1990年3月1日発売
4000人の子分を抱え、全国にその名が轟いた初代篭寅組組長・保良浅之助は、昭和5年、初めて国会に臨んだ。議場は、後に憲政の神様と謳われた尾崎行雄の演説を阻止しようという輩で湧き返っていた。「お前らなんじゃい。こういう年配の人に手を出すという法があるか!」浅之助は大声で一喝した。-こうして数名の重傷者を出した国会乱闘事件を引き起こした彼は、一躍政治家としても名が知れ渡った…。任侠の徒として政治家として、激動の昭和を逞しく生きた男の野望を描く。
警察庁特別監察官・滝田一郎に特捜令が発せられた。それは射殺も含め、手段・方法を選ばず、超法規的行動を可とする非情捜査を意味している。潜入先は塩路市。市議会を牛耳る2大暴力団が激しく対立し、しかもその抗争に地元警察も絡んで利権をほしいままにしている汚染都市であった。滝田は地元警察と暴力団の警戒網をくぐり現地に潜入した。が、意外にも、彼を待ち受けていたのは、美しい女体と官能の罠だった…。飽くなき暴力とエロスが迸るハード・アクション。
大坂城落城から20年。豊臣家再興を画策する真田六文党は、江戸城内に潜入した。目的はただ一つ、秀吉の隠し金4億5千万両の行方を求めるため、その鍵となる『多山銀山埋蔵秘巻』奪取である。目指すは、天海と情を通じる春日局が住まう春日御殿。が、彼らの行く手には、強敵服部半蔵ら伊賀忍者が待ち伏せていた…。『秘巻』をめぐる幕府と外様大名の暗闘。妖僧天海の陰謀と、淫姫千姫やくの一の暗躍…。気鋭の新人が、3年の歳月をかけ壮大なスケールで描く力作時代伝奇巨編。
質実剛健を旨とする大企業“吉平重機”。9000人の社員が働く職場にはさまざまな人間関係が渦巻いて、思わぬ事件が-。ビジネス戦士たちの愛憎を描く、新鋭の力作。新機軸の企業ミステリー連作集。
ピクウィック氏は、そのもちまえの善意から、裁判をはじめ、ごたごたした事件にまきこまれる。もつれにもつれた糸は、はたしてどうとけてゆくのか…。「ピカレスク小説」のおもむくゆたかに、イギリスの一時代の姿を、戯画化しながら生き生きと伝える。
パイロットを辞めた孝太は、徐々に襟子から遠ざかっていく。襟子はそのつらさに押し潰されそうになりながら、なお彼を求めずにいられない。なぜ彼でなくてはだめなのか、なぜこんなにも自分の気持ちに執着せずにいられないのか。終わっていく恋愛に身悶えつつ、彼女は自分が本当に求めているのは何かということを知ろうとする。
男は一枚の記念写真を挑めていた。学生時代、友人グループのメンバー全員で撮ったものだ。ふと男は妙なことに気づいた。なかの一人の姿が薄れかけ、背後の壁が透けて見えるのだ。しかも、それは自分ではないか。と、そのとき、目の前にあるテレビの画面から蛇に似た無数のなにかが這い出し、男をずたずたに引き裂いてしまった。やがて、残ったメンバーたちも次々と化けものに襲われー。恐怖シーンの連続、化けもの満載のローズ第2弾。
日々夢想にふけり、ミリタリーごっこに興じる子供たち。そんなある日、リーダー格のティップが何者かに殺された。子供たちは自らの手で仲間の仇を討たんと、まだ見ぬ敵を求め、死亡現場の探検にでかける。だが、そこでもまた一人…。ただならぬ危険を感じたフリンとピッパの兄妹は、身を守るべく、家に代々伝わる呪文の書を持ち出すが…。一方ダン・ブレイディは、エレンの霊から謎の警告を受けていたー月が昇る、危ない、と。
1982年、ロサンジェルス空港に旧式のロッキード・エレクトラが飛来、不法着陸を敢行した。機体から降り立ったのはひとりの女性。身元を訊かれた彼女は、1937年に太平洋上が消息を断った飛行士エアハートの名を告げた。調査の結果はことごとくその主張を裏づけたが、問題は年齢だった。生きていれば今年84歳。だが、現れた女性はいまだ40代後半としか見えなかったのである…。蘇るナチの悪夢を描く奇想天外な謀略小説。
あたしの名は大島いずみ、半年前にこの全寮制の学校、洋貝台学園に転校してきた。実はあたしには霊媒の血が流れていて、念力で人を気絶させるぐらいのことはできてしまう。でも、そんな力があることは隠して、みんなと仲よくやっている。これでけっこう人気者なのだ。でも、楽しく平和な学園生活も、氷室京子という、美しい転校生が来てからというもの、暗い影がさし始めた。学園になにやら異様な雰囲気が標いだしたのだ…。スーパーアドベンチャーゲーム。
麻美、園子、静香と真穂は仲良し4人組。期末テストの終わった春休みに、ラッキーにも伊豆の温泉つき別荘に行くことに…。それぞれの憧れの人、胸キュンの相手を招待するということにケッテイ!さっそくはじまる、コミカル大作戦。
「えっ、殺される!?」おだやかじゃない内容の電話が、親友の内田共子から。でも、なんとそれは共子の愛犬マルチーズのポチのことだったの。はっきりいって、ブス犬!いろいろあって、ポチを預かったあたし・小西由央だけど…大変!ポチが失踪!
あたし、間宮千香、高校1年生。身材158センチ、体重53キロ。太ってるほうじゃないけど、もうちょっとスリムになれば…。ひそかに気にしてたのに、ひどいわ。あこがれの吉岡修平くん、「尻がでかい」だなんて…ガーン、ショック!よーし、やせてやる!春休みダイエット作戦開始!!目標は5キロ。ところが…?
自社の株が乗取り屋に狙われた時、あなたならどうするか?経営陣の確執、自衛に立つ従業員、インサイダー取引、M&A、TOB…。流動化する現代企業の複雑なメカニズムを現役弁護士でもある作家がヴィヴィッドに描く長篇経済小説。
名門、東洋デパートの広報課長下村は驚くべき電話を受けた。次期社長を確実視されている専務の竹下登志成が、自宅で暴漢に襲われ無理遣り女との絡み写真を撮られたうえ、ネガと引換えに1億円要求されたというのだ。秘密命令で事件解明に乗出した下村の眼に、デパート内での熾烈の権力争いが浮びあがったが、真の狙いは別にあることに気付く…。
貿易会社に勤める岡田は33歳にして課長に昇進。社内での女遊びは致命傷だが浮気心は止めようがない。口の固そうなOLを選んでは双子プレイ、半処女、淫乱なお嬢様と濃密な情事を重ねていた。そんな折り直属の上司が左遷されそうになる。そうなれば自分の出世もパー、かくてはならじと手持ちのOLを使い社長に猛烈な女体攻勢をかけたのだが…。