2000年1月発売
惑星探査船ジュール=ヴェルヌのクルー達は、ツアルノルテ共和国の領空通過申請を行なおうとしていた。ところが、相手は下船しての会談を要求してきた。何かあるのでは、と不審がるクルー達を残して凱は一人で会談に向かうのだが-。凱をきっかけに大きな事件が起ころうとしていた。それは共和国と連邦の力関係、傭兵集団・黒幇と三四郎の関係、様々な過去が明かされるなか、激しい戦闘でカイが得たものとは!?大人気の『青の軌跡』シリーズ第7弾。
すわ、幽霊舟か-暇をもてあます舟番所の惰眠を破った不可解な一艘。夜間航行の禁を犯した主は意外にも妙齢の町娘だった。心に病を宿したその儚げな佇いに、舟番所を預かる初老の旗本の胸は年がいもなく震えた…。女を繰り返し襲う夢魔。抑えようもない恋の焔。お家騒動の因縁話をからめ水の都は波間に揺れた-。
尾張国愛智郡中村の鍛冶屋の子に生まれた夜叉若。喧嘩が強いだけではなく、才知に溢れ、井戸に落ちた少女を、あわてふためく大人たちを尻目に単身で助け出す。やがて母の遠縁に当る近江長浜の領主木下藤吉郎秀吉のもとに赴き家臣の一人に加えられる。そこには利かん気の少年福島市松がいた…。名将清正の少年時代と母と子の交流を描く。
信長の天下統一へ向けての戦いが熾烈さを加えてゆくなかで、主君羽柴秀吉に従い鳥取城攻撃など中国戦線へ従軍。やがて“本能寺の変”から“山崎の合戦”へ。若き日の虎之助清正の勇猛果敢さと、緻密で合理的な性格がしだいに頭角を表わし、つぎつぎに手柄を立てて行く…。部下、同僚、主君との交流のなかに名将の片鱗が爽やかに描き出される傑作長篇。
「私は誰なのか?私は何処から来て、何処へ去ってゆくのか?」11世紀にオマル・ハイヤームが四行詩集に詠った生の悲劇的感情に共感し、知的で変化に富んだ珠玉の小説のなかに、いにしえの詩人の懊悩を蘇らせた20世紀イランの巨匠ヘダーヤト。不死身のわが身を呪いつつ、死を求めて異郷に彷徨する男を描く表題作を含め、厭世観と狂気に満ちた短編小説七編の選集。本邦初訳。
東京で活躍する作家・ヤザキはある夜、中学時代の同級生・アオキミチコから電話を受ける。初恋の女性だった。懐かしく切ない声に、ヤザキは、失われた「黄金時代」を思い、ハウステンボス内にある唯一無比のフレンチレストラン「エリタージュ」での再会を約束する。そして、二十年という時間を経て、「はじめての夜」がやってきた。年月と共に初恋は消滅したのか、それとも…。中学時代の初恋が、溜息の出るような最高の料理とともに今、切なく甦る。
中堅保険会社に勤める5人のOL。条件のよい結婚に策略を巡らす美人のリサ。家事能力ゼロで結婚に失敗する紀子。有能なOLでありながら会社を辞めざるをえなくなったみどり。自分の城を持つことに邁進するいきおくれの康子。そして得意の英語で自立をめざす紗織。男性優位社会の中で、踏まれても虐げられても逞しく人生を切り開いていこうとする女たち。それぞれの選択と闘いを描く痛快長編。直木賞受賞作品。
1935年6月15日、アメリカ艦隊に盟友ハワイ王国が奇襲を受ける!覇王・織田信長-大日本帝国初代皇帝-の再来と呼ばれる第20代皇帝・織田光長は、大日本帝国連邦(織田国・伊達国・琉球国)最大の危機に際し、自らの出陣を決意した。敵は、共和主義連合-アメリカ合衆国、欧州大陸のイギリス連合共和国・ドイツ民主共和国、そして不穏な存在ロシア帝国…。世界を共和革命の嵐から守るべく帝国と同盟を結ぶのは、オランダ・イタリア・ポルトガルのヨーロッパ王国同盟。ミッドウェイで待機を続ける連邦艦隊に敵機接近の報が届く。ついに砲火を交える日米両艦隊、果たしてその命運は!?空前のスケールで描く、著者渾身、最強のシムシビライズ戦記。
深夜のファミリーレストランで突如、男の身体が炎上した!遺体には獣の咬傷が残されており、警視庁機動捜査隊の音道貴子は相棒の中年デカ・滝沢と捜査にあたる。やがて、同じ獣による咬殺事件が続発。この異常な事件を引き起こしている怨念は何なのか?野獣との対決の時が次第に近づいていたー。女性刑事の孤独な闘いが読者の圧倒的共感を集めた直木賞受賞の超ベストセラー。