1995年発売
人知の及ばない運命の取捨選択。吉凶は思わぬときにやって来る。愛する者の激変に、巻き添えを食う家族。逃げる者、黙する者、苦闘する者。ひたひたと押し寄せる波は、やがて努濤となって読者を呑み込む。普通の生活の中に潜む人間の偉大さ。ヒーローはあなたの周りにいる。
人知の及ばない運命の取捨選択。吉凶は思わぬときにやって来る。愛する者の激変に、巻き添えを食う家族。逃げる者、黙する者、苦闘する者。ひたひたと押し寄せる波は、やがて怒濤となって読者を呑み込む。普通の生活の中に潜む人間の偉大さ。ヒーローはあなたの周りにいる。
私、白嶺深雪、16才の高校生、実は、平安の昔より歴史の裏舞台で暗躍し続ける〈白嶺一族〉の次期頭領。おまけに〈雪女〉の別人格を持つ〈お雪憑き〉。ある日、ミステリー好きの由香利が目を輝かせて言うには、お嬢様学校へ通うクリスが、一週間前から行方不明。大騒ぎの両親は、一本の電話を受けたのち、何事もなかったように日常の生活に戻ってしまった。ウ〜ン、これって事件なのかなぁ。なんて言ってるうちに、大変な事件に首を突っ込むことに…。
混沌都市(ケイオスシティ)、新宿歌舞伎町。狂気を胚胎し、魔人をも現出せしめる力場(フィールド)に、一つの捩れた意志が生まれた。退屈な暮しに倦んだ中学生四人が、その磁場に招ぜられ、狩りがスタートする。θ(シータ)と呼ばれる物体を操る怪人から逃れ、迷い込んだ奇妙な雑居ビルで四人を待っていたのは。田中芳樹氏推薦の新冒険ロマン。
バイカル湖の近くの氷原に建つ《吹雪の館》が忽然と消える家屋消失トリックの佳品「ロシア館の謎」。欧米では日本の麻雀と同じほどポピュラーな遊びであるコントラクトブリッジのパーティという衆人環視の中での殺人に挑んだ長編書下ろしの力作「劇薬」。名探偵二階堂蘭子の推理が冴える初の作品集。
核戦争後の西暦2048年。残留放射能のため出現した妖獣によって人類は危機に直面していた。人類は、妖獣に対抗する切り札として「バイオソルジャー」を中心とした特殊警察を組織。押し寄せる妖獣に立ち向かっていたが、一挙に妖獣を弱体化させるため、「妖獣掃討作戦」を発動。妖獣の本拠地を目指し、8人の美少女たちが、熱いバトルを開始する。発売以来大人気となった美少女ゲームを小説化、戦闘とHシーンが盛りだくさんのSFアドベンチャー。
…吸いつくように結合して、椅子の上で尻を動かした-が締まる、締まり過ぎるほど締まりだした、青味がかった空気のなかで…。夫の留守中に若妻ミヤビの前に、突然現われた「三郎」と名乗る男は、彼女を淫靡な世界へと誘って…。長編官能ミスティック・ロマン。
津島恭が人妻の杉本千絵と会う気になったのは、テレホンセックスでの泣き声まじりの絶頂感に刺激されたからである。彼女がテレホンセックスでオナニーをおぼえたのは、夫がインポになったからだという。上品な装いで俯き加減に目を伏せ、きわどい冗談にも気恥ずかしそうに甘く睨んだりする千絵だが、性愛には貧欲に燃える…。夫と違う性技を求める人妻の性宴。
日本の傀儡国家から真の独立を謀る関東軍参謀の石原莞爾。彼は“最終戦争論”を称え、日本、満州、中国の三国が協力したとき、米国との戦争は可能だと説いた。そのため経済基盤と軍備を拡充すべく人口流入政策をとり、中国人、満州人、朝鮮人、そしてユダヤ人にも登用の場を与えた。だが日本軍部は満州の独立を阻止するため、新京と奉天の爆撃を宣言する。この緊迫する日満の隙を狙い、ソ連軍はソ満国境に軍隊を集結させた。北と南に敵を迎える石原莞爾の背水の作戦。
独立を果した満州国は、日本と友交同盟を結んだ。これにより日本の対米戦争に協力することになったが、すでに日本軍は太平洋各地でジリ貧続きで、日本本土もB-29の爆撃にさらされていた。すでにテニヤン、サイパンを失い、今、硫黄島に米軍の基地まで建設されている。完成すればB-29の護衛機の発着が可能になる。満州国首相・石原莞爾は開発した四発の重爆・大嶺による渡洋爆撃と日本海軍の残存艦艇と満州国の新型空母を加えた連合艦隊による攻撃を日本側に提案する。
江戸の末期、利根川ぞいの縄張りを巡って笹川の繁蔵と飯岡の助五郎が激突した。繁蔵は平手造酒の応援を得て助五郎一派を蹴散らしたが、助五郎は十手持ち。関八州の役人を動かし笹川一家を潰しにかかった。「公儀を背にされちゃかなわねえ」繁蔵は逃げのわらじをはいた。向かうは江戸。だが繁蔵を待ち受ける女たちの妖艶な罠。繁蔵の胴太貫が舞い血飛沫が飛ぶ。
将軍継承問題をめぐる宿怨から、八代将軍吉宗と尾張中納言徳川宗春はことごとく対立した。綱紀粛正、質素倹約を命ずる吉宗を嘲笑い、供を連れ遊郭に通い、名古屋城下に芝居・遊興を催し、果ては謀叛の企ても…。豪胆奔放の宗春を、周到に封じ込めていく吉宗の執拗さ。痛快無比、これぞ時代小説の傑作。
大上円の家族は、特異能力の持ち主ぞろいの神様ファミリー。その能力ゆえに、転居を繰り返す。“逃亡者一家”なのだ。ある日、円くんは親父から、警告を受けた。百合川蛍との恋は、この世界にヒズミを生むというのだ。そして、密かに忍び寄る謎の“敵”の予感が。美しく高貴で壊れやすいボヘミアンガラスと、25歳で夭折した詩人・立原道造の美しくも悲しい世界…破滅と同居した鮮烈な恋の行方は。
『私はいったい何を怖れているのだろうか…月の光を溶かして、うず潮は昏く流れている。』幼い子を抱え料理屋で働く戦争未亡人の高浜千代子は、ジャワから復員して妻をなくした男杉本晃吉を知って荒涼とした敗戦直後の東京で三人共に生きようとする。一九四七(昭和二十二)年、戦後初の新聞小説として執筆、戦争で傷ついた庶民を温かく描いた家庭小説の名篇。