2011年発売
十八世紀ロンドン。外科医ダニエルの解剖教室から妊婦の屍体が消え、四肢を切断された見知らぬ少年の屍体が現われた。背後には稀覯本贋作をめぐる謎が……著者の新たな代表作となる歴史ミステリ
気まぐれなヘンリー八世治める十六世紀の英国。貧しい生まれのトマス・クロムウェルは、自らの才覚を頼りにのしあがっていく。ブッカー賞史上最高の売上を記録した、躍動感あふれる歴史文芸大作
時は清教徒革命から王政復古へいたる動乱期、 幽閉された伯父のもとへ、ひとりの若者が馬を駆るー ジョージ・エリオット14歳の筆になる、未完の歴史ロマンス。 作者のマリアン・エヴァンズ(1819-80)はのちに男性名のペンネームを用いて作家となり、小説(『サイラス・マーナー』『ミドルマーチ』など)、エッセイ・評論を執筆。「ジョージ・エリオット」という名はイギリス文学史に深く刻まれた。 本書では、第一部で『エドワード・ネヴィル』のテクストにC・アレグザンダー、J・マクマスター教授らによる詳細な解説を付した「ジュヴェニリア出版」版(オーストラリア)の翻訳を、第二部では『エドワード・ネヴィル』の主要登場人物のひとりヘンリー・マーテンと彼が生きた清教徒革命の時代、舞台となった場所などを詳しく紹介。大作家となる以前のひとりの少女の想像力と創作の過程を追う。 はじめに 第一部 『エドワード・ネヴィル』/マリアン・エヴァンズ著 ジュリエット・マクマスター他 編 はしがき ジュリエット・マクマスター 本文についての覚書 ボニー・ヘロン/タニア・スミス 『エドワード・ネヴィル』 マリアン・エヴァンズ(ジョージ・エリオット) 注解 ジュリエット・マクマスター 解説 ジュリエット・マクマスター 史的事実についての後記 タニア・スミス 引用文献および参考文献 第二部 『エドワード・ネヴィル』をめぐって/ 樋口陽子 著 第一章 『エドワード・ネヴィル』について 一 作者/二 未完の歴史ロマンス/三 ジュヴェニリア出版 第二章 副主人公ヘンリー・マーテン 一 親族/二 ヘンリー・マーテンと清教徒革命 第三章 ゆかりの地を訪ねて 一 チェプストウ教区教会とチェプストウ博物館 二 チェプストウ城とティンタン修道院/三 ピアスフィールド 四 ハンティンドン博物館/五 ケンブリッジ大学シドニー・サセックス・コレジ 参考書目 あとがき 年表
紀州藩で密やかに進行する陰謀と転生衆の存在を知った十兵衛。孤剣を抱き、魔人と化したかつての剣豪たちと対峙していくが、ついに最強の敵が立ちはだかる! 十兵衛は仲間を守れるのか。手に汗握る死闘の果てとは!
島原の乱に敗れ、幕府へ復讐を誓う森宗意軒は忍法「魔界転生」を編み出し、名だたる剣豪らを魔人として現世に蘇らせていく。最強の魔人たちに挑むは柳生十兵衛! 手に汗握る死闘の連続。忍法帖の最大傑作。
坂口刑事は急行「アルプス」で移動中、車の炎上を目撃する。乗務員と協力して車中の女性を助け出すが、女性は間もなく死亡。やがて乗務員が殺されていき……十津川の推理が冴える傑作鉄道ミステリ集!
サンディエゴの探偵ブーン・ダニエルズ。仕事よりも夜明けのサーフィンをこよなく愛する彼だが、裁判での証言を前に失踪したストリッパーを捜すことに。しかし彼女は死体で発見され、ブーンにも危険が迫る。
もし、私の声が母に似ていなかったら、何も起こらなかったかもしれない。でも、そんなことを今さら言ってみても仕方がない。家にかかってきた1本の電話、それは私の心に初めてある疑惑を芽生えさせ、大人の世界に迷い込ませるものだったー。私、沖野瞳。大人と子ども、男と女の間で微妙に揺れる17歳。危ないとわかっていて、大人の真似事をしてしまう…。少女のきらめきと危うさを描いた青春ミステリー。
母と弟の3人で暮らす小学6年生の杉原美緒。母のアルコール依存によって、親類に引き取られた美緒は心を閉ざしていく。そんな折、元検事の永瀬丈太郎という初老の男と出会う。美緒は永瀬の人柄に心を開いていくが、彼はひとり娘を誘拐されており、大きな心の傷を抱えていた。数年後、美緒は事件を調べ始め、あまりにも哀しい真実を知る。家族とは何か。赦しとは何か。今最も注目を受ける気鋭が贈る、慟哭のミステリ!
亡くなってしまった大切な幼なじみの速人。だが6年後、高校卒業を控えた真乃は、彼とよく似た青年を見かける。本当は生きているのかもしれない。かすかな希望を胸に、速人の死に関する事件を調べ始めるが!?
ベトナム戦争が泥沼化し、日本でも政情不安が続く1972年、奥秋川で一人の美青年が発見された。彼は記憶を失い、頭部に手術痕を残していた。キャンプ場を営む根岸に助けられ達也と名づけられた青年は、断片的に殺人の記憶が甦るようになる。やがて巨大軍需会社“大島産業”から達也に刺客が送り込まれた。だが、彼は「メギド」というもう一人の人格を自覚、敵を撃退し始める…。達也を待ち受ける凄絶な運命とは。
武蔵野にたたずむ料理屋「左近」。じつは、男同士が忍び逢う宿屋である。宿の長男で十六歳の桜蔵にはその気もないが、あやかしの者たちが現れては、交わりを求めてくる。そのたびに逃れようとする桜蔵だが。
1940年、日米の緊張が高まる中、民間主導による異例の日米和平交渉が始まろうとしていた。だが、その背後ではスターリン、ヒトラーをも手玉にとったイギリスMI6の敏腕謀報部員が暗躍していた。なぜ、この交渉にイギリスが深く関与しているのか。アメリカに渡った文書謀報のスペシャリスト、天城康介と江崎泰平は、独自の謀報活動を始めるが…。日本を破滅へと追い込んだ謀略戦を克明に描破したノンフィクション・ノベル。
順調に進んでいた日米和平交渉は、アメリカ側の突然の態度硬化で暗礁に乗り上げる。天城と江崎は日米交渉の裏で糸をひくイギリスの思惑を探るうち、ソ連の「スニェーク」なる作戦の存在を知る。英、米、中、ソの陰謀が絡み合い、確実に追い込まれていく日本。行き詰まる謀報戦の果てに天城と江崎は、壮大な謀略を突き止めるが…。封印されていた真珠湾攻撃の新事実を明らかにした畢生の大作。