2000年7月発売
エキセントリックな言動の陰に、もろく傷つきやすい心を隠した美少女恵子は、若い教師間崎に想いを打ち明ける。クールで知的な同僚教師の橋本にあこがれながらも、奔放で官能的な恵子の誘惑を拒むことができない間崎が、ついに恵子を受け入れたとき、彼女は思いがけない行動に出たー。若さゆえに迷い、自らを追いつめていく激しい魂の行方を、北国の女子校を舞台に清冽に描く。
一見とっつきにくいけど、顔がいいから女の子にモテる。幼稚園から一緒だったという理由で、いろいろな人にミタカくんのことを聞かれたりする私の家に、ミタカは日常的にいついている。うちはママと中学生のミサオ、パパは家出中。だからいつも4人で、ごはんを食べたり、テレビを見たり、日々は平和に過ぎていき、これからも続いていくーナミコとミタカのつれづれ恋愛小説。
ガラス張りの午後の喫茶店でも爽やかに口にしたくなる、大らかで明るい呼び名を女性のアソコにーそんなキャンペーンを企画したのは、低迷気味月刊男性誌の編集部員ユウコ、猫みたいにいい女。BFのカオルがまた、申し分なくいい男。でもこの二人には、一つだけ難点がある。どうしても出来ないのだ、アレが…。おかしくも切なく、卑猥にして気高きビルドゥングス・ラヴ・コメディ。
1983年、環境保護庁の要請で陸軍武器庫に入った調査チームに銃火が浴びせられ、化学兵器が山積する庫内は猛火と毒ガスに包まれた。チームのメンバーだったドノヴァン夫妻はその大量殺戮と環境破壊の首謀者という汚名を着せられ、14年間の潜伏生活を送ってきた。だが彼らは今、一人息子を学校から奪還して最後の賭けに出たー。数多の名手を瞠目させたノンストップ・サスペンス。
謀略の黒幕がFBI副長官であることが明白になり、ジェイク・ドノヴァンはかつての同僚ニックの協力を得て、あの忌まわしい現場へと向かう。だが、化学物質に冒されて重症となった息子トラヴィスのために自ら捕らわれた妻キャロリンと、入院中の息子は次々と刺客に狙われる。血まみれの格闘と息詰まる追跡戦。その果てに、ジェイクはいよいよ巨悪との対決に臨むときを迎えた…。
1945年4月、ドイツの捕虜収容所に連合軍側から極秘指令が下った。「ジョンを脱走させよ」。捕虜幹部たちの助力で謎の男は脱走を図るが、城の屋根から転落し、ひどく破損した遺体は近くの畑に埋葬された。同じころ、ベルリン警察のディートリヒ警視は、途轍もなくタフなアメリカのコマンドが首都に向ったと知らされる。金髪で冷淡な刺客の顔は、なんとジョンのものだったー。
ホテルの一室で娼婦と謎の死を遂げた下院議員オーウェン。惨殺事件を主に手がける犯罪ノンフィクション作家デニースは、彼の依頼をうけて、故郷の町の一家族に起きた惨劇を調査し直していた。人妻の身ながらオーウェンへの愛に溺れて依頼に応じたデニースだったが、冤罪の可能性があることを知り、事件そのものにのめり込んでいく。呪われた町の悲劇を暴く、愛と慟哭のミステリー。
初めて明かされる美妙“幻”の第一作の全貌。文学&国語学、気鋭の研究者の共同作業による周到緻密な編集校訂を経て蘇る美妙の野心作『竪琴草紙』(前・後編)。明治初期文学と近代語の黎明が窺える第一級資料。
愛する者の“死”をめぐる喪の記憶。「バテスからの帰還」をはじめ「子供」、「罪なき女」、「コーベス」など、後期短篇小説のコレクション。ハインリヒ・マン短篇集全3巻、完結。
平凡な高校生の林達哉は、父親の仕事の都合で、十年ぶりに生まれ故郷の街に帰ってきた。そこで同い年の幼なじみ、小咲杏と再会するが、彼女はなぜか、小学生かと見まがうばかりの容姿のままだった。巨乳女教師、おさげのメガネっ娘、スレンダーボディのクールな美少女、ボーイッシュなレズの先輩、ロリロリの幼なじみ…様々なキャラが織り成す、濃厚エッチとほのぼのラブコメの饗宴。
ひょんなことからケンカをしてしまった達哉と杏。憂鬱な日々が続く中、達哉はクールな美少女・高木知佳の意外な一面に触れ、おさげのメガネッ娘・西森志穂と急接近する。果たして、達哉と杏の恋の行方は?そして、ついに明かされる杏の秘密とは?前編を上回るエッチ度で迫るエロチックラブコメ、ここに完結。
通称“のっぽ”ことエルネスティーヌがメグレに奇妙な話を持ちこんできた。金庫破りで有名な彼女の亭主がある邸宅に忍びこんだところ、女の死体に出くわしたというのだ。彼は泡を食って逃げ出し、彼女に電話でその話をしたあと、行方をくらましてしまう。メグレはさっそく件の家を訪ねる。しかし死体はなかったし、その家族は泥棒にはいられたことすら否認する…。
オーウェルの清冽な生き方は、今なお多くの読者を魅了してやまない。本書は、『政治の弁証』などで著名なイギリスの政治学者が未公開資料を駆使して描き出した、初の本格的伝記である。上巻では、セント・シプリアン校時代から、独自の政治思想を確立する『ヴィガン埠頭への旅』までの時期の思想形成を跡づける。
オーウェルの清冽な生き方は、今なお多くの読者を魅了してやまない。本書は著名なイギリスの政治学者が未公開資料を駆使して描き出した、初の本格的伝記である。下巻では、スペイン内乱、第2次大戦、『動物農場』『1984年』の刊行という円熟期の思想の軌跡をたどり、オーウェルの全体像を浮かび上がらせる。