1997年発売
時は1932年、舞台はアメリカ南部のコールド・マウンテン刑務所の死刑囚舎房。この刑務所で死刑囚が電気椅子にたどりつくまでに歩く通路は、床が緑のリノリウムであることから、通称「グリーン・マイル」と呼ばれている。ここで起こった驚くべき出来事とは?そして電気椅子の真の恐ろしさとは?毎月1冊ずつ全6巻の分冊で刊行され、全米を熱狂させた超ベストセラー待望の第1巻。
パリの下町で怪しげな老人からモジリアーニの幻の絵の存在を聞き出した女子学生ディーはイタリアへと向かった。彼女の動きを嗅ぎつけたロンドンの画商達がその跡を極秘に追う。一方、大家至上主義のロンドン画壇へ憤りを募らせる気鋭の前衛画家は友人の美術教師とともに復讐を画策する…。企みと企みが複雑に絡み合うストーリー、巧緻な仕掛け、そして意外な結末を用意した野心作。
ガス室での死刑執行が目前に迫った69歳の死刑囚サム。実の祖父の弁護に奔走する26歳の弁護士アダム。あらゆる法的手段を駆使して救命に努めるが、刻々と迫る処刑の瞬間まで残された時間はあとわずか。もはや死刑をまぬがれることはできないのか?死刑制度そのものの問題点を抉りだし、死の恐怖と向き合う人々の苦悩を浮き彫りにした著者渾身の長編。
対ソ戦の出撃拠点として中東欧諸国の背後に兵站補給基地を計画した日米両国はドイツに残っている軍需工場の再生を急ぐ…。狙い通りスターリンはトルーマンの和平提案を蹴った。ここにソ連への攻撃が開始された。連合国軍第1空挺軍所属の6個空挺師団がバルト三国に飛びたった。そしてエストニアの首都・タリンには本間第9軍の第1師団と第5戦車旅団が、本隊の第9師団と第10師団はラトビアのリガに上陸を敢行した。連合国軍150個師団に及ぶソ連侵攻作戦の大展開。
毛利輝元と小早川隆景には秀吉の狙いが読めていた。四国の長曽我部攻略の際の大船団も毛利水軍を中核とさせ、九州の島津攻略にも参戦を強いられた。毛利の戦力を削ごうというのである。さらに小早川・吉川の両家を毛利から離そうと画策している…。毛利元就の天下統一の野望を実現させるべく、輝元と隆景は対秀吉、対家康への大知略戦を展開させる。
小説家の登龍門である「芥川賞」に、その名をとどめる芥川龍之介は、深刻な人生の悩みに耐えながら、機智と諧謔と博識を駆使し、みごとな短篇小説を書き残した。新鮮な抒情、傑出した虚構、そして明晰な文章で、今なお人々を魅了してやまない不世出の天才の代表的作品を、一冊に収めた21世紀への日本の遺産。
父は映画の脚本家、母は高校教師、優秀な三姉妹-モゼル家は、ロサンゼルスの高級住宅街に住むインテリ家族だったが…。ある日、母が家族を捨てて同僚の教師と駆け落ち。残された父はアルコール依存症と躁鬱病にかかり、耄碌していく。やがて独立した三姉妹は、次女のイヴを中心に、次々と騒動を起こす父の面倒をみることに…。
「泣かせろ、笑わせろ、待たせろ」-ミステリーの黄金律を操った「女王」。ポアロをひっさげてのデビュー以来、70冊に7000人を登場させた。離婚。失踪。記憶喪失。復活。そして、巨匠への道を歩む。本音を漏らした唯一の場所=作品から、隠された素顔を追跡する。
スーパー・ヘリ誕生、そのとき、何が起こったか!!想像を越える大発展をする超ハイテク・ヘリコプター!!極秘開発されたサイレント・ヘリコプター対攻撃ヘリとの空中戦!!「驚くほどひ弱な超ハイテク航空機」の未来を問う書き下ろし。
呼吸するように本を読む主人公の「私」を取り巻く女性たちーふたりの友人、姉ーを核に、ふと顔を覗かせた不可思議な事どもの内面にたゆたう論理性をすくいとって見せてくれる錦繍の三編。色あざやかに紡ぎ出された人間模様に綾なす巧妙な伏線が読後の爽快感を誘う。第四十四回日本推理作家協会賞を受賞し、覆面作家だった著者が素顔を公開するきっかけとなった第二作品集。
ヤクザのダミー会社との巨額の取引を警察が内偵との情報に、おびえ浮き足だつ銀行会長。この不祥事を契機に一挙に会長一派の追放を仕掛ける頭取派。会長の懐刀で、銀行の暗部を担当し実力をつけた“高卒”専務を通して、不良債権という「ババ」が抉り出す、銀行首脳の抗争を描く、衝撃的な長編経済小説。
愛する妻のキャルは法医学者、死体の解剖が仕事ときた!解剖が何より苦手なプラトーも、可愛い妻のためならばと、落ちこぼれ学生たちに解剖学の個人指導をするはめに。ところが、実習用に献体された遺体は、なんと殺されていたのだ!かくして二人は殺人事件に首をつっこむことに!?抱腹医学ミステリー。
時は2220年。植民衛星ローターの天文学者ユージニアは、太陽からわずか2光年のところに未知の恒星を発見した。おりしも地球からの独立を望んでいたローターの指導者ピットは、秘密裡に太陽系脱出を計画。独自に開発したハイパー・アシスト駆動を利用して、衛星の住民ごと新世界へ旅立った。だが、人類の新たな故郷になるはずのこの星ーネメシスは、やがて太陽系におそるべき打撃をもたらすことになる災厄の星だった。
平穏な軌道を描いていると思われたネメシスは、実は太陽に向かって直進しつづけていた!太陽系に達するのは5000年後だが、人類の避難はすぐにも始めねばならない。だがローターの独立に拘泥するピットは、この事実を地球に報告することを拒否。対立するユージニアとその娘をネメシス系の衛星エリスロに追放してしまう。しかし、そこには新たな驚異が…巨匠アシモフが未来史の設定を離れて描いた最後の本格宇宙SF。