2006年10月発売
学校の裏山にぽつんと建つ摂知庵という奇妙な家。少年三人組はそこで神秘的な中年男と出会った。銀色のドームに篭もり、遠い星に思いを馳せる日々。「宇宙」に魅せられた少年たちはそれぞれ大きな夢を追いはじめた。しかし大人になって見上げる空は、ときに昏く…。切なくほろ苦い青春の果てを描く傑作小説。
グインの正体を自分の兄貴分だと思い込んだ傭兵、スイランが無理やり仲間に加わってきた。グイン一行は、グインの目立つ姿を利用して、ケイロニアの豹頭王グインを演じる旅芸人の一座になりすますという、大胆な策に出た。ところがこの、世間の目を欺くはずの目くらましがたいへんな評判を呼び、近隣に一座の名が知れ渡り、ついに快楽と悪徳の都として名高いタイスの支配者、タイ・ソン伯爵からお呼びがかかってしまう。
エリザベス・テイラー、通称ベッツィ。長身でブロンドの元モデル。職業はエグゼクティブ・アシスタント。高価なブランドものの靴を買うのが大好き。そんな彼女の30歳の誕生日は、最低最悪だった。まず寝坊してバスに乗り遅れ、会社に遅刻すると解雇を言いわたされ、天気が悪くて誕生日パーティーは中止、そのうえなんと、交通事故にあって死んでしまったのだ!さらに最悪なのは、目が覚めると棺の中で、安っぽいドレスに継母のお古の安物の靴をはかされていた!ショックのあまり、もういちど死んでしまおうとするが、ベッツィは死ねなかった。不死身のヴァンパイアになっていたからだ!?けれど、ヴァンパイアになったにしては、教会に行っても、十字架を持っても、聖水を浴びても、とくになにも起こらない。とはいうものの、ありとあらゆる男性がベッツィに色目を使ってくるようになる。血を吸ってくれって言いながら…。おまけにノストロなんていうヴァンパイアのボスからは手下になれと脅されるし、シンクレアというちょっといい男の吸血鬼からは、「あなたこそヴァンパイアの女王だ」なんてつきまとわれて、もうほんと、やってられないわ。
都会で働く一六歳のジーニアと一九歳のアメーリア。二人の女の孤独な青春を描いた本書は、ファシズム体制下の一九四〇年、著者三一歳の作品。四九年にようやく刊行され、翌年イタリア最高の文学賞ストレーガ賞を受賞。
Web2.0を解読せよ!! 難事件の数々に少年探偵が立ち向かう! 第1話「ミクシィのアリバイ」 第2話「教えて!gooの暗号」 第3話「ブログ殺人事件」 第4話「はてなブックマークを解読せよ」 第5話「口コミサイトと招待客」 第6話「You Tube誘拐事件」 You Tubeを使ってメッセージを送っている誘拐事件、 みんなも知ってますよね!
「失望したときには、オレと一緒に死んでみる?」「退屈だし、別にいいよ。夏の間なら」-僕らは18歳にならないと思っていた。これ以上、成長するなんてウンザリだ。海辺で出会い、バイクで夏をかけぬけた17歳のココとレン。ふたりのあてもない旅の行く先は…。芥川賞作家による傑作青春小説。
シャルリュス男爵と仕立屋ジュピヤンの出会いをきっかけに、同性愛(ソドムの世界)の主題がくっきりと姿をあらわす(第四篇1)。ゲルマント大公夫妻のサロンでの、ソドムの男たちの描写とドレーフュス事件の影。章末の一節「心の間歇」では、祖母を巡る過去が突然に蘇る(第四篇2第一章)。アンベルチーヌとの交際の深まり、そして彼女と女友だちの関係への疑惑。ここから、ゴモラすなわちレズビアンの世界が、徐々に始まってゆく(第四篇2第二章)。
ヴェルデュラン夫人が、連日のように晩餐会を開いている(第四篇2第2章・続)。語り手は運転手つきの自動車をやとって、アルベルチーヌとバルベック効外を散策する。一方、シャルリュスは、ヴァイオリニストのモレルに会うために、ヴェルデュラン夫妻のサロンの常連になっている(第四篇2第3章)。アルベルチーヌの同性愛への疑惑と嫉妬。彼女を隔離しなければならない。語り手は母親に、アルベルチーヌとの結婚を告げる(第四篇2第四章)。
すべてはこのラストのために。話題沸騰の陸上青春小説 ただ、走る。走る。走る。他のものは何もいらない。 この身体とこの走路があればいい……。 「1本、1本、全力だ」 そして、俺らはいつものように円陣を組んだ。総体に行くためだけでなく、タイムを出すためだけでなく、鷲谷と戦うためだけでなく、何より、俺たち4人でチームを組めたことのために走りたいのだった。 「この決勝走れて、どんなに嬉しいか、言葉じゃ言えねえよ」 全3巻圧倒的迫力の完結編!! 第28回吉川英治文学新人賞受賞 2007年本屋大賞受賞
詩人・歌川一馬の招待で、山奥の豪邸に集まった様々な男女。邸内に異常な愛と憎しみが交錯するうちに、血が血を呼んで、恐るべき八つの殺人が生まれたーー。第二回探偵作家クラブ賞受賞作。
ささやかな社会批判をした妻が密告により逮捕され、土に植えられてしまった。次第に植物化し、感情を失っていく妻との切ない別れは…。宇宙の伝説と化した男が、二十年ぶりに帰ってきた。かつて賑やかだった鉱山町の酒場、冒険をともにしたロボット、人妻となった愛しの彼女。郷愁にみちた束の間の再会は…。奇想あふれる設定と豊かな情感が融け合う不思議な作品群。
十津川警部の旧友、原口が長崎・雲仙で死体として発見された。彼は生前、何かにひどく怯えた様子だったという。捜査が進むうちに、勤務先の音響メーカー・メディアX社に関するきな臭い噂が届く。原口は死の直前、出版社宛にメディアX社の所業を告発する手紙を出していたのだ。真相を探ろうとする十津川の前に立ちはだかる妨害の数々。そして十津川は何者かの手によって拉致されてしまうが…!?十津川警部、最大最悪の危機。
静岡の寸又峡で、TV局の記者久保と、作家を自称する男が相次いで殺された。久保の記者仲間・伴島は、遠く秋田で起きた素封家の死が事件に関係していることを掴む。だが、大曲の「庄屋様」横居家に向かった彼も忽然と姿を消してしまった。久保夫人の依頼で事件に関わった浅見光彦は、伴島の後を追い秋田へー。横居家の美少女・光葉の謎めいた瞳の奥底に宿るものとは、そして、大曲の花火大会の夜に何があったのか。