2006年10月発売
国家偵察局員レイチェルの仕事は、大統領へ提出する機密情報の分析。大統領選の最中、レイチェルは大統領から直々に呼び出される。NASAが大発見をしたので、彼女の目で確かめてほしいというのだが……。
北極で、地球以外にも生物が存在する証拠を見せられるレイチェル。だが、科学者チームと調査を進めるうちに、レイチェルは信じられない謀略の深みにはまりこんでゆく…。
広域暴力団の大幹部が殺された。容疑者の一人は美しき男妾あがりの男……それが十年ぶりに麻生の前に現れた山内の姿だった。事件を追う麻生は次第に暗い闇へと堕ちていく。圧倒的支持を受ける究極の魂の物語。
刑事・麻生龍太郎と男妾あがりのインテリ山内練。ひとつの殺人事件を通して暴かれていく二人の過去に秘められた壮絶な哀しみとは? ミステリとして恋愛物語として文学として、すべてを網羅した最高の文芸作品!!
東京近郊で連続する誘拐殺人事件。事件が起きた町内に住む富樫修は、ある疑惑に取り憑かれる。小学六年生の息子・雄介が事件に関わりを持っているのではないか。そのとき父のとった行動は……衝撃の問題作。
江戸時代、ある晴天の日、街道沿いの茶店に腰かけていた浪人は、そこにいた、盲目の娘を連れた巡礼の老人を、抜く手も見せずに太刀を振りかざし、ずば、と切り捨てた。居合わせた藩士に理由を問われたその浪人・掛十之進は、かの老人が「腹ふり党」の一員であり、この土地に恐るべき災厄をもたらすに違いないから事前にそれを防止した、と言うのだった…。圧倒的な才能で描かれる諧謔と風刺に満ちた傑作時代小説。
第二次大戦が終わった夜、原爆が生まれた砂漠の町で一人の男が殺され、混沌は始まった。原爆の父・オッペンハイマーの遺稿の中で、世界は捻れ悲鳴を上げる。人間の原罪を問う、至高のエンタテインメント。
五年前、脊髄に銃弾を受けて能見は足の自由を失い、そして同時に、親代わりと慕っていた秋葉をも失った。車椅子に頼る身になった能見は、復讐のため、かつての仲間達の前に姿を現した。刑事、公安、協力者たち。複雑に絡み合う組織の中で、能見たちを陥れたのは誰なのか?そしてその能見の五年間を調べる桜田もまた、公安不適格者として、いつしか陰の組織に組み込まれていた。彼らの壮絶な戦いの結末は…。
その遺体、自殺じゃないな…。騒然とする現場で、ちょっとした痕跡から、死の真実を見破った男がいた。怜座彰光、39歳。数多くの遺体を回収し運んできた長い経験で培われたその鋭い観察眼は、物言わぬ遺体に残されたわずかな手掛かりを捉え死因を特定し、真実を看破する。知られざる職業、霊柩車ドライバーの舞台裏に迫り、陰謀に挑む孤高の男の大胆な活躍を描く異色の大型エンターテインメント。新しいヒーローの誕生。
北方版『水滸伝』待望の文庫化! 北宋末期、汚濁しきった政府を倒すため、立ち上がった漢たちがいたーー。北方謙三が描く壮大な革命譚、ついに文庫版刊行。司馬遼太郎賞受賞作。全19巻+別巻。(解説/北上次郎)
晩秋の夜、高速バスが炎上。この事故で夫を失った園田萌と、娘を亡くした作家・石渡遊作が出会ったのは、二か月後の遺族会がはじめてだった。喪失の同じ痛みが、ふたりを分かちがたく結びつけてゆく。だが孤独と絶望の淵からはじまった愛は、スキャンダラスに取りざたされることに。互いに溺れ、社会に背をむけたふたりに残されているのは、この恋に殉じること。究極の道行を描く渾身の恋愛長編。
高校ソフトボール部仲間の通夜で再会した、七人の女性たち。二十五歳を迎え、それぞれが悩みやトラブルを抱えていた。過酷な仕事に疲れた看護師、厄介な職場で奮闘する栄養士、過去のあやまちを引きずる主婦…。彼女たちは、傷つき、迷いながら自分だけの答えを見つけていくー。ミステリのエッセンスを加えながら、前向きに生きようとする女性の姿を描いた、爽やかな青春群像劇。
「クリスマスの奇跡は、それを信じる人に起きる」そう聞かされた白血病の少女の願いは、人生に絶望した男に信じる気持ちを取り戻してもらうことだった。神様が少女にくれた思いがけないプレゼント。クリスマスに起きた本当の奇跡。
俺たちの仕事をクリック一つで奪うなんて、絶対に許さない!民営化された郵政にコンビニでの宅配便扱いを奪われた暁星運輸の営業課長・横沢。新規契約獲得に奔走するさなか、ネット市場を席巻するIT企業「蚤の市」から要求されたのは、あり得ない額の値引きだった。創業時からの取引先を容赦なく切り捨てるは自らの進退を賭けた「戦争」を仕掛ける。勝つのはどっちだ?!明日の日本を予見する経済小説。
美少女ナオミの若々しい肢体にひかれ、やがて成熟したその淫蕩なまでの底知れぬ魅力のとりことなった譲治。奔放なナオミは譲治の背に跨って部屋中をめぐる。女の魔性に跪く男の焦燥と惑乱と陶酔を描く谷崎文学の傑作。
ナディア・モガールと矢吹駆は、ウイルス性の奇病に冒された友人の頼みで、彼の師であるマドック博士に資料を届けるため、クレタ島南岸に浮かぶ孤島、「牛首島」へと向かう。牛首島にある不思議な建造物「ダイダロス館」を訪れた十人の男女を次々と襲う、奇怪な連続殺人の真相とは!?本格探偵小説を代表する傑作、待望のノベルス版刊行。
小学5年生の和也は、宮城県内の小さな町から、憧れの仙台市に引っ越してきた。川沿いに5軒が並ぶばかりのみすぼらしい住まいにショックを受けるが、隣家に住む同級生2人と仲良くなる。ところが学校では、その2人が周囲から浮いているのに気付く。ストリッパーやヤクザもいる自分たちの住む地域が、かつては差別されていたことを知った和也は、2人の友人と他のクラスメイトとの間で悩む…。ねえ、ほんとうの友情って、何だろう?史上初の直木賞&山本周五郎賞ダブル受賞作家が差別問題に正面から取り組んだ、魂に響く成長譚。