1998年12月発売
『お熱いのがお好き』『七年目の浮気』など、おなじみの映画から、マリリン・モンローが飛び出し、影武者リンとコンビを組んで大活躍!ジョー・ディマジオやヴィヴィアン・リーも登場。上を下への大騒ぎで、難事件(?)を解決していく、推理仕立てのユーモア小説。
結婚してもいいと思っていた恋人にふられた。突然の左遷で仕事も取り上げられた。気づいたら頭には十円禿。人生で最愛の日だった29歳の誕生日。30歳までにはぜったい幸せになってやる!恋を仕事を人生を、あきらめない、投げ出さない。強がりながらいつも前向きな主人公典子を山口智子が演じて深い共感を呼んだ大ヒットドラマをもう一度。20代最後のクリスマス、あなたは誰と。
身に覚えなき「遺恨」から刃傷を受けた吉良上野介。咎めは免れたものの、賄賂などのあらぬ噂が流され不遇の日々を送っている。そんな彼の頭を占めていたのは「浅野はいったい何を根に持ったのか」の疑問だったー。忠臣蔵事件最大の謎に迫る表題作をはじめ、討入り直前の内蔵助を描いた「十三日の大石内蔵助」、直木賞候補作「千里の馬」など、斬新な角度から忠臣蔵を映し出す5編。
しーちゃんは町の大きな家の娘で、二十歳を過ぎているけれど静かに狂っていた。十四歳の私は、赤い椿のようにきれいなしーちゃんが大好きだった。でもしーちゃんは、好きだと言われれば誰にでも喜んで体を開く。だからある夜、私もしーちゃんの熱い脚の間で望みを果たした。しーちゃんは次の夏、狂ったまま死んでしまったー。胸の奥底に残る甘くせつなく恐ろしい恋の記憶の物語。
湖底に沈む無数の死体ー。静養先でおぞましい光景を目にしたピットは、不法入国とその強制労働を指揮して莫大な利益を上げている中国人犯罪組織の本格的調査に乗り出す。黒幕の海運王チン・シャンは米中の要人と気脈を通じ、さらなる野望を燃やしていた。彼がルイジアナに建設する巨大な港湾建設の恐るべき目的は何か?壮大な構想と嵐の展開に世界が瞠目したシリーズ第14弾。
チン・シャンの計画が、新世紀の合衆国の存在自体を脅かすことが判明した。ピットはワシントン中心部での猛烈なカーチェイスを切り抜けたのも束の間、一味の切り札としてミシシッピ川を高速で遡上する巨大な豪華客船を食い止めようと奔走する。砲撃と猛火の果てに、野望は潰えたかに見えたが、チン・シャンには舞い戻るべき理由があった。そして二人は因縁の湖で最後の対決に臨む。
「足穂の世界は滅法楽しい遊園地なので、ガス燈も点ればウォーターシュートやメリーゴーラウンドもある。古い絵草紙屋や活動写真館(…)人びとは“薄羽蜉蝣の翅に似た衣服”を着てぞろぞろと歩く」(中井英夫、巻末書下しエッセイより)-そのエッセンスをタルホ自身が精選した名品集の後半に、夢幻的な小自伝ともいえる「随筆ヰタ・マキニカリス」を併録。
パリファッション界で名声を博した気鋭のデザイナー・狩野達矢は、凱旋帰国し、オリジナル・ブランドで日本制覇を目指す!だが、野望溢れる天才に群がる美女たちと、対立する老舗ブランドの罠が、狩野を窮地へと誘い込む。艶やかな官能の世界を創造して、敵を倒し、成功への階段を駈け昇ることができるか。
巨大地震の前兆といわれる深海魚リュウグウノツカイが江ノ島海岸に現れた。10メートルを超す怪魚と、永遠の命を生きているとしか思えぬ絶世の美女を目撃した時、若い男女の数奇な運命は定まった。浦島太郎伝説、原始道教の渡来、墨子の仙薬、信貴山縁起絵巻の怪。めくるめく知の饗宴は二人を何処へ誘うのか。
東京は新宿の真神学園に風祭兄弟が転校して数日が過ぎた。奇妙な事件を体験しながらも、学園に打ちとけ、高校生活を送る彼ら。しかし、級友たちは、学園に起こった事件を、何ひとつ覚えてはいなかった。何事もなかったかのように振る舞う級友たちを尻目に、風祭兄弟は、学園を覆いつつある異変の正体を探ろうとするのだった。真神学園に秘められた「力」を巡って、魔人たちが壮絶な死闘を繰り広げる『東京魔人学園双龍変』シリーズの第弐巻。
四元素王国共通暦170年。風国の前国王ミロスは塔にこもって魔道研究に没頭していた。そしてついに「反機星」を生み出す方法を発見する。だが、魔道機の召喚に生贄が必要なように「反機星」を生み出すためにも、犠牲となる人間、それも特定の条件を満たす人間が必要だった。不幸にも、その条件に合致してしまったのが、ガイウス王の妃、美しきユージェニーだったのである。ミロスは甘言をもって義妹であるユージェニーを自らの塔に呼び寄せた。そこから、このとてつもない物語が始まったのである。
時空間を支配し、全人類の奴隷化を狙う幻覚鬼・醜男。思念力でそれを阻もうとする鯱軍団。キリスト教とイスラム教を相撃させる世界終末戦争が迫る!長編国際冒険ロマン鯱シリーズ、待望の最新刊。
真珠湾に散ったはずの「軍神」が生きていた!太平洋の要塞と化したハワイを舞台に、日米戦争の板挟みになった日系市民らに匿われた二人の「軍神」の対照的な生き方、死に方を精緻に描き、「日本人」の根を問い直す渾身の長篇小説。
そう、たしかにあたしは亭主を殺したさ…30年前に夫を殺したと噂される老女ドロレスに、再び殺人の容疑が。彼女の口から明かされる二つの死の真相ー皆既日食の悪夢のような風景のなかに甦る忌まわしい秘密。罪が生み出す魂の闇。キングの緻密な筆がアメリカの女性の悲劇を余すところなく描き出す、慟哭の心理ミステリー。
十津川警部の自宅に深夜かかってきた大学時代の友人・永田からの電話は、突然の二発の銃声とともに途切れた。銃声はロシア製のトカレフのものだった。「トカレフを持った殺人鬼」は永田なのか?旧友の安否を気づかう十津川は、北海道、そしてフィリピンへと追跡を続ける。第一人者による長篇トラベル・ミステリー。
「ワジワジーッ(不愉快だわ)」ガジュマルの樹の下で19歳の綾乃は呟く。神様のお告げで、ユタ(巫女)になれと命ぜられたのだ。困った彼女は86歳の大親友オージャーガンマーに相談するが…。あふれる方言、三線の音、沖縄の豊かな伝承を舞台に、儚い物語の幕が上がる。第6回日本ファンタジーノベル大賞受賞作。