2000年9月発売
経済学者から為替ディーラー、インターネット専門家、さらに現役中学生、チーマーまで…。『希望の国のエクソダス』執筆のために行なわれた膨大な取材の中から十三本のインタビューを収録。日本がいま抱える危機と可能性を探る。
山神大地は、交通事故で骨折入院。見舞いにきた保健の水沢先生と病院のベッドで、それを見た看護婦とも結ばれる。“性”を教えてくれた島野先生には成長を認められ、学校一の才媛で先輩の留守中にはお母さんから自宅に誘われる。『週刊現代』好評連載官能ロマン、文庫化でますます好調第3弾。
日々エスカレートしていく少年犯罪に対峙し続ける弁護士・真希が担当したのは、母と幼い娘を強姦し、殺害した16歳の少年だった。少年たちが抱く心の闇に戸惑い、そして、愛し合っていたはずの夫との間に、いつしか横たわっていた深い淵に孤独を感じる真希。そんな彼女に安らぎを与えてくれたのは、愛してはいけない人だった…。月曜夜10時NTV・YTV系列、全国ネットで10月9日スタートのテレビドラマ『明日を抱きしめて』の原作。
作家・山井彰は、いかにして超常現象研究家・逢摩時雄と出会い、なにゆえに彼の行動を書き記すまでにいたったのか?きっかけは、山井が放送作家だったころ、超常現象をあつかうテレビ番組にかかわり、奇妙な現象を体験したことにあった。廃墟となったホテルにまつわる奇妙な噂を解明すべく、テレビ・クルーとともに現場にのりこんだ、サイキック・ハンター・逢摩の活躍をあざやかに描く、新感覚ゴースト・ストーリー登場。
神に憑かれた牧師アーロン。彼は神への生贄として少女を誘拐、朽ちかけた教会に監禁する。置き手紙から当初は家出と思われたが、状況に不審な点を感じた少女の父親テイトは、元妻とともに娘の行方を追う。テイトの協力者を悪魔的な機知で次々始末していくアーロンが最後に目指すものは?狂気に満ちた誘拐犯と追跡者たちの二つの物語が交錯したとき、驚愕の真相が!『静寂の叫び』に続く、緊迫感溢れる傑作サスペンス。
三条河原の刑場で、油が煮えたつ大釜に投ぜられようとしているのは、大盗賊の石川五右衛門だった。高貴な女人との恋を得ようと内裏に忍び込み、彼女たちを辱めたもののうまくゆかず、失意にあった彼に、秀吉の暗殺とひきかえの任官話が持ちかけられた…。彼の胸中を知ってか知らずか、四人の男女が、いまそれぞれの思いを秘めて見つめていた。表題作他、己の価値観で生きる人々の時代短篇集。
草莽の志士として幕末の動乱期を駆け抜け、維新後は、岩倉使節団に随行。征韓論争の帰結を左右するほどの重要な役割を担い、日本の近代国家としての礎を築くことになった巨魁、伊藤博文。その全生涯を、本人の手記、書簡はもとより、現存する資料や文書を駆使して余すところなく描いた。日本の近代黎明期の政治過程を浮き彫りにする、圧巻の歴史大作!その維新動乱期から、日清戦争前夜までを収録。
ブラジル「発見」500年、記念出版!“ヴェルデーアマレーロ”原生林と黄金の国をグローバルに理解するために、500年にわたる文学事象を、文化、社会、政治等の視座から通観する本邦初の画期的な文学事典。
反粒子工学の権威バリー博士が家族とともに誘拐された。誘拐犯のルーバルはバリーの娘リーに体内爆弾を仕掛け、強大なエネルギーをもたらす謎のテグタニオ空間を操るために力を貸すことを迫る。バリーは高いサイ能力を持つレインに助けを求めるのだが…。発表当時、話題となった作品を全面改稿し、新たにシリーズ化した期待のスペース・アドベンチャー第一弾。
大手航空会社で「空の女」を夢見ていた夏川伊吹がかろうじて就職できたのは、地元の弱小ヘリ会社「ジュエルボックス・ナビゲイター」社。そこで待っていたのは地べた九割・空一割の雑用の日々だった!果たして伊吹の空への憧れはかなう日は来るのだろうか?『イカロスの誕生日』で話題を読んだ新鋭SF作家、小川一水が書くヘリコプター冒険小説、書き下ろし。
