2012年4月発売
サスケとともに“名もなき職業”の世界で生きていく決意をした葉月。新たな仕事を受けたサスケと目的の地へと赴いた。再び偽りの兄妹を演じ、知らない土地で暮らし始めた2人だったが、隣に住む女性の不可解な行動に葉月の不安が募る。そしてついに、驚愕の事件が起こるー。
榊信一は大学時代に同郷の恋人を絞め殺しかけ、自分の中に眠る、すべての女に向けられた殺人願望に気づく。ある日、自分が病に冒され余命僅かと知り、欲望に忠実に生きることを決意する。それは連続殺人の始まりだった。榊の元恋人だけが榊の過去の秘密を知るなか、事件を追う刑事、蒼井凌にも病が襲いかかり、死へのカウントダウンが鳴り響く。そして事件は予想もしない方向へー衝撃の展開、感涙の結末。
満開の美しさも散りゆく儚さも、一緒に眺めたいと願うのはいつだってただ一人、おまいさんだけだった。幾年もの時を重ね、季節の終わりを迎えた夫婦が愛でる花。あるいは、苦楽をともにした旧友と眺める景色。桔梗、女郎花、菖蒲、小梅、桜…移ろいゆく花に、ゆっくりと熟した想いを重ね綴られる、八つの絆。江戸市井に生きる人々の、ゆかしい人情が深く心に泌み渡る、傑作短編集。
高級すきやき屋でアルバイトをはじめた中国人留学生・虹智(ココちゃん)は、何本もの紐で縛られた着物姿の我が身を「束ねられた長ネギ」に準える。「いらーっしゃいっまーせ」「かしむかりました」…慣れない習慣や日本語と格闘しながら観察する老若男女の人間模様。あこがれの店長と留学生仲間・柳賢哲との間で揺れる気持ちも描かれる、比較文化的笑いに満ちた、やさしい物語。
目覚めればそこに死体。LAPDの警官の群れ。顔見知りの刑事。んでーおいおいオレが逮捕なの?60年代も終わった直後、街にサーフ・ロックが鳴り響くなか、ロスのラリッ放し私立探偵ドックが巻き込まれた殺人事件。かつて愛した女の面影を胸に、調査を進めるドックが彷徨うは怪しげな土地開発の闇に拉致とドラッグ、洗脳の影。しかも、えーと、“黄金の牙”って?なに?ドックが辿り着いた真実とはー。
フランク・ヒューイットは芸能界の大スター。殺し屋の“わたし”は彼の殺害を依頼され…。二転三転するスター暗殺劇の意外な顛末を描いた英国推理作家協会短篇賞受賞作のほか、刑事の相棒に赤ん坊が採用され一緒に捜査を行う「マイロとおれ」、買いものリストだけで成り立つ異色作、ミステリ出版界の裏事情を語る一篇など多彩な12作。奇想とユーモアあふれる傑作短篇集。
政治家カレーニンの妻アンナは、その美貌と振る舞いから社交界の賞賛を集める貴婦人であった。ある日、兄の離婚騒動を解決すべくモスクワへ向かったアンナは、青年将校ヴロンスキーと出会う。彼の激しい求愛に次第にアンナも惹かれていくが…。貴族社会の光と影を描いた、リアリズムの巨匠トルストイの長編小説を漫画化。
ある日、ひとりの少女が自殺をした。名は彼女いわく姫草ユリ子といい、臼杵耳鼻科病院の看板看護婦として多くの患者に好かれていた。しかし、彼女のある奇妙な「クセ」が真相をうやむやにしていく…。「何んでも無い」「殺人リレー」「火星の女」の3編から成り、奔走する少女たちを通して、この世の生き地獄を描いた幻想小説を漫画化。