1998年5月発売
非行少年と更生保護司の格闘物語!今日的問題の核心に迫り、家庭、学校、社会に問いかける迫真の話題作!この物語は、二十五年に渡って非行少年達の更生に尽力してきた、1人の気骨ある保護司をモデルにして書かれたものである。人物、地名、事件の内容等はすべてフィクションであるが、実際にあったさまざまな出来事をヒントに書かれたものである。
同じマンションに住む長谷川真佐子の依頼で、久しぶりに郷里を訪れた村田和子は、真佐子との不思議な縁の糸の存在を知る。だが、その真佐子が密室で殺害され、さらに第二の殺人が同じ縁の線上で起こった。戦後二十数年後の安定した日本の社会情勢を巧みに取り入れ、周到な構成で描く墨野隴人シリーズ第五作完結編。そして、墨野隴人の意外な素顔が。
あるのどかな昼下がり、レストランで食事をしていた片山義太郎と晴美。二人が食事を終えて席を立とうとした時、突然窓ガラスに亀裂が走り、テーブルの上の一輪ざしが砕け散った。それと同時に客の一人が倒れ、店内は大騒ぎに!狙撃事件かと被害者に駆け寄った片山だったが、検死の結果は意外にも「毒殺」。しかも現場からは銃弾が消え失せていた…。遁走曲のように、次から次へとつながる連続殺人の環。片山とホームズはそこに隠された真実を見つけることができるのか?大人気シリーズ21弾登場。
半年がかりの長編の見本を見るために珀友社へ出向いた推理作家・有栖川有栖は同業者の赤星と出会い、話に花を咲かせる。だが彼は〈海のある奈良へ〉と言い残し、福井の古都・小浜で死体で発見され……。
ペンネームは覆面作家ー本名・新妻千秋。天国的美貌でミステリー界にデビューした新人作家の正体は、大富豪の御令嬢。しかも彼女は現実に起こる事件の謎までも鮮やかに解き明かす、もう一つの顔を持っていた!春のお菓子、梅雨入り時のスナップ写真、そして新年のシェークスピア…。三つの季節の、三つの事件に挑む、お嬢様探偵の名推理。人気絶頂の北村薫ワールド、「覆面作家」シリーズ、第二弾登場。
バロウズの遺作長編。本書は、断片的に書かれてきたものを、とりまきたちが集めて編集したものである。これまで、ノスタルジックな形以外ではあまり触れられなかった家族との関係(特に老いてからの父母や兄との関係)、先立たれた息子に対する感情が、かなりストレートに出ているし、昔の恋人たちに関する記述も無防備なまでにはっきりしている。その意味で、本書はバロウズの諸作の中でもっとも内省的かつ自伝的要素の強いものとなっている。
愛の悲喜劇を完璧な筆致で描く英国不倫小説の極致!それは恋なのか、臓腑をえぐる欲望なのか?ロレンス、ジョイスなど20世紀を代表する作家を世に送り出した名編集者にして英国モダニズムの巨人、本邦初登場。
オイルスター社の超大型タンカー、ゾロアスター号は、到着を目前にして操船不能に陥り、ゴールデンゲート橋の橋脚に激突した。この事故でタンカーの原油百万バレルがサンフランシスコ湾内に流出しはじめた。オイルスター社はただちに原油回収作業を開始し、自功保護団体のボランティアたちも必死で活動するが、ほとんど効果はあがらない。マスコミは対応の遅いオイルスター社を非難しだしたが…話題のバイオ・サスペンス。
サンフランシスコ湾内に流出した原油のために、ラッコやアシカ、カモメなど湾内の生物がつぎつぎと死んでいく。早急な解決策を求めるオイルスター社は、開発したばかりの原油を食べる微生物プロメテウスを使うことにした。ところが、この微生物が原油だけでなく、ガソリンやプラスチックなどあらゆる石油製品を分解しはじめたのだ。世界を破滅の危機に陥れた微生物がもたらした恐るべき運命を描く、バイオ・サスペンス。
ノール国の王女ヘジは、唯一神として君臨する強大な河の神の支配から逃れようと、都からの脱出に成功した。そこには、彼女の思念による呼びかけに応えて、はるばるやってきた北の部族の青年ペルカルの助けがあった。一行は大河の神の力の及ばぬ、西の砂漠をめざす。だが、大河の神によってよみがえらされた暗殺者が、彼らの後を追ってせまりつつあった。期待の俊英が描く傑作ファンタジイ。『水の都の王女』の続篇登場
ヘジは裡に秘めた能力から呪い師としての訓練をうけはじめ、その実力をめきめきと上げていった。一方ペルカルは、このままでは世界中の神が大河の神に呑みこまれてしまう、という大鴉の神のことばを信じ、大河の神の息の根をとめるために、その源をめざす。だがそれを阻止しようと、よみがえった暗殺者をはじめとする、大河の神の手のものによる妨害が次々と一行に襲いかかる。壮麗なる異世界ファンタジイの傑作巨篇。
エリザベス女王が使用人の死体を発見するなんてー居合わせたメイドのわたしは、事の真相を密かに探るよう命じられた。死んだ男は、つい先日も女王の居室近くにいたという。なぜそんな畏れおおい所にいたのか?やがて宮殿で働く者たちの秘密が明らかに…女王陛下の小粋なメイド探偵ジェインの活躍を描く、カナダ推理作家協会賞最優秀処女長篇賞受賞作。
ニューヨークのスカイラインに、数え切れぬほどのクレーンが聳え立っている。この街は、かつてない建設ブームに沸いているのだ。飛び交う巨額の金。街を駆けめぐる狂躁。やがて、アイルランド系の犯罪組織が、さらなる金を求めて蠢きはじめる。街の空気がさらに澱み、黒くなっていく。暴力と流血の予感に、FBIが動き出す-この街で、ある兄弟の絆が、試練の時を迎えようとしていた。兄である元ボクサーのパディは、悪の道へと足を踏み込み、いまは組織に雇われている。弟のビリーは、弁護士を目指して大学で勉学に励んでいる。百八十度違う人生を歩む二人は、やがて暴力と強欲の抗争に巻き込まれ、互いに死力を尽くすことになる。血の絆を、守るために。