2005年7月発売
今世紀最高の女流作家・短編小説の名手に村上春樹が挑戦。NY・ブロンクスに生まれ、二十世紀のアメリカを生き抜いた女の名作品集 村上春樹が初めて訳す女性作家は、御年七十七歳、白髪・小太り、ニューヨーク・ブロンクス育ちのロシア移民二世。「矍鑠(かくしゃく)」という言葉そのもの、一言でいえばアメリカの「肝っ玉かあさん」です。ただしこの〈グレイスおばあさん〉、本書を含むたった三冊で三十年間、アメリカ文学の最高峰に君臨し続けている伝説の作家。超ビッグなおばあさん作家と村上春樹の組み合わせの妙を楽しんでください。 たった3冊の短篇集で、50年の間、圧倒的支持と尊敬を受けつづけている、まさに稀有な作家、グレイス・ペイリー、御年83歳、NY・ブロンクス生まれ。ストレートにタフだけれども、温かく、ちょっとはぐれたおかしさがたまらない。どの場面も熱い血が脈打っていて「いったんはまりこむと、もうこれなしにはいられなくなる」(訳者あとがき)17篇。
昭和14年5月、満蒙国境で始まった小競り合いは、関東軍、ソ蒙軍間の4ヵ月に亘る凄絶な戦闘に発展した。襲いかかる大戦車群に、徒手空拳の軽装備で対し、水さえない砂また砂の戦場に斃れた死者8千余。生還した3人の体験談をもとに戦場の実状と兵士達の生理と心理を克明に記録、抑制された描写が無告の兵士の悲しみを今に呼び返す。芸術選奨文部大臣賞、吉川英治文学賞受賞の戦争文学の傑作。
UFOで町おこし!?過疎の町を再生しようと悪戦苦闘する元若者たちが仕掛けた策とは…?地方の未来を真面目にわらう!!ときに愚かしくも愛しい“人間”を描く、胸に迫る長編。
戦後1年、混乱をきわめる下関近郊の海岸に血まみれになった一人の男が密かに上陸する。朝鮮の新聞を騒がせた伝説の動物・海狼(シー・ウルフ)の正体だった。男の名は高橋健司、ふるさとで待つ母に会うため、ソ連軍が押し寄せた「満州」から逃げ延びてきたのだ。だが、男は重要な「機密」を握っていたため、ソ連軍だけでなく米国からも追われていたのだ!日本を舞台に、「海狼」をめぐり三つどもえで争う、米軍、ソ連諜報部、日本警察。高橋は、しだいに追いつめられ、やがて故郷・熱海の近くの真鶴岬へ向かう。そこで待っていたものは…。米ソ冷戦に巻き込まれた、日本憲兵の逃亡と悲恋のドラマ。
全力学園高校野球部主将・不屈闘志(ふくつ・とうし)が強豪・日の出商相手に演じた112対0からの大逆転劇を小説世界で完全に再現。受験生必須、現代史に欠かせない伝説の偉人の熱血物語。熱血野球映画「逆境ナイン」ノベライズ。
木訥そのものの男「ばあどるふ」が頓死した。毒殺か?幸田露伴のミステリ「あやしやな」。少年が出会った遊女は、朝鮮に行く前に行方不明の弟と似た少年に会いたかったのだと語った、国木田独歩「少年の悲哀」。浅草松葉町に隠れ家を得た主人公が出会った謎の女。目隠しをされ逢瀬を続けたが、ついにその正体が知れて…谷崎潤一郎「秘密」。明治を彩る、バラエティに溢れた傑作短篇9編を収録。
道教の大本山、江西の竜虎山の伏魔之殿に封じこめられていた妖魔から解き放たれ、三十六員の天〓(こう)星がこの世に現れ、七十二座の地〓(さつ)星が下界におりる。このすべてが百八人の好漢となり、梁山泊に屯集して宋国の世を揺るがす中国大長編伝奇小説。百二十回本では唯一の個人全訳。
本書は、2004年に小説誌等に発表された数多くの短篇ミステリーの中から、日本推理作家協会が最も優れた18編を厳選した、決定版アンソロジーです。さらに、2004年推理小説界の概況、ミステリー各賞の歴代受賞リストも付いた、50年を超える歴史を誇る国内唯一無二の推理年鑑です。
「八歳の女子が赤子を生んだ」。「他人の墓石を勝手に磨いて回る何者かが出現」。江戸旅篭町の古本屋「だるま屋」には公儀の裏事情から町の噂まで、さまざまな風聞が集まる。噂の出所や行く末を追って秋月伊織が“見届ける”抜き差しならない男女の通い合い、心に響く親子の情愛。人情あふれる書下ろし時代小説新シリーズ。(講談社文庫) お江戸の噂にゃ裏がある。 「八歳の女子が赤子を生んだ」。「他人の墓石を勝手に磨いて回る何者かが出現」。江戸旅篭町の古本屋「だるま屋」には公儀の裏事情から町の噂まで、さまざまな風聞が集まる。噂の出所や行く末を追って秋月伊織が“見届ける”抜き差しならない男女の通い合い、心に響く親子の情愛。人情あふれる書下ろし時代小説新シリーズ。
何者かに殺されかけ、大正11年から現代の渋谷にタイムスリップしてしまった、明治の文豪・森鴎外。道玄坂で若者に袋叩きにされているところを女子高生・うららに助けられる。彼女の友人達の助けを借り、元の世界に帰る方法を探るうちに、文学史上の大疑問に突き当たり、鴎外を狙う意外な犯人の名が浮かぶ。
地下密室と宇宙密室 驚天動地、森ミステリィ 土井超音波研究所の地下に隠された謎の施設。絶対に出入り不可能な地下密室で奇妙な状態の死体が発見された。一方、数学者・小田原の示唆により紅子は周防(すおう)教授に会う。彼は、地球に帰還した有人衛星の乗組員全員が殺されていたと語った。空前の地下密室と前代未聞の宇宙密室の秘密を暴くVシリーズ第9作。 プロローグ 第1章 欠ける lack 第2章 架ける span 第3章 掛ける sprinkle 第4章 賭ける venture 第5章 駆ける run 第6章 懸ける risk 第7章 翔る soar エピローグ