2007年発売
突如出現する巨大怪獣。地球侵略を企むナゾの宇宙人。そして人々に襲いかかる驚異の改造人間。いい年齢をしてナンパが大好きな、アタル、京介、正太郎の3バカトリオに、次々と恐怖が襲い掛かる!彼らを救うヒーローは残念ですが現れない!密室、誘拐、連続殺人。怪物たちは、なぜか解決困難なミステリを引き連れてくるのであった。空前絶後のスケールでおくる、本格特撮推理小説。
夕子は北海道釧路地検に転勤になった。東京とはすべてスケールの違う生活に戸惑うなか、事件が発生した。廃業したリゾートホテルで、白骨死体が見つかったという。そして現場に残る酒盛りのあと。捜査に加わる夕子の目が光るー「札幌は遠すぎる」ほか3編収録。北の大地に渦巻く人間関係のあやを、かすかな違和感、些細な痕跡を手がかりに解きほぐす、検事・霞夕子シリーズ第3作。
嫁ぎ先である秋月家を逃げ出してきたかつての許嫁・志穂を追っ手に奪われた旗本の次男坊・結城拓馬は、志穂を助けるために佐倉から江戸へ向かった。途中、暴漢に襲われた村娘・みつを救った拓馬は、彼女の家に身を寄せ、夜毎濃厚な交歓のときを過ごす。ある日、江戸へ出た拓馬は、秋月家の女中・なつと知り合い、志穂の様子を聞きだす。その夜、誘われるままになつの家に泊まった拓馬は、志穂への想いをなつへとぶつけていった…。好評「やわひだ」シリーズ第4弾。
無刀の剣士・鑢七花と野心を秘めた謎の奇策士・とがめは、一路、西へ!伝説の刀鍛冶・四季崎記紀が完成させた“刀”は十二本ー残る十一本は誰が?何処に?愛と復讐の旅路に迫る危機また危機!刀語、第二話の対戦相手は、因幡砂漠に聳え立つ下酷城・孤高の城主、宇練銀閣。
引きこもりに甘え、暴力で癒され、時間の感覚すら失った14歳のケダモノ。私をもう一度世界に連れ戻してくれたのは、祖母ちゃんの静かな、深い愛だった。二十歳の著者が放つ、新しい家族小説。
「コンペニー」「コルポレーション」「バンク」を創り、新たな国家システムを構築した“富国共栄”の設計者・渋谷栄一。「経済の平和は民心の平和に基を置かねばならぬ」ことを信じた男の発想力、行動力の源泉とは何だったのか?現代社会にも通じる混乱と閉塞を駆遂し、改革を断行した不世出の経済人の生涯を描き切る歴史巨編。
「分別」のある姉エリナーと、「多感」な妹マリアン。エリナーが思いを寄せるエドワードは、ぱっとしないが誠実な青年。マリアンが激しい恋をするウィロビーは、美貌と気品を兼ね備える情熱の男性。この似合いのカップルに、それぞれ不似合いな人物が複雑に絡み、姉妹の結婚への道は紆余曲折する。19世紀英国の田園を舞台に繰り広げられる恋愛小説の傑作。初の文庫化を読みやすい新訳で実現。
壷振りの市蔵は、賭場の帰り、大川端で竹を杖に歩く稽古をする足の悪い少女に出会う。ひたむきな姿に、ふとかたぎの暮らしをとりもどしたいと思う市蔵だが、所詮、叶わぬ願いだったー。江戸の市井を舞台に、小さな願いに夢を見ながら、現実に破れていく男女の哀切な姿を描く初期の傑作短篇6篇を収録。
会社をリストラされ、先輩の空手道場を預かることになった藤堂忠之は、お人好しだが空手の腕はなかなかのもの。潰れかけの道場を立て直そうと奮闘するが、どこかひと癖ある入門希望者たちが、次次と難題を持ち込んできて…。ひねりのきいたストーリーと鮮やかなアクションシーンが魅力の新・格闘技小説。
ストーカー被害に悩む女子学生、父を亡くし、拒食症を再発した女性の謎の失踪事件…。サイコセラピスト・鷺沼晶子の依頼を受けた私立探偵・飛鳥井が、現代社会を揺るがす“魔”に挑む。社会病理を鮮やかに描き、驚愕の謎解きをも達成した傑作ミステリー。単行本に付されたスペシャル・エッセイを収録。
かなわぬ恋こそ、美しいー雨の気配を滲ませた母子に宿命的に惹かれ、人生設計を投げ捨てたエリート医師(「弱法師」)。編集者の愛を得るために小説を捧げ続けた若き作家(「卒塔婆小町」)。父と母、伯母の不可思議な関係に胸をふるわせる少女(「浮舟」)。能のモチーフをちりばめ、身を滅ぼすほどの激しい恋情が燃えたつ珠玉の三篇。
北海道の北端に大樹海が広がっている。神奈川県の広さに匹敵する広大な森だ。平均気温は北極圏より低く、冬にはマイナス40度を下回る日も珍しくない。そんな土地の研究林を管理する鳥類学者の元で年末年始を過ごそうと、彼の親族や学者仲間たちが集まっていた。そこへ、ヒグマに襲われたという密猟者が逃げ込んでくる。車が横転してしまい動かず、電話も通じない。小屋に集った人々は完全に孤立してしまったのだった。やがて、体重350キロを超す巨大なヒグマが小屋を襲う。秋に食いだめに失敗して冬眠できず雪の中を徘徊するシャトゥーン(穴持たず)と呼ばれる危険なヒグマだった。密猟者の銃程度ではヒグマの動きを止めることはできない。ヒグマによって少しずつ破壊されてゆく小屋。そして、人食いヒグマへの恐れが、人々から冷静さを奪い去ろうとしていた…。第5回「このミステリーがすごい!」大賞優秀賞受賞作。
「人妻とのつき合いは、いろいろな味をそのつど男に与える」。産休明けで諸橋陽子が職場復帰した。広告代理店に勤める奥村裕一は、妊娠前の陽子と数回関係をもっていた。子どもを産んで、以前より美しくなった彼女を、裕一は誘うが…。表題作「ミルキー」を含む、女の秘密がぎっしり詰まった12作の短篇集。
2017年。聖都市「NO.6」を追われた16歳の紫苑がはじめて目にする外の世界、そして現実。ぼくは今までいったい何を知っていたんだろう?何を見ていたんだろう?ネズミと暮らし始め、懸命に生きようとするが、「おれとNO.6、どちらを選ぶ?」と問われた紫苑は…。加速する運命が二人を襲う。