1999年12月発売
海の明治維新。徳川艦隊旗艦・開陽丸艦長の沢太郎左衛門は、盟友の榎本武揚らとともに、新政府軍に抗戦する奥羽列藩同盟救援のため、嵐を突いて北へと向かった!戊辰戦争を背景に徳川海軍の興亡をダイナミックな筆致で描く海洋歴史巨篇。
眠れるままの女-催眠療法を受けた美貌の人妻の本当の狙いは?霊を喰う女-新興宗教の教祖に祭り上げられた霊感少女の辿る先には?;晒をまく女-子供が欲しい!夫をつなぎとめるために女がとった恐ろしい選択。木曜日の女-モテナイ女と人は言うけれど、私にだって男は抱ける。水色の嘘っこ-雪深い村で少年は女体のぬくもりに抱かれたのだが…。心にひそむ“悪”と“哀しみ”を描く著者会心の平成オンナ地獄篇。
児童文学への夢を抱きつづけた新美南吉は、命と時間が欲しいと切望しつつ二十九歳の若さでこの世を去った。しかし、日本のふるさとの風景を舞台に“人の心の優しさ”と“生きることの悲しみ”を描いた彼の作品は、時代を超えて愛され読みつがれている。小ぎつね“ごん”と兵十との交流を通じて人と人との心が通い合うことのむずかしさを描いた表題作「ごんぎつね」をはじめ、童話・五篇、詩・十三篇を収録。
徳川家康か、それとも石田三成か。時代が天下分け目の戦いに向けて風雲急を告げつつあった頃、そのどちらにも与せず、第三の道を画策する巨人がいた。足利将軍家の血をひく細川幽斎ー。徳川の脅威にさらされる加賀前田家と提携した幽斎は、和歌の正統を受け継ぐ「古今伝授」を利用し朝廷を巻き込む一大謀略戦を仕掛けた。未曾有のスケールで描き上げる、関ケ原合戦驚愕の真相。
ついに兵は動き始めた。石田三成方の軍勢に居城・田辺城を囲まれた細川幽斎は、籠城に耐えつつ朝廷からの使者を待つ。その秘策は「古今伝授」を楯に取り、朝廷から和議の勅命を印き出すこと…。さらに幽斎にはもう一つの切り札「連判状」があった。そこに名を連ねる大名とは、いったい誰なのか。果して幽斎の「天下三分の計」は可能なのか?前人未到の「関ケ原」を駈ける意欲作。
7年前の12月、ソンドラは生んだばかりの娘を教会に置去りにした。子は偶然この教会に忍び込んだ泥棒に、ベビーカーごと連れ出された。成功目前の新進ヴァイオリニストとしてNYに戻ったソンドラは、自責の念と娘に会いたい一心で、リハーサルにも身が入らない。-富くじで四千万ドルを当てた強運のアルヴァイラ夫婦が大活躍する、ハートウォーミングなクリスマス・サスペンス。
とんでもない現場に出くわしてしまった“おれ”。悪ガキ時代からの親友は「長いものには巻かれて逃げろ」とすすめる。しかし、おれは踏みとどまることにした。愛する者の死の謎を明かしたい気持ちからだった。次々に起きる不可解な事件。遺体の交換が意味するものは?警察署長はどっちの味方なのだ!?破局に向かうコミュニティーでおかしな動きをする馴染みの住民たち。その裏側に見え隠れする先端科学技術の怪しさ。
とんでもない現場に出くわしてしまった“おれ”。悪ガキ時代からの親友は「長いものには巻かれて逃げろ」とすすめる。しかし、おれは踏みとどまることにした。愛する者の死の謎を明かしたい気持ちからだった。次々に起きる不可解な事件。遺体の交換が意味するものは?警察署長はどっちの味方なのだ!?破局に向かうコミュニティーでおかしな動きをする馴染みの住民たち。その裏側に見え隠れする先端科学技術の怪しさ。
とんでもない現場に出くわしてしまった“おれ”。悪ガキ時代からの親友は「長いものには巻かれて逃げろ」とすすめる。しかし、おれは踏みとどまることにした。愛する者の死の謎を明かしたい気持ちからだった。次々に起きる不可解な事件。遺体の交換が意味するものは?警察署長はどっちの味方なのだ!?破局に向かうコミュニティーでおかしな動きをする馴染みの住民たち。その裏側に見え隠れする先端科学技術の怪しさ。
もはや将軍一個の力でおさえることができないほど強大になった守護大名の力、足利義政は迫り来る戦乱の予感になんら力を発揮できず憂悶した。西郷隆盛一筋に生きた「人斬り半次郎」こと桐野利秋は、フランス香水をその身にふりかけ、突撃してくる官軍の中へ斬り込んだ。火付盗賊改の猛士・徳山五兵衛は、持て余した欲望のはけ口を夜毎描く秘画に求めた。抗しえないものと直面する武人たち、その貌が著者独自の人間解釈の妙によって浮き彫りになる。直木賞受賞直前の力作6編をおさめた珠玉短編集。
シーズンオフの別荘地に拳銃を片手に迷い込んだ娘と、別荘地の保安管理人として働きながら己の生き方を頑に貫く男の交流を綴った表題作をはじめ、飯倉の裏通りにあるバーを根城にする一匹狼のもめごと処理屋を描いた『ジョーカーの選択』、未来の巨大ホテルを舞台に、最悪の麻薬・ローズショットの中毒者で、常に死を見つめながらホテル探偵を続ける男を描く幻のSF連作短編『ローズ』ほか、大沢ハードボイルドの人気シリーズの役者がすれ違う、ファン必読の『再会の街角』を含む9編を収録した出色の短編小説集。
幻想を愛し、奇行で知られたシュールレアリズムの巨人ーサルバドール・ダリ。宝飾デザインも手掛けたこの天才に心酔してやまない宝石チェーン社長が、神戸の別邸で殺された。現代の繭とも言うべきフロートカプセルの中で発見されたその死体は、彼のトレードマークであったダリ髭がない。そして他にも多くの不可解な点が…。事件解決に立ち上がった推理作家・有栖川有栖と犯罪社会学者・火村英生が辿り着いた意外な真実とは?!都市を舞台に、そこに生きる様々な人間たちの思惑を巧みな筆致と見事な理論で解き明かした、有栖川ミステリの真髄。
ハイソサエティの退廃的な生活、それを見つめる虚無的な青年。実在の人物をモデルにして上流階級の人々の猥雑な姿を描いた問題作。カポーティが何より完成を望みながら、遂にそれが叶えられなかった遺作!この小説を発表したカポーティは、社交界を追われ、破滅へと向かっていった。
リングの事件発生からさかのぼること三十年あまり。小劇団・飛翔の新人女優として不思議な美しさを放つひとりの女がいた。山村貞子ー。貞子を溺愛する劇団員の遠山は、彼女のこころを掴んだかにみえたが、そこには大きな落とし穴があった…リング事件ファイル0ともいうべき「レモンハート」、シリーズ中最も清楚な女性・高野舞の秘密を描いた「空に浮かぶ棺」、『ループ』以降の礼子の意外な姿を追う「ハッピー・バースデイ」。“誕生”をモチーフに三部作以上の恐怖と感動を凝縮した、シリーズを結ぶ完結編。