2013年10月25日発売
今や皇帝の貴妃となっ元春の里帰りのために、贅の限りを尽くして造営された「大観園」。豪奢の限りを尽くしたこの園に宝玉と少女たちはやがて移り住むが、華やかで幸福な日々の中、なぜか少女たちは悲惨な未来を暗示する謎々を作る──。繊細な美少女・林黛玉の魅力も遺憾なく発揮される、注目の第2冊! 本冊の読みどころ 本冊のおもな登場人物 主要登場人物系図 第十七・十八回 大観園に才を試みて対額を題し 栄国府に帰省して元宵を慶ぐ 第十九回 情は切切として 良ろしき宵に花は語を解し 意は綿綿として 静かなる日に玉は香を生ず 第二十回 王熙鳳 正言もて妬意を弾き 林黛玉 俏語もて嬌音を謔う 第二十一回 賢き襲人 嬌嗔もて宝玉を箴め 俏き平児 軟語もて賈レンを救う 第二十二回 曲文を聴きて宝玉 禅機を悟り 灯謎を製りて賈政 讖語を悲しむ 第二十三回 西廂記の妙詞 戯語に通じ 牡丹亭の艶曲 芳心を警む 第二十四回 酔金剛 財を軽んじて義俠を尚び 痴女児 帕を遺れて相思を惹く 第二十五回 魘魔の法 姉弟 五鬼に逢い 紅楼の夢 通霊 双真に遇う 第二十六回 蜂腰橋に 言を設けて 心事を伝え 瀟湘館に 春に困しみて 幽情を発す 第二十七回 滴翠亭に 楊妃 彩蝶に戯れ 埋香塚に 飛燕 残紅に泣く 第二十八回 蔣玉菡 情もて茜香の羅を贈り 薛宝釵 羞じて紅麝の串を籠む 第二十九回 享福の人 福深きに還た福を禱り 痴神の女 情重きに兪いよ情を斟む 第三十回 宝釵 扇を借りて 機は双敲を帯び 齢官 薔を劃して 痴は局外に及ぶ 第三十一回 扇子を撕きて 千金一笑を作し 麒麟に因りて 白首双星を伏す
11月下旬の八ヶ岳。山荘で目醒めた小説家の安斎が見たものは、次々と襲ってくるスズメバチの大群だった。昔ハチに刺された安斎は、もう一度刺されると命の保証はない。逃げようにも外は吹雪。通信機器も使えず、一緒にいた妻は忽然と姿を消していた。これは妻が自分を殺すために仕組んだ罠なのか。安斎とハチとの壮絶な死闘が始まったー。最後明らかになる驚愕の真実。ラスト25ページのどんでん返しは、まさに予測不能!
十八歳になる弥生は、「弥吉」を名乗り、男姿で船頭として働くいっぽう、夜は裏稼業の逃がし屋、「とんずら」にも余念がない。情に脆く、「とんずら屋」の客にすぐに同情してしまい、女将のお昌とぶつかることもしばしばだ。東慶寺で生まれ、出生の秘密を持つ弥生を取りまくのは、松波屋に拾われた啓次郎、身分を隠し松波屋に逗留する進右衛門など、彼女を助太刀する男性陣。今日も依頼が舞い込んでー。シリーズ第1弾!
来栖黒悟(クロ)、高校一年生。好きなもの=歌舞伎。その想いが募り、カブキ同好会を結成したクロだけど、お披露目の舞台を前に、熱中症で倒れてしまう。同学年で歌舞伎経験者の阿久津が飛び入りで代役をこなし、舞台はなんとか無事終了。しかも、阿久津には才能があると、クロは見抜く。さて次なるは大舞台の文化祭。人気実力兼ね備える演劇部と、場所の取り合いで対決することになり!?カブキブVS演劇部、いざ出陣の第二弾!!
大鳳と久鬼を案じる雲斎はキマイラの正体を探るべく、単身台湾へ発つ。そこには鍵を握る第3のキマイラ「巫炎」がいた。八位の外法ー鬼骨の車輪とは?一方、キマイラ化した大鳳と対峙した九十九。己の肉体に疑問を持ち始め悩む九十九の前に、気を操る謎のアメリカ人、フリードリッヒ・ボック、異能の格闘家・龍王院弘と次々に強敵が。キマイラを巡り熾烈さを増す争いのなかで、九十九の修羅の道は続くー。激動の第3弾!
