1999年8月発売
雪に閉ざされた山荘。ある夜、そこに集められたUFO研究家、スターウォッチャー、売れっ子女流作家など、一癖も二癖もある人物たち。交通が遮断され、電気も電話も通じていない陸の孤島で次々と起きる殺人事件…。果たして犯人は誰なのか!?あくまでもフェアに、読者に真っ向勝負を挑む本格長編推理。
十七世紀イタリア。侯爵モンタルト家別邸の、亡き女主人が丹精込めて造った庭園で男の死体が発見される。つづいて次々と起こる侯爵家に関わる者たちの不可解な死。渦巻く血の輪舞。“呪われた庭”に隠された真実のメッセージとは何だったのか?建築探偵シリーズで大人気の著者が贈る長編幻想ミステリ。
「大人の犯罪を犯す子供はもはや子供ではない」凶悪化する少年犯罪に警察は市民に宣言した。バージニア州リッチモンドー古い歴史を誇るこの町もいまや殺人発生率全米第二位。不名誉な状況を改善すべく市は女性警察署長ハマーを迎えた。P・コーンウェルが『スズメバチの巣』に続いて放つ白熱の警察小説第二弾。
竜堂四兄弟は、人類五十億人抹殺計画を遂行する四人姉妹の本拠地英国へ飛ぶ。次々と襲いかかる魔物たちを退け、ロンドンにたどり着いた彼らを待ち受けていたのは、さらなる魔物、そして史上最大の敵・大君中の大君(ああ、当然史上最強の戦士・小早川奈津子嬢も!)。人類の命運をかけた大決戦が今、始まる。
依頼人は可憐な十七歳の少女、有美。退屈な日々をやりすごしていた探偵飛鳥井史郎は父親探しをうけおったが、その有美が失踪、高原で起きた猟奇的な連続少女殺人事件にまきこまれていた。少女たちの両親には共通の過去があり因縁と確執がかくされていたがー。ミステリ界の論客が挑む本格長編探偵小説。
太閤秀吉の愛妻・淀の方が秘所に潜ませた歓喜をよぶ「楊貴妃の鈴」を浮気相手に盗まれた。それを旅役者に化けた石川五右衛門が奪う。一座の娘・織部は太閤の妾になる夜、五右衛門を思い、そっと鈴を体内に…。大盗賊の悲哀を描く「忍者石川五右衛門」、怪しげな敵討ちの「忍者車兵五郎」など怪異忍者出現の九短編。
橋本VS.小沢の対決と福田の秘蔵っ子・小泉の浮上、小渕政権誕生と自自連立、石原都知事誕生…田中角栄と福田赳夫の「角福戦争」がいまも永田町を揺るがす。ポスト佐藤を巡る怨念の対決から田中退陣、三木から福田への政権委譲、両雄の死後も続く二大派閥の果てしなき攻防を描く。
徳川の治世、荒涼とした那須野ヶ原の夕暮れ、敵討ちの旅にあるお国と従者五平、虚無僧姿の敵友之丞、サスペンス性を帯びた三人の関係。単なる仇討劇に留まらず、人間の愛欲と悲哀が赤裸々に描かれた「お国と五平」ほか、二十四篇の戯曲作品のうち「恋を知る頃」「恐怖時代」「白狐の湯」「無明と愛染」の四篇を収める。
最も残虐な人間と、最も邪悪な神々が手を組み、史上最悪の軍隊が誕生した。とどまるところを知らぬ悪鬼の所業は世界を震えあがらせる。激動の時代、急激な勢力拡大を果たしたナチスドイツ。しかしその背後には、知られざる闇の力が存在していた。その禁断の力にふれたものはみな奇怪な運命に翻弄されてゆく…史実と虚構をたくみに織りまぜ、異形のものどもの存在を描き出した戦慄の魔術的連作集。邪悪なる七篇を収録。
ニューヨーク郊外の大邸宅が何者かによって破壊された。ポールは叔母ヴィヴィアンからその修復を依頼される。瓦礫の山と化した邸宅を目のあたりにして、ポールは封印された過去の記憶を辿り始める。その頃、ルイスボロ分署のモーガン・フォード刑事は相次ぐ若者たちの失踪事件と、破壊された大邸宅とのつながりに気づき始めていた。精神の暗闇から生み出される超人的な力を描くモダン・ホラーの傑作。
邸宅近くで発見されたふたりの若者のバラバラ死体。モーガン刑事は、この事件と邸宅の破壊の間に異常な暴力という共通点があることに気づく。そして、ポールはこの異常な暴力を脳内の化学作用の面から説明する理論に出くわす。「ハイパーキネシス」と「ハイパーダイナミズム」。超人的な力を用いて悪魔的な暴力行為を起こし続けているのは、一体誰なのか?ポールと犯人との対決のときが迫る。
学習塾に勤める白井は、都心にある大豪邸に、少女の家庭教師として派遣される。そこで、綾麹家自慢の息子・高宗に目を付けられた白井はイタズラされ犯されることに-!?塾側の資料によれば品行方正・成績優秀の良くできた高校生のはずなのだが…白井の前でのみ豹変する高宗の激しい愛に打ちのめされ、白井先生のとった行動とは!?あの大人気作品が大幅書き下ろしで待望の新書化。
不慮の事故で引退した天才二輪レーサーの水島は、営業マンとして、一見平穏な市民生活を送っていた。だが、ある野望を胸に秘める水島は、その平凡な貌の裏で緻密な計画の元、現金輸送車、銀行などを次々と襲っていった。大金を手にした水島は、野望達成のための最終武器を手に入れるべく、米軍空母に狙いを定めた。水島の最終目的とは…。長篇ハードアクション。
画家になった元同僚の個展で、かつての部下で結婚退職した桜木映美に再会した大宮は、彼女が離婚したと聞いて、大胆にも「君を抱きたい」と耳元で囁いた。すると朝まで一緒ならと、いろよい返事の映美。さっそくホテルへ連れ込むと、これがとんでもない好き者で、朝まで大宮は…。熟れた身体を持て余す離婚妻から女子大生まで、欲望剥きだしの女たちの性態。
アリタは父を不名誉な死で失い伯父のラングストン公爵の邸で冷たい伯母の仕打ちに耐えていた。厩舎の世話に明け暮れる日々のなか馬だけが心のよりどころである。アメリカの大富豪クリント・ウィルバーが隣の館を買い上げることになった。その隣人に、公爵は馬を売りつけ夫人は娘を結婚させようと画策する。交渉は馬に詳しいアリタに一任されクリントは、厩舎の改造に協力するなら売買に応じると条件を出してきた。アリタはマースフィールド館へ通い始めクリントと共に、パドックの整備など新案を次々に実行していくが…。
八年という歳月を経て、二人の男が上京した。一人は刑務所から狂気を宿して。一人は山村から愛する一人娘を連れて。かつての仲間に裏切られ復讐に燃える和久井と野獣のようなパワーを持つ桜山は都会の片隅で劇的に出会う。桜山を復讐に利用すべく、娘のあかりを誘拐する和久井。親子は引き裂かれ、父は運命の奴隷となる。火花を散らす男と男。そして生と死。大都会を血に染めて、狂気と愛が激走する。気鋭が放つ衝撃のスーパー・ハードボイルド。