1992年10月発売
中高一貫教育の私立男子校“アンリ・ド・ラクロワ学園”のマリアこと伊予部和と寮の同室になった山本志信は、昨年度和と同室で和に心を寄せる平井田慈雨が無理やり和を襲った現場を目撃し、慈雨の恋路を阻む決心をする。そんな折、学園祭のマドンナ役を巡って思わぬ事件が起こった。
湯島育ちの御意見無用、主は浮名の二千石と端唄にまでうたわれる江戸きっての蕩児・神保長十郎義久が、荒らくれどもが跋扈する一触即発の危険地帯、幕府天領・甲州へ乗りこんだ。次つぎに起る難問怪事件…。無頼旗本をひこつれて、勤番支配・長十郎の諸刃くずしの剣が舞う。
行方不明の億万長者の老人が身につけていた27カラットのダイヤが、野積みされた古タイヤ火災跡から発見された。保険金目当ての殺人か?だが20億の保険金の支払は、老人の死亡日がいつか、に掛っていた。真相究明に乗出した保険調査員が遺体で発見され事件は核心へ…。保険金殺人疑惑の過去をもつ、美貌の未亡人由紀江は、大胆にも名警部・宮之原の出馬を要請する。雄大な阿蘇のパノラマを舞台に描く書下ろし旅情ミステリー。
ペンティシオン全土を覆う、破壊神マヒューズギィガの影ー。破壊神の手先である謎の魔道士を追う、ガルディスたちと別れた女傭兵のパラディアと吟遊詩人のレイは、鋒戈の兄弟が聞き込んできた、妖魔が棲むという、砂漠をさ迷う湖の謎を探る旅に出る。砂漠の国、サンダーゼベイめざして旅を続ける一行に、つぎつぎと襲いかかる刺客たち。意外な助っ人を加え、謎の神殿にたどりついたパラディアとレイの見たものは…。
人間は誰もが天使の理性と狼の野性を合わせ持つ。そして天使の仮面に飽きた時、人間は狼への〈変身〉を願望する。狼となった人間の出現する時代は。舞台は。いや、過去、現在、未来、人間の存在するところすべてに、人間の二面性ある限り、変身願望ある限り、〈狼人間〉は跳梁し続けるのだ。10人のベテラン作家や期待の新鋭が、最も現代的なモンスター=〈狼人間〉をテーマに筆を振るい、ホラー、サスペンス、SFのみならず、哲学的領域にまで踏み込むアンソロジーの決定版。
永い封建社会が培ってきた矛盾からの脱出を試みつつもそれを果たせず苦悩しつづけてきたひとりの典型的な中国知識分子。彼の辿った悲運を40年代から解放後という時代を背景に描いた長編小説。
無実のアメリカ青年ラリーは悔し涙を流しながら刑場の露と消えた。成金男デミリスの高笑いが今日も聞こえる。この世に神はいないのか?ヘビのようなマフィアと、鬼のようなデミリスの、命を懸けた知恵比べ。殺しても足りない憎悪の夫婦。お互いに相手のスキを窺う義兄弟の死闘。敵の手中にありながら疑がうことを知らないヒロイン。ロンドンとアテネを股に掛けて運命の男女が追いつ追われつのドラマを展開する。神に一番近づけるのは誰か?シドニィ・シェルダン最新にして最高の傑作。
無実のアメリカ青年カリーは悔し涙を流しながら刑場の露と消えた。成金地デミリスの高笑いが今日も聞こえる。この世に神はいないのか?ヘビのようなマフィアと、鬼のようなデミリスの、命を懸けた知恵比べ。殺しても足りない憎悪の夫婦。お互いに相手のスキを窺う義兄弟の死闘。敵の手中にありながら疑がうことを知らないヒロイン。ロンドンとアテネを股に掛けて運命の男女が追いつ追われつのドラマを展開する。神に一番近づけるのは誰か?シドニィ・シェルダン最新にして最高の傑作。
建安4年、公孫〓@5AAAが滅びた後、趙雲は袁紹からの誘いをことわり、仁政を行う主君をさがすため放浪の旅に出る。彼の胸中にあるのは、袁紹攻略の際に公孫〓@5AAA軍で出会った劉備玄徳と名乗る武将の面影だった。覇権を狙う曹操と袁紹の争いにより、世は乱れ、黄巾賊の残党など行き場をなくした者たちが略奪の限りをつくしていた。野を行く趙雲もそれとは無縁ではいられない。逗留していた村に賊の魔の手が伸びたのだ。趙雲は再び戦いに身を投じる。大人気の三国志を舞台にキャラクターの生きざまを鮮やかに描く新シリーズ、「三国志武将列伝」。堂々の開幕。
郷里の村の森を出、都会で作家になった語り手の「僕」。その森に魂のコンミューンを築こうとする「ギー兄さん」。2人の“分身”の交流の裡に、「いままで生きてきたこと、書いてきたこと、考えたこと」のおよそ総てを注ぎ込んで“わが人生”の自己検証を試みた壮大なる“自伝”小説。『万延元年のフットボール』『同時代ゲーム』に続きその“祈りと再生”の主題を深め極めた画期的長篇。
ペドロ・パラモという名の、顔も知らぬ父親を探して「おれ」はコマラに辿りつく。しかしそこは、ひそかなささめきに包まれた死者ばかりの町だった…。生者と死者が混交し、現在と過去が交錯する前衛的な手法によって、紛れもないメキシコの現実を描出し、ラテンアメリカ文学ブームの先駆けとなった古典的名作。