2008年3月発売
妖怪を具現化する力を持つ禁断の書、『本草霊恠図譜』。図書館の片隅の古びた土蔵から、美袋小夜子がこの書を発見したことで、学園都市は戦いの舞台へと変貌する。“蠱猫”とは?“有鬼派”とはいかなる者たちか?穏やかで近代的な学園都市が激しく凄惨で果てない対決の嵐の中に。妖怪伝奇小説登場。
40歳を目前にして、人生のイベントベストテンを自虐的に並べてみれば、我が身には25年間、なにも起きてはいないのだ。年相応の達成感も充実感もない日々に愕然としながら、私は岸田有作に会いに行く。13歳の夏に恋をした相手にーーどこにでもある出会いが生み出す、おかしくいとしいドラマ、全6篇。 「登場人物たちと同じ行く当てのなさを僕自身も抱え込んでいる。」--<イッセー尾形「解説より」> 40歳を目前にして、人生のイベントベストテンを自虐的に並べてみれば、我が身には25年間、なにも起きてはいないのだ。年相応の達成感も充実感もない日々に愕然としながら、私は岸田有作に会いに行く。13歳の夏に恋をした相手にーーどこにでもある出会いが生み出す、おかしくいとしいドラマ、全6篇。 床下の日常 観光旅行 飛行機と水族館 テラスでお茶を 人生ベストテン 貸し出しデート
1989年、日本。1243年、フランス。1916年、ドイツーー時代と国を超えて繰り返される密室殺人。図書館で胸を貫かれた女性、城から忽然と消えた6人の騎士、戦地で消えた4人の遺体。それらに隠れた、ある男女の恋の運命。不可能犯罪も輪廻転生したのか? 切ない思いと仰天トリックが全編彩る本格ミステリ。解説・辻村深月(講談社文庫) 1989年、日本。1243年、フランス。1916年、ドイツーー時代と国を超えて繰り返される密室殺人。図書館で胸を貫かれた女性、城から忽然と消えた6人の騎士、戦地で消えた4人の遺体。それらに隠れた、ある男女の恋の運命。不可能犯罪も輪廻転生したのか? 切ない思いと仰天トリックが全編彩る本格ミステリ。解説・辻村深月
桃太郎の鬼退治は、曇りなき善行だったのか?岡山・吉備津神社に今も伝わる鳴釜神事では、大和朝廷によって退治された鬼神「温羅」が、釜を唸らせて吉凶を告げるという。一方、桑原崇は、旅の途中、鳴ると凶ー主が死ぬという大釜に遭遇。事実、土蔵に長男の生首が。事件の核心“桃太郎伝説”の騙りとはー。
「私とあなたはまた旅に出ましょう」 日本が西洋と出会ったばかりの時代の、切ない恋の物語。 「文学史上屈指の「通訳文学」の誕生である。」--鴻巣友季子 維新後間もない日本の奥地を旅する英国女性を通訳として導いた青年イトウは、諍いを繰り返しながらも親子ほど年上の彼女に惹かれていくーー。イトウの手記を発見し、文学的背景もかけ離れた二人の恋の行末を見届けたい新米教師の久保耕平と、イトウの孫の娘にあたる劇画原作者の田中シゲルの思いは……。
死体に記された謎の文字「θ」が示すものは? 25歳の誕生日にマンションから転落死した男性の額には、θ(シータ)という文字が書かれていた。半月後、今度は手のひらに赤いθが書かれた女性の死体が。その後も、θがマーキングされた事件は続く。N大の旧友・反町愛から事件について聞き及んだ西之園萌絵は、山吹ら学生三人組、探偵・赤柳らと、推理を展開する! プロローグ 第1章 共通する項目に関する予測的展開について 第2章 残留を許す信号ならびにその示唆について 第3章 関連を模索する解決手法の妥当性について 第4章 引き続き顕示される手法の特殊性について 第5章 推し量るべき真相の把握と評価について エピローグ
タケルは、荒野をさまよう機械どもを狩り、ジャンク屋に部品を売り払うのを生業とする狩人だ。ある日捕らえた機械が突然奇妙なことをしゃべりだし、タケルは半信半疑ながらその提案に乗って、花屋のカーシャと電脳調教師の鴉とともに荒野の果てを目指すことになってしまう。人類の技術文明が崩壊し、荒野には危険な機械どもがさまよう混沌の未来、衰退の一途をたどりつつある人類は、起死回生の一手に打って出るのだが…。
