1998年発売
弁護士クリスにテレビ・インタビュアーのメアリから電話が入った。有名作家からレイプされそうになり、誤って射殺したというのだ。かつてクリスと関係を持ったメアリは、その後、息子カーロをもうけたが、別れて長い間没交渉だった。女性弁護士テリーザとともにクリスは正当防衛の線で弁護を引きうけるが、事件には多くの秘密が隠されていた。全米を沸かせた法廷ミステリーの最高傑作。
正当防衛かそれとも謀殺かー。全米が見守る中、予審が開始された。検察官シャープの冒頭陳述を皮切りに関係者が次々と証言すると、メアリの主張が検屍結果と微妙に食い違っていることが明らかになった。現場に残されたテープをめぐり、検察と弁護双方の駆け引きが続くさなか、テリーザは事件の謎を解く鍵を手に入れる。男女の葛藤、親子の絆を感動的に織り込んだ物語の結末は…。
独身女性専用の超高級マンションに、最近、おかしな事件が続発する。何者かの痴漢グループが美人の住民達を狙って悪戯をしかけているらしい。無断侵入、下着泥棒、覗き行為に、ストーカー。「ううん、もう!女だけだと思ってバカにしてェ!見ていなさい。やっつけてやるから!!」なんと、マンションの地下には、昔、元軍事オタクのヤクザが作った壮大な武器庫があったのだ。手榴弾にマシンガン、M60にグレネード・ランチャー、巡航ミサイル・トマホーク…。さあ、大変だ。
本当の愛に気づかずに、なぜ人は傷つけ合うのだろう?想いを口にできぬまま、人はなぜ別れてしまうのだろう?あのとき言えなかった言葉を綴っていちばん大切な人に届けたい、「最後の手紙」。クリスマス・ボックス感動の完結編。
子供の頃からぼっとしてしまうスイッチがあった南。小学校にも中学にも高校にも家庭にも、おさまるべき枠が用意されているのに、いつもはみ出してしまう南。恋人キタザワの一緒に暮らそうとの言葉に、彼のマンションに引っ越しをする。とてつもなく散らかった部屋には、マリコとサトシという同居人が…。この共同生活の中に南の居場所はあるのか。
「清平(平和時)の姦賊、乱世の英雄」と評された機略縦横の若者は、大動乱前夜の首都洛陽で官途に就いた-。透徹した史眼、雄渾な筆致が浮彫りにする、新しい曹操像と壮大な三国志の世界。
玩具職人の文治郎が斬り殺され、続いて娘も惨殺された。事件の裏には、孫の徳太郎を巻き込んだ大店の跡目争いが…。玩具の犬張子に込められた孫への情愛が胸を打つ表題作ほか、「独楽と羽子板」「柿の木の下」「鯉魚の仇討」など七篇。るいと東吾、同心の畝源三郎など「かわせみ」ファミリーが大活躍する人情捕物帳。
1950年、正月ー共産主義の脅威に怯えるLA。異常殺人を追う若き保安官補アップショー、アカ狩りで名声を狙う警部補コンシディーン、暗黒街の始末屋ミークス。策謀と欲望の迷宮で翻弄される三人の男たちは、暗い道の果てに何を見るのか?傑作「LAコンフィデンシャル」前夜を描く「暗黒のLA四部作」その二、待望の文庫化。
残虐な殺人者と共振するように事件に没入するアップショー。その粘りを買って、コンシディーンは彼をアカ狩り捜査班に加える。だがアップショーの執念の捜査が一つの事件を結ぶカギを探り当てたとき、闇にひそむ悪辣な罠が動きはじめたー「LA四部作」中、もっともヘヴィな余韻を残す現代ノワールの傑作。
押伏村には、六十歳を越えると蕨野という丘へ棄てられる掟がある。だが、死を待つ老人たちは悲惨で滑稽な集団生活を送りながらも、生への意志を逞しくしていく。死してなお魂は生き永らえるのか?棄てられた姑と嫁の心の対話を通して、人間の「生」の本質に鋭く迫る、平成日本によみがえる衝撃の棄老伝説。
「童子のあやかしが出没し、悪さを働いているようだな、博雅」「よし。では、ゆくか晴明よ」。われらが都を魔物から守れ。百鬼が群れる平安京の闇の果て、幻術、風水術、占星術を駆使し、難敵に立ち向う希代の陰陽師・安倍晴明、笛の名手・源博雅。名コンビの活躍、すがすがしくて、いと、おかし。
横浜本牧埠頭の倉庫街で、警官が射殺された。女性初の経営弁護士を目指しロー・ファームに勤務する弁護士・水島由里子。彼女は、貿易会社の法的危機管理を担当するうち、巨大な陰謀に気づく。「依頼人」は、古ぼけた倉庫に何を保管していたのか!?乱歩賞作家の現役弁護士が描く、傑作リーガル・サスペンス。
パックスとローザー人種も育ちも容貌も、すべてが対照的な二人の女性裁判長の友情と野望、そして恋の葛藤。パックスが審理する養育権訴訟は、同性愛・エイズ問題もからんで全米を揺るがす事件へと発展する。息づまる展開の法廷ドラマと心を濡らすロマンス。女たちは苦悩を越えて、どう決断を下すのか。
リベンジー復讐。人生の師と仰いだ人物を殺した氷室竜介。それをつけ狙う盛岡。十二年間、追いつづけ、ついにつきとめた。雪が舞った。今夜は雪嵐だ。もっと降れ。今夜は俺とおまえの地獄の夜だ。盛岡はそう思い、「死ね。この雪をおまえの血で染めてやる」と長いどすを閃めかせた。それをかわして氷室のナイフが宙を舞う。生粋の不良たちを描きつくす究極のハードボイルドの力作。
男たちは、それぞれの思いで“その日”を待った!ある者は最後まで義士としての誇りを望み、ある者は志半ばにして運命に翻弄され、またある者は図らずも世の中の敵役となってしまうことにー。元禄の世を熱狂させた「忠臣蔵」の人間ドラマを、山手樹一郎、山田風太郎、中山義秀、海音寺潮五郎、邦枝完二、神坂次郎、赤坂好美、柴田錬三郎、隆慶一郎が活写。時代小説の名手の傑作を一挙に収録。