2005年9月発売
命を賭けた恋… 大正時代、筑紫の炭坑王の妻で美貌の歌人・柳原白蓮は7歳下のジャーナリスト宮崎龍介と恋に落ちた。名高い恋の逃避行「白蓮事件」を、門外不出の資料を元に描ききる渾身作。第8回柴田錬三郎賞受賞作。(解説・菅 聡子)
十六歳のアンはプリンスエドワード島の若き教師となった。ギルバートと村の改善協会で活躍し、マリラがひきとった双子を育てながら、夢を胸に前向きに生きる。ミス・ラヴェンダーの恋、ダイアナの婚約、新しい旅だち…。少女から若い娘へ成長していく二年間を、清冽な描写とユーモアで綴った感動の名作。英米文学・聖書からの引用を詳細に解説した訳註つき完全訳「赤毛のアン」シリーズ第二巻。
「僕があなたを恋していること、わからないのですか」昭和27年、国分寺。華麗な西洋庭園で行われた夜会で、彼はまっしぐらに突き進んできた。庭を作る男と美しい人妻。至高の恋を描いた小池ロマンの長編傑作。
築地魚市場の片隅に興した零細企業が、「マルちゃん」ブランドで一部上場企業に育つまでを描く。東洋水産の創業者・森和夫は「社員を大事にする」経営理念のもと、様々な障壁を乗り越えてゆく実名経済小説。
「サンマル」ブランドで知られる食品メーカー大手の東邦水産は、即席麺の米国工場建設を目指していた。「人を大事にする」経営理念のもと、市場原理主義の本場・米国進出に賭けた日本人ビジネスマンの奮闘!
キュートな女子大生会計士・藤原萌実と新米会計士補・柿本一麻の事件ファイル第3弾。映画ビジネスを蝕む不正のトリックとは? ネット予約でホテルが安くなるわけは? 巻末に「不正・粉飾決算摘発マニュアル」付!
不動産会社部長の森田は、早期退職に応じ、新会社を起こして再起を図ろうとしていた。ところが退職当日、起業資金の半分と共に、家族が消える。仕事人間が人生を振り返り、仕事と家族を見つめ直すサラリーマン小説。
城山文学の到達点を示す戦争文学全集(全六巻)、第二回配本。海軍兵学校の同期生だった二人の青年将校は、くしくも最初と最後の特攻に散った。人間の尊厳を深く問いかける表題作ほか「友情 力あり」を収録。
リィを次期タンガ国王ナジェックの妻となすー勝利の女神を辱め、戦意を削がんとするゾラタスの卑劣な策謀。ウォルは国王という枷を従弟に押しつけ、国境に向け馬を駆る。随伴するは二騎。リィの異世界での相棒ルウと人間として生きることを決めたシェラ。ここに、最後の戦いが始まろうとしていた。
蛇王の眷属、有翼猿鬼、鳥面人妖がパルスに現れる!国王アルスラーン統治下の王国には、闇が忍び込もうとしていた。ミスル国で客将軍クシャーフルと名乗り雌伏するヒルメスは、ミスル国王に献上される美しき孔雀姫・フィトナと運命的な出会いを!ヒルメスを野望に誘う彼女の腕には謎の銀の腕輪が…。魔の山デマヴァントに閉じこめられたクバードらの危機ははたして!?アルスラーン、ダリューン、ナルサスらのもとにも、魔軍の足音が忍び寄る!!超絶ヒロイックファンタジー小説、戦慄の書下ろし最新作、ついに刊行!新たなパルスの歴史が、動きだす。
浮気調査を依頼され、使用人を装って山奥の邸に潜入した私立探偵・鵜飼杜夫。ガールフレンドに誘われ、彼女の友人が持つ山荘を訪れた探偵の弟子・戸村流平。寂れた商店街の通りで起こった女性の刺殺事件の捜査をおこなう刑事たち。別々の場所で、全く無関係に夜を過ごしているはずだった彼らの周囲で、交換殺人はいかにして実行されようとしていたのか?飄々と、切れ味鋭い傑作本格推理。
水島月菜と夫・良城は結婚八年目。表向きは仲睦まじく見える二人だが、実は大きな悩みを抱えていた。強迫的な潔癖症を患い、夫は月菜に直に触れることさえできないのだ。ある日、月菜は書店を訪れた青年・克麻と知り合う。少しずつ克麻に惹かれていくのを自覚する月菜。しかし、彼もまた、深刻な悩みを抱えていた…。
土佐沖に広がる夏の青空の下、大和は盛大に飛沫を巻き上げながら航行していた。その飛行甲板の上には、それぞれ10機ずつの零戦、九九艦爆、九七艦攻が、整備員たちの手によって次々と運び込まれ、発艦準備を行っていた。「なんともいえない光景だな」大和艦長として防空指揮所に立つ黛が、甲板上の作業を眺めながら呟いた。傍らに立っていた航海長が、片方の眉を上げながら言った。「まったく、馬鹿げていますよ。これだけ巨大な空母-いや、軍艦は、世界広しといえども、我が海軍にしか存在しないのですから」黛はぎこちなく頷いた。この大和が戦艦として生まれなかったことに対し、複雑な心境を抱いていることに変わりはなかった。
鬼が女の頚に、ぞぶりと噛みついていた…。平安の都に次々起きる怪事件。やがてそれらが都を滅ぼす恐ろしい陰謀へと繋がって行く。晴明と博雅が立ち向かう相手とは?シリーズ待望の大長編。
首のない屍体が、びくりと背を反らせる…晴明と博雅は俵藤太らとともに、平将門の死の謎を追ううちに、彼の遺灰を盗み出した者がいたことを突き止める。背後に蠢く邪悪な男の正体はー。