小説むすび | 2008年8月発売

2008年8月発売

運命の日(上)運命の日(上)

第一次大戦末期の1918年。ロシア革命の影響を受けて、アメリカ国内では社会主義者、共産主義者、アナーキストなどがさかんに活動し、組合活動が活発になる一方で、テロも頻発していた。そんな折り、有能な警部を父に持つボストン市警の巡査ダニー・コグリンは、インフルエンザが猛威をふるう中、特別な任務を受ける。それは、市警の組合の母体となる組織や急進派グループに潜入して、その動きを探ることだった。だが彼は、捜査を進めるうちにしだいに、困窮にあえぐ警官たちの待遇を改善しようと考えるようになる。一方、オクラホマ州タルサでは、ホテルに勤めていた黒人の若者ルーサー・ローレンスがトラブルに巻き込まれてギャングを殺し、追われる身となっていた。ボストンにたどり着いたルーサーはコグリン家の使用人になり、ダニーと意気投合する。ある日、ダニーは爆弾テロの情報を得て、現地に急行する。その犯人は意外な人物だった…。大反響を巻き起こした『ミスティック・リバー』『シャッター・アイランド』の著者が、満を持して放つ画期的大作。

運命の日(下)運命の日(下)

第一次大戦は終結した。だがボストンでは、警官の待遇改善に意欲的だった市警本部長が急死し、ダニーの運命は大きく変化する。強硬派の後任の本部長によって、彼はスト破りの部署に異動させられたのだ。1919年のメーデーの集会の後、ダニーは暴行を受け、大怪我を負ってしまう。苦難の中で彼は、コグリン家の使用人だった女性を心から愛していたことを知った。二人は結婚し、ルーサーを含めた固い絆ができあがる。だが、ダニーの名付け親で黒人を憎むマッケンナ警部補が、ルーサーの過去を暴き出していた。マッケンナはルーサーを脅して、黒人の地位向上をめざす組織に壊滅的な打撃を与えようとする。さらに、市警の警官たちのあいだではスト敢行の機運が高まり、大きなうねりとなっていった。そしてついに警官たちはストライキを決行、ボストンは大混乱に陥る。しかも、その騒乱の先には、ダニーとルーサーにさらなる試練が待ち受けていた!動乱の時代のボストンを舞台に、壮大なスケールで描く家族と愛と友情のドラマ。

このエントリーをはてなブックマークに追加
TOP