1994年2月発売
願いが叶い、侯爵夫人としてアンジェリクは再び宮廷に迎えられた。ヴェルサイユの森の狩り、宮殿の宴、庭園の散策…。つねに彼女を傍らに求める国王と、その寵を競い合う貴族たち。しかし、華やかな日々にも、冷たく心を閉ざした夫フィリップとの確執はつづき、やがて新たな不幸の影が。
夫フィリップの死後、田舎の邸に引きこもっていたアンジェリクが宮廷に戻った時、待ちうけていたのは、ペルシャ大使とのこじれた外交問題と、思いもかけない成り行きの危険な恋だった…。アンジェリクを愛する国王の怒り、王の寵姫モンテスパン夫人の激しい嫉妬は彼女を窮地に追いつめる。
アメリカ四大財閥フォーシスターズが送り込んだ美しきアマゾネス・レディLはドラゴン・ブラザースから受けた耐えがたい屈辱を晴らさんと、再び邪悪きわまりない陰謀を巡らす。大衆煽動を繰り返し、竜堂兄弟の母校共和学院に火を放った敵に対し、西海白竜王・竜堂終がついに怒りの竜と化して逆襲する。
社長はライオンの檻に放り込まれて殺された。弁護士は亜酸化窒素と自分を電気冷蔵庫に閉じ込めて“自殺”した。ビジネス界の裏側で蠢く薄汚れた男たちを相手に、さわやか女性探偵ロニー・ヴェンタナがジョギングのあいまを縫って快刀乱麻の大活躍。好評「フォート・ポイントの殺人」を凌ぐ娯楽快作。
文化は一級ながら軍事は二級の大国魯の書生曹カイは、隣国斉との戦気が激しくなる中、若き英王同に見出され、軍略の才を存分に発揮する。智謀の賢相管仲が牛耳る斉との、和戦両様の闘いが大詰めをむかえた柯の盟約の場で、曹カイがとった驚くべき策。君臣のあり方と政治の、理想を描く、中国歴史小説集。
金と女を求めて、あくなき野望に燃える弁護士・藤堂長康は、鳴海産業会長の御曹司が起した殺人事件で身替り犯人をでっち上げ、億単位の報酬を得た。弱みを見せた者から金と女を奪い、しゃぶり尽くす藤堂はアルカポネと異名をとる。悪徳弁護士と鬼検事たちの死闘は果してどちらに凱歌があがるのだろうか?
心優しきアウトローたちの溜り場だったフローティング・ホテル〈シリウス号〉。経営難から悪辣なギャングたちに買取られる当日、船はひそかに朝まだきの海を出航した…。ささくれだった現実を振り捨ててクルーとなった奇妙な仲間たち。追いすがるギャング、迫りくる嵐。黄金のありかを捜し求めて、〈シリウス号〉は今日もゆく-。大人の童心をくすぐる痛快無比の冒険譚。
「サダム・フセインの力を世界に示せ」イラクのフセイン大統領の命を受けた大富豪アルーンは、湾岸戦争のさなか、パリで一人の男に接触した。男の名はショーン・ディロン。元IRAのメンバーで、変装を得意とする名うての国際テロリストである。多額の報酬と引き換えにディロンは仕事を受諾、標的を訪仏中のサッチャーに定めるが、密告により暗殺は失敗した。密告者の情報から、暗殺を図った犯人がIRA関係者であることを知ったフランス情報部DGSEのエルニュ大佐と、イギリス国防情報部のファーガスン准将は、元IRAの闘士マーティン・ブロスナンに協力を要請する。ブロスナンは犯人がディロンだと断言するが、自ら行動することは拒否した。ディロンとの間には浅からぬ因縁があったが、今は硝煙の世界と訣別していたからだ。だが、やがて痛ましい事件が起き、彼は銃をとりディロンの行方を追い始める。一方、ディロンは新たな計画を進めていた。標的は英国首相官邸。戦時閣議が開かれているその官邸を迫撃砲で攻撃し、メージャー首相と閣僚を抹殺しようというのだ。だが、彼の背後には、ブロスナンの追跡の手が確実に迫っていた…。『テロリストに薔薇を』で鮮烈な印象を残したマーティン・ブロスナンが再び登場、冷酷なテロリストと宿命の対決を繰りひろげる。湾岸戦争中に実際に起きた英国首相官邸砲撃事件を題材に描く、白熱の冒険アクション。
徳川幕府の天下平定は成った。が、豊臣家恩顧の武士の多くは、豊家再興を願って全国に散っている。その時期が到来するまで。薄田隼人こと岩見重太郎は、その剣名をもって諸国を巡り、豊家恩顧の武将に、大阪城にひとたび千成瓢箪の幟が立つ時は、秀頼公の許に駆せ参ずる様、盟約を結んでいた。いよいよ徳川、豊臣が覇を争う慶長水滸伝も佳境に。
男手ひとつで育てられ、貧しい少女時代を送った絹代は、男に騙され十五歳で処女を喪った。だが、男に体をゆだねるうち、それがお金になると知った絹代は、あどけない顔立ちと若い肉体を存分に生かし始める。やがて、彼女はその騙しのテクニックごとに四つの貯金通帳を持つようになるのだが…。したたかに登りつめていく女を描く表題作他、異色官能サスペンス集。
ジム・ピアーズが犯人だ。誰もがそう考えた。男とセックスしている現場を目撃され、さらにはそのことを両親にばらすと脅されたあのウェイター助手が、数週間後、相手の殺害に及んだに違いない。だが、弁護を依頼されたわたしが見たものは、昏い欲望が螺旋を描く、異様な事件の真相だった…。好評『このささやかな眠り』に続いて弁護士リオスの闘いを活写する、待望の第二弾。
ウェザートップ邸の事件から7年。暗雲たれこめるヨーロッパに、いままたゴーストハンター草壁健一郎や、アレックス、モーガンたちが集結した。ジプシーの血を引く霊媒の少女ランカが予言する、全ヨーロッパに降りかかる災厄を回避するため、彼らの冒険がはじまるのだ。前作『ラプラスの魔』から一層スケールアップした、ゴーストハンターシリーズ最新作が登場。