1994年10月発売
愛し合っていた筈の妻が突然失踪し、投身自殺する-なぜ、どうして。警察を辞め、単身真相究明に乗りだした主人公の前に、暴力団の影が。デビュー長編『慟哭』でミステリ・ファンを唸らせた貫井徳郎、待望の長編第二作。
仕出し程度の俳優稼業、料理屋見習いなど、人生の先行き不透明な位置にある若者の人間模様と精神遍歴-そこには常に、幼い頃に生き別れた母の影があった。“母の死”を契機に幾度も練り直され書き下ろされた、作家たる著者の原体験と60年70年代のアウトロー的な青春像を二重映しにする渾身の連作短篇集。
腐敗政治の悪を糾すため、林冲、魯智深、晁蓋、花栄らおなじみの好漢たちが、ある者は朝廷に反発し、ある者は官に追われ、続々と梁山泊に集いはじめた。高い関税と次々に課される新税に反抗し、海商たちが立ち上がる反海禁戦争など、これまで描かれたことのない好漢たちが、血湧き肉躍る活躍を見せる未知の水滸伝。武松の虎退治などおなじみの名場面にも、新しい視点で活写した新エピソード満載。「水滸新伝」初の翻訳本。全170回、好漢108人の小伝つき。
声楽コンクールの会場警備にかりだされた片山刑事とホームズ。会場では優勝候補の井田貴子とライバルの丸山恭子をめぐって、次々と事件が発生! 短編三編に、著者の自伝的エッセイを収録。
浅見光彦の遠縁の大学生・緒方聡が女子高生誘拐の嫌疑をかけられた。何でも一目惚れして、のこのこと家まで後をつけていたらしい。あきれる浅見ではあったが、聡の濡れ衣を晴らそうと、行方不明になった浜田文絵の家を訪れる。そこに届けられていた一通の脅迫状。文面には文絵の出生の秘密をばらすといった内容が…。文絵は人気俳優・三神洋と「宝塚」出身の女優・鳥越美春との十七年前の秘めやかな愛の結晶だったのだ。数日後、文絵が遺体で発見された。浅見は悲劇の真相を追って、乙女の都「宝塚」へと向かう。
殺されたフィリピン人教授の未亡人を名乗る女が現れたのは、事件後四か月を経てのことだった。遺品引き渡しを強硬に求めるその女は、実直で亡妻をこよなく愛した教授にはまるでそぐわない。女の狙いははたしてどこにあるのか…。巻きこまれた父親を気づかいながらも軽やかにプロの立場を貫く女探偵ジェリの活躍。故人の足跡を辿るひたむきな探索の旅が面白い、充実の第二弾。
幼い自分が暗い森をさまよっている。四阿が見えてきた。そこでは何かとても恐ろしいことが…何を見たのか話すんだ。怖がることはない、言ってごらん…女医エイミーは、はっと目を覚ました。耳に残る男の声。彼女は最近、毎晩のようにこの夢に苛まれていた。そんなある日、勤務先の総合病院で担当の患者が不審な死を遂げた。しかも彼女は、患者の娘がまったく同じ夢に慄いているのを知る。これはいったい。傑作医学心理サスペンス。
冒険者が憩う街、リルガミン。この街では、カント寺院やギルガメッシュの酒場が彼らを優しく迎えてくれる。ボルタック商店では二百年生きているともいわれているドワーフのおやじとホビットのケズンが仲良く店番をしながら、楽しい冒険奇譚を聞かせてくれる。ウィザードリィファンならずとも、迷宮探検をおおいに満喫できる。全6話を収録した書き下ろし短編集。
ファン待望『真・女神転生エル・セイラム』の第二巻。岳玲子と太宰春子を中心にして起こる奇怪な出来事の数々は、バール神に選ばれた石川安奈が引き起こしたものだった。しかし、玲子も春子も、自分のまわりで起こる惨劇や悪魔との戦いに翻弄され、安奈の背後にいるバール神の存在や、自分の転生に気が付いていない。玲子・春子たちに、どんな未来が待ち受けているのだろうか。
話題のメディアミックスゲームの小説版が登場。しかも通常のノベライズと違い、ゲームシナリオに小説的な描写をプラスしたという新感覚のシナリオノベルなのだ。あくまで小説でありながら、しかもゲームの雰囲気をそのまま味わえるという画期的な作品といえよう。