2012年9月発売
葛飾北斎の生涯を描いた歴史小説 偉大な芸術を生み出した原動力は何か、奇行奇癖の人間像について、女体遍歴と貧乏伝説、なぜ九十三回も引っ越しをくりかえしたのか、なぜ彼は長寿だったのか。 絵師となった娘、お栄(画号:応為)と暮らした日々。 カラー口絵・葛飾北斎春情流麗の世界 第一章 俺流の生き方を貫くぜ 酒は気違い水で絵の修行には大敵/ 風呂も掃除も半年に一度 他 第二章 画狂人とニ人の女 八重という女/ 登根という女 他 第三章 二人の女房と六人のわが子 登根と子供の不幸な行く末/ 二人目の女房と三人の子供 他 第四章 人生はさすらいなり 転居、転居で今年も終わる/ 絵を描く悦びを教えてくれる膝栗毛/ 旅先の女のつまみ食い 他 第五章 浮世絵秘画についてのひとくさり 美しく描いてむずむずさせる/ よく見て描くための覗きのわざ 他 第六章 娘のお栄と暮らした五十年 結婚を失敗したお栄/ お栄が男に生まれていたならば/ お栄の絵描きとしての才能 他 第七章 画狂人の自画自賛 -わが絵についての我田引水 北斎という名に込めたわが思い/ 私にとっての富士山と風景画 他 第八章 画狂人の強性法・健康法・長寿法 女も若返りの妙薬/ 好奇心と目標を失うな 他 第九章 忘れられないわが生涯の思い出ばなし 蔦屋重三郎さんの思い出/ 歌麿・写楽・広重のこと 他 第十章 娘お栄のひとりごと -北斎死す 人魂となり散歩に出て帰らなかった北斎/ 人間失格なれど偉大な父北斎 他 あとがき
一護が力を失った空白を埋める物語!! 藍染と戦った一護は、死神の力を失った。誰かを守れないことに苛立つ一護の力を、もう一度取り戻すため、ルキアは一人、ある決意を固めた ーー!!
幕末の動乱期、伝説の「人斬り」がいた。その名は「緋村抜刀斎」。修羅の如き強さで「最強」の名を欲しいままにしていた。時は流れ、明治十一年ー。男は「人斬り」の名を捨て不殺の「流浪人」となっていた!?-。
IWGPファーストシーズン、完結編! 四人組の暴行魔を探してほしいーーちぎれたネックレスを下げた美女の依頼で、マコトはあるホームレス自立支援組を調べ始めるが……。
「これこそが日本だ!」戦争で何もかも失った蒲生太郎。かつての戦友の誘いに応じて秋田にやってきたら、そこは息苦しい人生観がくるりと変わる、まさに別世界だった。温厚な金木医師、マタギ免許皆伝のイワオ、色っぽい敏子。そして悪戯ばかりの悪ガキども。艶やかなユーモアたっぷりに描く、ふるさと賛歌。
一流企業に勤める夫が50歳を目前に失踪した。妻の睦子は自分に落ち度があつたのかと戸惑い、懊悩し、それでも仕事を探して働きに出る。だがそこで直面したのは、社会の厳しさだった。一方、夫の瞭平はホームレスとなっていたー。夫の失踪をきっかけに夫婦それぞれの人生を見つめなおす、再生の物語。
温厚な父が秘めていた40年前の不思議な恋、江戸から消えた女房が見せる奇妙な夢、少年時代の後悔を振りきれない男の帰郷…。切ない恋愛から艶めく時代小説まで自在に描きだす、著者の才が冴えわたる6篇。恐怖や迷いに立ち止まってしまった大人たちの、切なくて、ちよっと妖しい世界を詰め合わせました。自作解説付き。
本所深川で隠密廻り同心が斬殺された。この同心は、町奉行所も容易に手を出せない無法の地・八右衛門島の探索をしていたという。一向に動こうとしない南町奉行に不審を抱いた秋山久蔵は、真相を追って八右衛門島にひとり潜り込むが、久蔵の前に現れたのはこの地に似つかわしくない謎の女だった。人気シリーズ新装版第5弾。
酒を浴びるように飲み、大正から昭和へと文学とともに短い人生を駆け抜けていった葛西善蔵は、周囲の人間を犠牲にしつつも常に人と密着して生きていかねばならぬ存在であった。表題作はじめ、「呪われた手」「浮浪」「不良児」など、家族と関わりながら、熱情をもって書きあげた十八篇を時間の移り変わりとともに編纂した作品集。
1972年、大学生のわたしと恋人のダニー、その友人のサイモンは、親元を離れサイモンの叔父の家で、三人だけでひと夏を過ごすことになっていた。だが、海で出会ったトゥルーディーという少女を家に連れ帰ったことで、すべての歯車が少しずつ、だが確実に狂いはじめる…。情感豊かな筆致で描く現在と過去、積み重ねられる謎、圧巻のクライマックスー。大型新人のデビュー長編。
ケイティは退屈していた。競争相手のいない市場でのマーケティングなどサルでもできる。そんなとき、古写本の解読にいそしんでいたオーウェンが、とんでもないことに気づいた。権力への渇望を生み出し、他者を支配する力を与える危険な石“月の目”が、ティファニーに現れたというのだ。早速ふたりは追跡を開始する。日本オリジナル書き下ろし。大人気シリーズセカンドシーズン。
初期長篇三部作の第二巻。崩壊の発端を細密に描く「栖」、人間の関係の迷路をめぐって生の闇を暴く短篇集「椋鳥」。古俗と聖性の土地から都市へ、性と出産、関係の失墜、狂気の進行。人間の営みの深い淵をえぐり、現代の男女の危うさを定着した著者円熟期の傑作。
妹の春佳から突然かかってきた電話。それは殺人の告白だった。かわいい妹を守るため、有坂香織は、事件の隠蔽を決意。廃品回収業の金髪青年を強引にまき込んで、死体の捨て場所探しを手伝わせることに。さんざんさ迷った末、山奥の水底に車ごと沈めるが、あれ?帰る車がない!! 二人を待つ運命は? 探偵・鵜飼ら烏賊川市の面々が活躍する超人気シリーズ第五弾!
「「生きられますか?」と彼は彼女にきいてみた。」(野間宏『顔の中の赤い月』)-焼跡から、記憶から、芽吹き萌え広がることばと物語。昭和二一年から二七年までに発表された、石川淳・坂口安吾・林芙美子らの一三篇を収録。
第一講 中勘助と『銀の匙』の世界 1 象徴としての銀の匙 2 「生きている過去」 3 年譜的な背景 第二講 神田と小石川 1 神田の生活 2 伯母さんの世界 3 小石川へ 第三講 伯母さんとお国さん 1 伯母さんの「教育」 2 はじめての友だち 3 かくれんぼ 第四講 学校のなかで 1 学校生活 2 「恋人」お恵ちゃん 3 「おかあ様」の論理 第五講 孤立する「私」 1 お恵ちゃんとの別れ 2 「つむじまがり」 3 出口なし 第六講 別離と出発 1 伯母さんとの別れ 2 美しい人 3 新しい旅の予感 あとがき