2012年10月発売
左耳から聞こえる歌声の謎、桃子の特殊能力の秘密が、遂に明かされる!?超常現象に襲われるヒロインが、役者気取りの元ヤンが、無愛想なイケメンが、事件・事故の「謎」に挑む新感覚ミステリ!洗い出せるのは、私たちだけ。
岐阜県郡上市に790年も囲炉裏の炎を消さないで守り続けている家がある。炎のメッセージに込められた意味とは?いにしえ人の息遣いが時空を超えて伝わる歴史物語第一・二話。
通訳として訪れたイルダニア国でテロに巻き込まれた春樹は、国王のナウファルに救出される。だが、それはナウファルではなく双子の弟アズハールだった。イルダニア国では双子は禁忌の存在。彼らの秘密を知った春樹は、性奴隷としてハーレムに監禁されてしまう。兄の影として生きるアズハールに次第に惹かれ始めていく春樹。しかし、国王の命を狙う魔の手が、身代わりを務めるアズハールに伸びてきて…。
七年前に恋人の誠樹を喪って以来、実業家の従弟の秘書を務めながらひとり静かに生きてきた千明。そんな千明にはここ一年ほど密かに気になっている相手がいた。それは従弟のビジネスパートナーである天才パティシエの加地だ。最近は仕事の上だけでなく、プライベートでも一緒に美術館巡りをする仲。自分は再び誰かを愛せるのか。もしまた大切な存在を喪ったらと千明の心にブレーキがかかり…。雨色ハートフルラブ。
不吉な塊が心を終始おさえつけていたー。なぜ人間は見すぼらしく壊れたものに魅きつけられるのか?梶井基次郎は生涯死と隣合わせに生きながら、表題の『檸檬』をはじめ『桜の樹の下には』『冬の蠅』などで、そんな人間の心の深淵を詩情豊かに表現し続けたー。「近代日本文学の古典」とも言われる小品群をあわせて漫画化。
事件はいつも職員室でおきている!?銀八先生を筆頭に激烈キャラの3Zに負けず劣らずの超個性的な教師陣。そこに新任教師・月詠も加わって、ボケっぱなしの職員会議はさらにエスカレート!不死鳥のごとく蘇る銀八先生シリーズ、今度はファンキー教師が大活躍。
“悪”を秘めた女は駆除するー。若い女性を殺し、人差し指を切り取る「指蒐集家」が社会を震撼させていた。捜査一課のエース西條輝司は、捜査に没頭するあまり一線を越え、窮地に立たされる。これは罠なのか?男たちの嫉妬と裏切りが、殺人鬼を駆り立てる。挑発する犯人と刑事の執念。熾烈な攻防は驚愕の結末へ。第23回山本周五郎賞受賞作。
幼い頃からチャイルドモデルをしていた美しく健やかな少女・夕子。中学入学と同時に大手芸能事務所に入った夕子は、母親の念願どおり、ついにブレイクする。連ドラ、CM、CDデビュー…急速に人気が高まるなか、夕子は深夜番組で観た無名のダンサーに恋をする。だがそれは、悲劇の始まりだった。夕子の栄光と失墜の果てを描く、芥川賞受賞第一作。
会津が降伏開城した夜、見上げた空には銀の月、無残に散った親友の美しい顔ー。壮絶な篭城戦を生き延びた会津藩砲術指南役の娘・山本八重は、薩長への突き上げるような憎しみに葛藤する。アメリカ帰りの牧師・新島襄と結婚した時、心に期したこととは。時代に挑戦し続けた女性の激動の一生と心模様を描ききった画期的小説。
人形屋の清兵衛が胸に杭を打ちこまれて死んでいた。そばに落ちていたのは、首に赤い紐が巻かれた五寸のひとがた。神社の境内で亡くなった若い娘からも奇妙な人形が発見されて…。殺人を暗示する人形と三つの死というシリーズ最大の難題に根岸肥前が挑む!しめ婆さんが活躍する書き下ろし余話「気に入らない幽霊」を新収録。
神様、私を助けてくださいー原因不明の異常なトランス状態に襲われる少女・あや香。精神科医の涼子は、アメリカで医師として活躍する親友・祐美を頼りに、あや香の治療に挑み始める。一方の祐美は、医療刑務所で不死身の死刑囚と向き合ううち、あや香と死刑囚とを結ぶ驚くべきつながりに辿り着くが…。
リンカーン・ライムのいとこアーサーが殺人容疑で逮捕された。アーサーは一貫して無実を主張するも、犯行現場や自宅から多数の証拠がみつかり有罪は確定的にみえた。だがライムは不審に思うー証拠が揃い過ぎている。アーサーは濡れ衣を着せられたのでは?そう睨んだライムは、サックスらとともに独自の捜査を開始する。
殺人容疑で逮捕されたいとこを無実とみたライムは、冤罪と思しき同様の事件の発生を突き止める。共通の手掛りが示したのは、膨大な情報を操る犯人像。真相を究明すべく、ライムのチームは世界最大のデータマイニング会社に乗り込むがー。データ社会がもたらす闇と戦慄を描く傑作!巻末に著者と児玉清氏の対談を特別収録。
見知らぬ死者を悼み、全国を放浪する坂築静人。時には拒絶され、理不尽な暴力さえ受けながら、静人の悼みは人々の心に様々な波紋を広げていく。やがて静人に、ある女性との運命的な出会いが訪れるー。毎夜、著者は“静人”となり、心にわきたつものを“日記”に書きとめた。直木賞受賞作『悼む人』の続篇にして序章。
江戸吉原には、娘を花魁へと染めかえる裏稼業があった。その名も「上ゲ屋」「保チ屋」「目付」。うぶな時分に閨房の技を仕込み、年季半ばで活を入れ直し、常に女心を探り、間夫を絶つ。これら男衆と磨きぬかれた妓達が織りなす人生絵図を陰翳豊かに描く、連作七編。秘められし真心が静かに胸をうつ、傑作時代小説。
一流ホテルの地下のバーで宿泊客たちが酒を飲む。新婚の夫婦、兄と妹、愛人たちに囲まれる退廃的な女、物欲しげな男たち。裏の林を夜毎に若い女が歌い、徘徊する。激しくぶつかり、やがて溶け合う思弁と肉体の蠢き。三部からなる表題作と、ジャズのインプロビゼーションのように美しい中篇「ブルーノート」。