。そのままあえない最期!でも、気づいたのは図書館の屋上だった。もしかしてあたし、空を飛んだの?
「金太が好き!」大胆にも、クラスメートの前で佐斗子にライバル宣言してしまった結花。どうしようとあわててみても、あとの祭。好奇の視線がちょっぴりユーウツな毎日なんだ。おまけに、噂を知ってか知らずか、肝心の金太は以前とちっとも態度が変わらない。それが答なの?友達のままでいようってことなの?結花の中でだんだん不安が大きくなり…。好評『黒板にハートのらくがき』の続編。
バイトをクビになり、明日からどうしようかと困っていたわたしの所に、見知らぬじいさんがやってきた。彼は「萩原生菜子さんじゃね。わしは天野小次郎、あんたのおばあさんの恋人だった。わしのやっている下宿屋を手伝って下さらんか」と言った。えぇっ、いったいどういう事?でも、結局、その申し出を受けた。三日月荘、それが新しい職場。そこにはいろんな住人がわたしを待っていた。
南子、いとこの結婚式に出席するために、あるホテルに来ていた。そこで、ヘンなおじいさんに頼まれたのよ、花嫁になってくれって。でも相手はおじいちゃんじゃなくて、ニコニコ鉛筆の社長の息子さん。ホントの花嫁さんが式当日に行方不明になったらしいの。ヌッ、このままうまくゆけば玉の輿!南子、成り行きでウエディングケーキにナイフまで入れちゃって…これはなんだかアブナい予感。
あたし、高橋亮子、18歳。福島の田舎町を飛びだして、東京目ざしてバイクをとばしている。あんな町には、あたしのいる場所はなかったから…。バリバリのキャリアウーマンをしてる叔母の萠子の銀行を訪ねたあたしは、なんと銀行強盗にまちがえられた。うるさい叔母にうんざりし、町をうろつくあたしは、ふと立ちよったパン屋『らくだ』で、少年のような顔をして笑う店主・喜一と出会い…。
パリに住む写真家アドリアンは『世界のはじまり』に強くひかれ、『はじまりの地への旅』を企画していた。出発をひかえたある日、パリの映画館で、ひとりの娘、ミレナと出会った。ふたりはいっしょに暮らしはじめた。ミレナはチェーホフの舞台に立ち、アドリアンは旅立ちの用意を整える。アドリアンが『はじまりの地』として選んだのはチュルカナ湖、ケープケネディ、そしてヒロシマ。彼が旅立つ日、ミレナは「あなたの子供がほしい」とささやく。ふたりの歯車がすこしずつ違う方向にまわりはじれる。フランス書店賞受賞作品。