天真爛漫な美女マリーナ、テレビ番組ディレクターのダニエール、そしてフリーランスのライターであるゲイのジュリアスは大学時代からの親友。みなニューヨークで生活し、30代になった今も仲良くしていた。それぞれ恋愛や仕事に悩んでいても、都会の忙しない日々は将来を考える余裕する与えてくれない。だが、新雑誌創刊を目指すカリスマ編集者シーリー、そして大学をドロップアウトした青年の出現によって、停滞していた三人の人生に変化が。マリーナの父で著名ジャーナリストのマレーをめぐるスキャンダルに巻き込まれ、友情に亀裂が走り、遂には大破局の時が…。鋭い人間洞察と重厚で野心的な物語が英米で絶賛された傑作長篇。ブッカー賞候補作。
恋人に捨てられ、傷ついたエリザベス。そんな彼女をやさしく受けとめてくれたのは、NYのカフェのオーナー・ジェレミーと、彼が毎日作るのにいつも売れのこるブルーベリーパイ。すこしずつ2人の心が近づいてきたある日、エリザベスは思う。新しい恋をはじめるまえに、回り道をしよう、と。NYから遠く離れた土地で、エリザベスが出会う、さまざまな愛の形…名匠ウォン・カーウァイ監督が、ベストセラー作家ローレンス・ブロックと作りあげた、切なくも幸せなラヴストーリー。
保育士を辞めてしまった29歳の由真の遊び友達は、フリーカメラマンのハツモ。はっきりいってイケてない。でも一緒にいると心が騒ぎ、女だてらに「すげえ!」と叫びたくなることに出会う。牛の撮影会、大声コンテスト、独りオペラの男…。お金も仕事もないけれど、ゆるくて確かな関係と笑いのジャブが、こころのコリをほぐす長編小説。
浜田山美術大学の建築家3年の竹本祐太は4月のある日、キャンパスで油絵科の新入生の花本はぐみの姿を見つける。一瞬にして心を奪われてしまう竹本。するとそこに、彫刻科7年生で大学一の変人とも呼ばれている森田忍と、建築科4年の真山巧がやってきて、無理やり竹本を連れ去るが…。美大を舞台にした、全員片想いのせつなくさわやかな青春ラブストーリー!発行850万部超のコミックが原作のTVドラマ「ハチミツとクローバー」を小説化。
ひとりの若き英傑、ついに戦場へ 童貫軍と再び見える梁山泊。さらに水軍同士の戦いも始まった。一方、二竜山では趙安との戦いが最終局面を迎える。そこに現れたのは、ひとりの若き英雄だったーー。 (解説/夢枕 獏)
ご存知目細の安吉一家が昭和東京を駆け抜ける 今宵、天切り松が語りまするは、昭和初期の帝都東京、近づく戦争のきな臭さの中でモボ・モガが闊歩する時代。巨悪に挑む青年期の松蔵と一家の活躍を描く傑作シリーズ第四巻。(解説/すまけい)
新宿の超高層ホテルの一室で、男性の死体が発見された。被害者は女性と宿泊する予定だったらしいがその形跡はない。かわりに見つかったのは“カタセタム”という日本では珍しいランの花粉だった。奇妙な手がかりをもとに女性の行方を追う新宿署の牛尾。だが、事件当夜にホテルで起こった幾重もの人間模様がさらなる迷宮へと誘う…。もつれた因縁の糸を、敏腕刑事牛尾正直が丹念に解きほぐしてゆく白眉の社会派推理。
近未来、いかなる存在の意志によるものか?15歳から17歳までの少女たちが突然、世界中で狂死を始めた。少女の屍は立ち上がり、人肉を求めてさすらう無数の大群と化す。屍少女“ステーシー”殱滅のために完全武装の再殺部隊が組織されるが、戦いは血まみれ、泥沼の様相を呈し、涙は枯れ、心は凍りついていく…。大槻ケンヂの音楽も含めた全作品の中でも、最も狂気性に満ちた名作に、外伝2編を加えた完全決定版。
弁護士デクスターの裏稼業は、「人狩り」。世界中に逃げた凶悪犯を捕らえ、法の手に引き渡すまでが彼の仕事だ。今回の依頼人は財界の大物で、ボスニアで孫を殺した犯人を捕まえてほしいというものだった……。
早速、仕事に取りかかるデクスターだが、なぜかCIAも同じ男を追っていた。一人の男の行方をめぐって、両者の激しい攻防が続く。そして、時計の針は着々と2001年9月11日へと進んで行くーー。
新田隆弘は鬱屈をため込んでいた。かつては渋谷で伝説のチームと言われた“金狼”の元メンバーも、今ではヤクザの下っ端。兄貴分の命令で高校生が作った売春組織を探っていた隆弘は、中心人物の渡辺栄司に辿り着く。さして喧嘩が強そうでもない、進学校に通う色白の優男。だが、栄司は仲間を圧倒的な恐怖で支配していた。いったい何故。隆弘が栄司の全く異質な狂気に触れたとき、破滅への扉が開かれたー。