1999年9月発売
巨星・〓@68B0@小平が遺書を残した!天安門事件を謝罪し、華南の経済的独立を認めると!江沢民体制を揺るがしかねないこの遺書の真偽は?追放された人民解放軍一級狙撃手、天安門事件の美しき民主派リーダー、香港の大富豪、台湾の凄腕工作員、アメリカの天才情報分析官をまきこんで、香港返還記念式典で何が起きるのか!?中国小説の雄が初めて同時代の中国に材をとった謀略冒険ミステリー!「文芸ポスト」連載、待望の単行本化。
歌舞伎見物の客の世話をする芝居茶屋の主人・弁之助は、剣術も達者なら頭も切れるが、出来すぎの女房のせいで、暇をもてあまし気味。そんなところへ「中村座の御曹子が行方不明」という知らせが入って…。一日千両が動く芝居の町に巻き起こるさまざまな事件。ころし、誘拐、御家騒動ー。目明しの鶴吉、絵画きの友蔵、二人の友と悪に挑む痛快時代小説集。
ネッド・アレンにとって、栄光は目前だった。メイン州を出てほぼ10年、マンハッタンはいよいよ彼に微笑みかけようとしていた。だが、破滅は前触れもなく襲ってきたー失業。残された負債。不信を募らせる妻。それでも、辛酸をなめ尽くした彼にも蜘蛛の糸は下りてきた。ビッグ・ビジネスのチャンス。ところが…。『ビッグ・ピクチャー』で世界の注目を浴びた著者の再就職サスペンス。
ロシアからは法も秩序も消えていた。当局の権威は失墜し、幾多のマフィア組織が無軌道に鎬を削っていた。そしてチャーリーに未来はなかった。さらに、未来のない男に与えられたはずの任務は、思わぬ危険な方向へと彼を導いてゆく。米ロ両大国の思惑に揉まれ、屈折した愛情に揺さぶられながら、彼は因縁浅からぬ街で孤独な活動を展開する。今日的テーマと壮大な構想のシリーズ第十作。
原子爆弾数十発に相当するとされる、240キロを超えるプルトニウム。それはロシア国内に残されているのか、はたまた移送されてしまったのか?チャーリーの調査が進展する一方で、罪なき娘サーシャの身に危機が迫る。目には目を、命には命を。自らの簡潔な哲学に基づき、チャーリーは鉄壁の罠を用意した。銃弾の嵐の向こうで微笑むのは誰か。世界を危機に陥れた計画は終幕に向かう。
ヘンリー8世と愛人アン・ブーリンとの娘エリザベスは、3歳で母が処刑され、私生児の烙印を押された。21歳の時には、反逆罪の疑いでロンドン塔に幽閉された。しかし数々の陰謀や暗殺の恐怖に怯えながらも、鋭い判断力と英知で男たちを操り、25歳で自ら女を捨て、国家のために生きることを決意する。「ヴァージン・クイーン」、その知られざる素顔が、いま豪華に華麗に浮び上がる。
極寒の雪原を逞しく生きる「トナカイの民」。自然の猛威が村を襲う時、一人の男が立ち上がった。だが、待っていたのは永久追放。村を追われ、流浪の果てに待つ男の過酷な運命とは?オーロラ舞う北欧ラップランドを舞台に、人間サンタクロースの愛と苦悩を描く真実の物語。
30年近く物乞いをしてきたヨシジが、あるとき青年と出会い、青年と暮らすようになり、やがて、全く未知の自分を手にする。ふたりの果てしない愛と友情から繰り広げられる感動と涙のヒューマンストーリー。
彼女は19歳で娼婦、あと半年でぜんぶ終わり、と言った…手にした七つの鍵で扉を開く時、闇のむこうから彼女を引き寄せ、音楽に合わせてやさしく抱いたのは誰?心と体をさいなむ残酷な儀式へと誘う、官能的ホラーの傑作。
「ひとを殺すことが、こんなにも、おもしろいとは思ってもみなかった」-能解匡緒の部下・奈蔵渉は、警察官でありながら、連続殺人鬼。自己の狂気を冷徹に見つめる奈蔵がかつて遭遇した、人知を越えた密室殺人事件が、十年後、再び新たな闇の扉を開く。西沢保彦が壮大な構図で描く、血も凍るサイコ・ミステリ。
金がほしいわけではない。己れの能力・可能性の証明として、その対価を求めるのだー闇の世界にしなやかに生きるヒーロー朝倉恭介のクールな魅力で、たちまちベストセラーとなった楡周平のデビュー作「Cの福音」の続編。ニューヨークを舞台に、マフィア間の抗争、リンチ、陰謀、裏切りの渦の中で、コカインルートの危機に恭介の血が沸き立つ。読者を待つのはフロリダの空を焦がす大夜襲。
1931年、豪華客船「女王陛下号」に乗りこんだ詐欺師コンビ、ガイとマックスの目にとまった絶世の美女ダイアナ。父親は有名な投資家、まさに絶好のカモだった。恋する男を装って罠を仕掛けるマックス。だが大いなる誤算、ふたりは本当の恋に落ちてしまう。歴史と人生の変転を見事に描くゴダードの最高作登場。
ダイアナの父、辣腕で鳴らすチャーンウッドは、我々の企みをすべてお見通しだった。破格の手切れ金を提示されたガイは、マックスの許可も得ず頷いてしまう。それが、思いもかけぬ殺人劇の発端になろうとは!やがて、船上の恋の結末は周囲の人々の運命を翻弄してゆく。名匠ゴダードが放つミステリー・ロマン。
握手をするように人を殺す男。一歩踏み出したらもう戻れない。欲望の街・ロサンゼルスを彷徨する探偵・永岡修。地獄を見た親子を追い、人の心の砂漠を目撃する。世紀末を斬るハードボイルド巨編。
加賀前田の支藩、大聖寺七万石に下された非情の幕命。厳冬の北アルプスを越えて高山陣屋と故城の接収に向かった生駒弥八郎以下二十四名の運命は…。表題作ほか、勇将福島正則の一代記「絶塵の将」、お役目も家も捨て狡猾きわまる悪党を追う同心の執念を描く「けだもの」など全五篇を収録した珠玉の短篇集。
アメリカのカルト教団教祖であり、人気ミュージシャンでもあるフィラードが来日した。彼を第三の存在として注目する彬の叔父、学の忠告でフィラードをマークした瀬名らだが、かえって彼に彬と菜津央をさらわれてしまった。瀬名を求めながらフィーラドに凌辱され苦しむ彬の前に、監禁されていたはずの菜津央が現れる。菜津央は彬を裏切り、瀬名を倒すと宣言するのだ。一方、彬たちを救うためフィラードがいるホテルへやって来た瀬名らは、菜津央と対決する。フィラードが知る、瀬名と彬をひきさく真実とは?シリーズますます快調。
田中リツは、昨年のミス松栄高校にノリでなってしまったれっきとした男子高校生だ。そのリツがある日、一年先輩の北岡俊郎に大告白。ノーマルなはずのリツの突飛な行動に周囲はいぶかるばかり。俊郎も地味で凡庸な自分に、なぜリツが興味を持ったのかわからない。だがリツは勢いで俊郎からOKをとりつけてしまった。その勢いは愛の情熱というより決闘の申し込みのようで…。