1994年発売
姑と突然、同居することになった長男の嫁美里。ちょっと古いけどステキな家に、おじいちゃんと夫の弟夫婦もまじえて6人の大家族。仕事しながら家事やって、強力な姑と対決してスーパーウーマン美里がんばる。ホームコメディドラマの小説版。
ブルトンの手法を完璧に凝縮した最高傑作。『ナジャ』『通底器』に比肩される『狂気の愛』は、その難解さのゆえに、本邦初訳を本書の出現まで待たねばならなかった。フーコーの「狂気の理性」に通底する問題作。新装登場。
米、第7艦隊護衛空母群への戦艦大和以下、長門、金剛,榛名の主砲の一斉射が開始された。肉追する大和の艦橋で、第二艦隊司令長官・栗田中将は、残存する艦艇を、このままレイテ湾に突入させるつもりだった。だが、第一戦隊の司令官宇垣中将はそれを止めた。いぶかる栗田に宇垣は故山本五十六元連合艦隊司令長官の遺書を見せる。そこには海軍なりの戦争終結へむけたメッセージが記されていた。栗田中将の全艦突入を思いとどまらせたオペレーション・ゼロとは。
あらゆる格闘技をマスターし紛争各地で傭兵たちに殺人技を教える岸田龍一。日本での束の間の休暇中、ヤクザにからまれている男を救った事が岸田を闇の格闘技の世界へと引きずり込んだ。億単位の金が動き、ルール無視のファイトで生き残りを賭けるデスマッチ。そして岸田の相手は、大金で岸田の死を契約したこの世界では実力No1の男だった。生か死か…。
映画界の鬼才・大柳登志蔵が映画の撮影中に謎の失踪をとげた。すでにラッシュも完成し、予告篇も流れている。しかし、結末がどうなるのか監督自身しか知らないのだ。残されたスタッフは、撮影済みのシーンからスクリーン上の犯人を推理していく…。『探偵映画』というタイトルの映画をめぐる本格推理小説。
ギア復活。ライラから分裂してまで愛を守ろうとした雷羅の戦いもむなしく、冥府に呑まれたエルミアンの魂。その両性具有の身体に、伝説の闇騎士ギアの邪悪な魂が入ったのだ。一瞬のうちにダリの街を破壊するほどの強大な魔力を見せつけられたライラたちの前に、大魔導師デビウスの霊体が現れて、告げる。『ギアがこの子を狙っている』-魔力の強さゆえに崩壊の危機に瀕した肉体を強化し、完全な復活を果たすために、ヴィガの神秘の力を持つヨシュアに目をつけたというのだ…。
小奴の澄子、久千代の民江、花勇の貞子、染弥の妙子ー戦争という苛酷な運命を背景に、まだいたいけな少女の身で、金と男と意地が相手の稼業に身を投じた四人の女がたどる、哀しくも勁い愛の生涯を描ききる傑作長篇小説。女流文学賞受賞作。
R国皇太子ルール殿下は国内紛争のため日本へ逃れ、変名で巽小路侯爵邸に隠れていた。女性記者の星野龍子がカフェ『シセリア』で友人平山松太郎とこのことを話題にしていると、同じカフェで不思議な男がマダムの長川伸子に向かって、「今夜限りに、わたしという男はこの世界から消えてしまう」と泣きながら訴え、立ち去っていった…。その翌日にルール殿下の姿が消え、さらに数日後には侯爵が変死を遂げる。その現場に居合わせた星野龍子は侯爵のポケットに残されたメモを頼りにルール殿下の行方を追う。一方、侯爵の弟が二十年ぶりに帰国して間もなく、侯爵夫人が謎の失踪を遂げた…。-R国皇太子と巽小路侯爵家をめぐって続発する怪事件の謎とは。怪紳士響晰とは。