1991年4月発売
米軍特殊部隊のマイケルは、ベトコンの手から瀕死の神父を救った。そして十数年後。時のローマ法王は、救出以来昏睡を続けてきた神父の生命維持装置を切り、彼を聖人に列することを定める。神父は死んだ。だが9時間ののち彼は甦ってしまった。さらに彼の放った言葉は、ヴァチカンを崩壊に導くものだった。それはマイケルの運命をも大きく変えようとしていた。闘いが、兵士を待っていた…。J.ヒギンズ絶賛、比類なき冒険小説。
藤田徹也は兄弟子の前田和平とともに師・鬼塚亮一から武道の手ほどきを受け、いまや世界的なプロのボディガードとしてヨーロッパを中心に活躍している。その藤田に前田から仕事が舞い込んだ。海外のリゾートホテル開発で急成長を遂げている柳田興業の社長一家の護衛を手伝ってくれ、というのだ。ハワイに建設したホテルの開場式に出席する柳田社長一家を狙ってプロの暗殺集団「島田機関」が暗躍し始めた。その首領・島田龍二と藤田とはかつて一緒に護衛の仕事をしてた仲間だった。ハワイを舞台に命知らずの男たちの死闘が繰り広げられる書き下ろし長編ハードアクション。
27歳の東京世田谷のOL上原厚子は苦労して貯め込んだ2000万円を男に騙され持ち逃げされた。男を追って秩父近郊、黒山三滝までやって来た彼女は、激情からつい男を殺してしまう。しかし、金は戻らなかった。一方、同時刻に東秩父で強盗事件が発生、農家から2000万円が盗まれた。そしてその金は偶然にも厚子の入手するところとなる。事件が事件を呼び、青年が事故死させられ、厚子を包む捜査の輪もせばまってきた。しかし、事件はその深層で別な展開をしているのだった…。本格の巨匠がサスペンス充分にミステリーの醍醐味を読者に提供する。書き下ろし長編傑作。
四国宇和島の桜祭りに呼ばれた大阪の漫才コンビの一人石原弘司は、仮設舞台で公演中、突然天井から落ちてきた丸太の直撃を受け死亡した。通夜の席上、弘司の祖父は「まだお許しにならんのか」と奇怪な言葉を口走って意識不明に陥った。相棒の森川保夫は、謎を解くべく、弘司の妹を連れて再び宇和島へ。が、そこで二人を待ち受けていたものは…?
クッパを改心させ、恐竜ランドへとバカンスにやって来たオレ、ルイージ、ピーチ姫。恐竜ランドは6つの島からなる美しいリゾート地だ。が、事件はそこで起こったんだ。またもやクッパによってピーチ姫がさらわれてしまった。見渡してみれば、この国に住んでいるはずの恐竜の姿もない。どうも様子が変だ…。オレとルイージは、気のいい恐竜ヨッシーといっしょにクッパ打倒の旅にでた。待ってろよピーチ。そして恐竜たち!きっと助けてやるからな。果たしてオレたちの運命やいかに…。
戦国の世も終わりを告げようかという頃、各地で奇怪な事件が続発した。事件の起きた場所には古代の神々が作ったといわれる宇宙隊の伝説が伝えられている。そしてその陰には魔界衆と名乗る者たちの暗躍が…。そんなある日、15才の誕生日を迎えた十兵衛は父から旅立ちを告げられる。この日本を救うのはお前しかいないとー。こうして始まった十兵衛の冒険。彼の行く先に待ち受けるものは。
結婚3年目のサラは、大西洋に面したリゾート地で、夫とともに夏の休暇を過ごしていた。表面的には幸せな若夫婦に見えたが、夫の異常なまでの潔癖症と暴力に、サラの忍耐は限界に近づきつつあった。逃げるのよ、それも夫が決して自分を捜そうとしないように。嵐の夜、サラは海で溺死したと見せかけ夫のもとを去る。名前を変え、かつらで変装し、小さな町で新しい人生を送ろうとするが…。
映画スター、ニック・ラングのあこがれはシリアスな警官役。そこで役柄研究のため、ニューヨーク市警きってのタフガイ刑事ジョン・モスに、警官としてついて回ることにする。狂気の連続殺人犯パーティ・クラッシャーを追跡中のモスはいかにも迷惑顔だが、それもラングはどこ吹く風。ところが、やがてラングの目の前にクラッシャーが現われて…。スリルと笑いの傑作ユーモア・サスペンス。
東京の高級住宅街広尾。児童公園で出稼ぎの地下鉄工事従事者の他殺体が発見された。渋谷署の新米刑事・清水は、現場に残された車輪の跡を手掛りに、営団地下鉄の協力を得て、捜査を開始。その直後、同じ広尾で殺人が発生し、被害者にまつわる意外な証言が、二つの事件を関連づけてきた…。地下鉄道網を舞台にサスペンスタッチで描く長篇推理。
解放軍青年将校が村に残した若い妻に抱く性的妄想と、この妻と村の青年との不倫を描く問題作「金髪の赤ちゃん」をはじめとする、“中国のガルシア・マルケス”といわれる莫言の魅力を余すところなく伝える待望の短篇集遂に刊行。
男好きの看護婦ジャッキー惨殺の動機は?医療過誤訴訟の切札、手術同意書はどこに?第一線で活躍する神経科医がシカゴの医療センターを舞台に臨場感溢れるタッチで描いた本格医学ミステリー。
息子を禅僧への道に送り出した変哲もない家族の戸惑いと型破りな師匠の尼僧をユーモラスに描き、「現代の子捨て物語」と評された第98回芥川賞受賞の表題作ほか、「トンボ眼鏡」「黒い海水着」の2篇を収録。