小説むすび | 2002年7月発売

2002年7月発売

笑う未亡人笑う未亡人

一見単純な事件だった。裕福な銀行家が自宅のベッドで射殺され、階下の居間で一人でTVを観ていたと主張する28歳年下の妻メアリが逮捕された。夫婦はその前の晩に衆人環視の中、大喧嘩をしている。周囲の人々は、もともと年齢も家柄も不釣り合いな夫婦だったと証言する。さらには、メアリに夫殺しをもちかけられたが断わったと告白する男までが現われた。誰がどう見ても、容疑者メアリの有罪は間違いなさそうだ。だが、メアリの弁護士の依頼で調査に乗り出したスペンサーは、素朴な疑問を抱く。いくらなんでも、もうすこしましなアリバイくらい用意しそうなものだが…調査にかかったスペンサーには尾行がつき、夫の一族が経営する銀行では不穏な噂があった。事件の背後には、想像以上に複雑な背景があるようだ。やがてスペンサーが真相に迫ったとき、殺し屋の銃口が火を吹いた!無邪気に見える若き未亡人は、有罪か、無罪か?事件の背後に潜むのは、何者なのか?久々にホームグラウンドに戻ったスペンサーが、勝手知ったるボストンの街を疾駆する。

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