受験に失敗した従兄弟を励まそうとメールを書いている涼子の眼前に、当の渉がCRTから出現!一体、渉に何が起こっているの!?それは二人が正月に経験した神儀を契機とした、蛇神と巫の不思議な物語の始まりだった…。渉と涼子は、秘せられし神、言織比売を見出せるか?妹尾ゆふ子が巧みな筆致で、世紀末に舞う古き神々を描いた現代SFファンタジー、書き下ろし。
数百年前に那国文明圏が放った無人恒星間探査船が、後にエキドナ文明と命名される異星文明を発見した。合同調査隊は、産業革命後の文明を持った人類型異星人を発見する。しかも衛星ラミアには、彼らの技術水準では不可能な核融合炉、大規模マスドライバーなどの遺跡が存在していたのだ。そんななか、合同調査隊の帝都エクスカーナ代表部は、独自の極秘計画を発動する…。気鋭の作家が贈る新生ハードSFここに開幕。
大和国郡山藩の馬廻りの滝河克蔵が、赤羽橋附近で二人の刺客に襲われた。克蔵の剣術で一人は仕留めたものの、一人は素性も判らぬまま逃亡した。一方、三日市藩内で田畑を搾取されたという直訴状が、将軍家斉に届けられた。その裏探索の密命を受けた武田哲太郎と近藤輝之進は、意外にも滝河を狙った刺客が、三日市藩の徒士目付であることを知る。だが、双方の事件を探る二人に、次々と追手が襲いかかり…。書き下ろし時代長篇。
家庭でも職場でも今ひとつ冴えない野瀬真作は、準大手ゼネコン・樋田建設泉山営業所の次長だ。その真作へ思ってもみない大仕事が舞い込んで来た。泉山市の「コスモポリス計画」に樋田建設が取引先として指名されたのだ。真作は、市役所秘書室の桃原という男の言うまま、裏工作資金を会社から引きだしたが…。詐欺師に騙された窓際会社員の運命は!?気鋭・山本甲士が贈る、書き下ろし意欲作。
「“ニホン”はわたしの物だ…」血で血を洗う戦国時代、神威及ばぬ極東の地に、吸血鬼襲来す。その報を得たヴァチカンは対吸血鬼のための戦士“聖堂騎士”ステファンの派遣を決定する!果たしてルイス・フロイスや織田信長、柳生石舟斎らは、肉体を持つ悪魔“不死王”の牙より日本を守りきれるのだろうか!?戦国時代から江戸初期へ繋がる、伝奇SFいよいよ開幕。
ほの暗い生の奥底から、射し始める再生の淡い光。仙台の川べり、ノルウェーの空の下、押し寄せる想いの源流には何があるのか?九つの作品群を通じて浮かび上がる男の消息…沈潜の日々からのゆるやかな寛解を描く、最新作品集。
だれも祝ってくれない誕生日。孤独をかみしめながら、その日彼女は無惨に殺された。現場に残されたダイイング・メッセージが事件の鍵を握る「夜更けの祝電」。不幸な結婚のせいで自殺した友人のため、復讐を企てた女の思い詰めた気持ちが切ない「早朝の手紙」。その他いずれ劣らぬ難事件を、東京地検主任検事、霞夕子が華麗に推理する。
見失っていた。本当に手に入れたいものを。出所したばかりのスリは家に戻れなかった。オケラになった占い師は途方にくれていた。なにかに導かれるように、二人はひとつ屋根の下で暮らし始めた。スリが手を伸ばそうとし、占い師の抜き取ったタロットのカードと交錯した、そのとき二人は身も心も引き裂く嵐に巻き込まれていた。ストーリーテラーの名品。
大橋賢三は黒所高校二年生。周囲のものたちを見返すために、友人のカワボン、タクオ、山之上らとノイズ・バンドを結成する。一方、胸も大きく黒所高校一の美人と評判の山口美甘子もまた、学校では「くだらない人たち」に合わせてふるまっているが、心の中では、自分には人とは違う何かがあるはずだと思っていた。賢三は名画座での偶然の出会いから秘かに想いをよせていたが、美甘子は映画監督の大林森にスカウトされ女優になることを決意し、学校を去ってしまう…。-賢三、カワボン、タクオ、山之上、そして美甘子。いまそれぞれが立つ、夢と希望と愛と青春の交差点!大槻ケンヂが熱く挑む、自伝的大河小説、感涙の第2弾。