琉球王国の商都である那覇の街は、眩しい陽光と活気に満ち溢れている。このたび無職の三線弾きから晴れて筑佐事(岡っ引き)に転身を果たした武太は、にわか仕込みの正義感を引っ提げて、市井を駆け回っていた。墓泥棒に黒手巾の義賊、子どもたちの失踪、国宝級三線の盗難、絶世の美女の詐欺働き、そして大好きなオバァの過去…。事件の裏に隠された真相を知り、青年は大人への階段を上っていくー。極彩色の琉球版・千夜一夜物語!
あの日、少女はなにを見たのだろうー。17年前、6人の中学生がUFOを呼び、1人の少女が姿を消した。オカルト雑誌「マアジナル」の編集者・高木は、ひとつの投稿をきっかけに残された5人の人生をつないでいく。かつて現実と非現実の境界に立った者たちは、数奇な運命に翻弄されていた。UFO伝説の残る能登の地で、揺らいだ現実の先に高木が見たものとはー。世界と自分の在り方を問う、魂を揺さぶる傑作長編小説。
誰のもとにも、恋はふいにやってくる。学校や仕事場など日常の一場面で、またあるときは旅で訪れた異国の地でー。合宿先でのひと夏の出逢いがくれたもの。同じ夢を追いながら、道を違えた二人が再会したとき選ぶ道。愛を失いかけたとき、再びそれに気づかせてくれたもの…。湘南、ハワイなどを主な舞台に、様々な恋のきらめきと切なさを写しとった29編のショート・ストーリー。
明治35年、東京、丸の内演芸館。美貌のピアニスト・井ノ口トシ子が演奏中、喀血して倒れた。自身の命が長くないことを悟ったトシ子は、同い年の歌舞伎役者・中村半次郎に宛て、身の上話を綴った長い手紙を送る。彼女の出生に隠された秘密とは?「押絵の奇蹟」江戸川乱歩をして「グッと惹きつけられてしまった…私は読みながら度々ため息をついた」と言わしめた表題作の他、「氷の涯」「あやかしの鼓」を収録。
女王の血をひくフィリエルは王宮に上がり、宮廷デビューをはたす。しかし、ルーンは闇の世界へと消えてしまう。ユーシスとレアンドラの出会いを描く幻の短編「ハイラグリオン王宮のうさぎたち」を収録!
メキシコのグアダルーペ寺院に、枢機卿の代理として派遣された平賀とロベルト。式典の挨拶だけのはずが、突然宙に浮いた十字架が目の前に現れた。奇跡を目の当たりにした彼らは、調査を開始する。
大学生が一番ときめく季節、夏。雪越大学オカルト研究会では、夏合宿をすることに!幽霊が視える草食男子大学生・森司も、片想いの美少女こよみとのお泊まりを夢見て、試験勉強に励む日々。しかし「黒ミサっぽい儀式で、学生が殺されるのを見た」と言う男子学生に出会って…。背筋も凍る怪異譚に加え、気になるあの子と肝だめし(?)など、青春イベントてんこもり。ホラーで胸キュンってだめですか?青春オカルトミステリ第4弾!!
西上野の地侍たちから盟主と仰がれ、信義あふれる心で上杉謙信をも動かした知将、箕輪城主・長野業政。一切の利欲を捨て、国を豊かにし、民の暮らしを守るー。滅亡の危機に瀕しながらも、その鬼謀と胆力をもって武田軍の侵攻を退け続けた男は、関東をただす義の戦におのれの最後を賭す。河越夜戦で逝った息子への誓いと上州侍の誇りを胸に、戦国乱世を疾駆し、強大な者の理不尽に敢然と立ち向かった気骨の生涯を描く!
千一夜に語られる、夢とロマンスに満ちた冒険譚の数々-。何世紀ものあいだ語りつがれ、様々な作品の源にもなってきた豪華絢爛な物語が、一冊で楽しめる!世界中で最も親しまれていながら、本編では語られない「アラジンと不思議なランプ」「アリ・ババと四十人の盗賊」を収録。貴重な挿絵とともに、人々の胸を躍らせてきた長大なファンタジーの粋を味わい尽くす、千夜一夜物語の入門書としても最適な決定版拾遺集。
お客をもてなすことが好きで、歌い踊ることを心から楽しんだ。夏の小さな島暮らしと自由な時間を大切にしていた。そして、日本が大好きだったー。ムーミンの作者トーヴェ・ヤンソンの晩年を、ヘルシンキのアトリエで撮影した貴重な記録!
江戸時代中期、老中田沼意次は金権政治家の汚名にまみれていた。田沼批判の戯文を書いて出頭を命じられた旗本の青山信二郎は、意次と対面し、その清廉な人柄に引きつけられる。しかし、失脚をもくろむ反田沼派の魔手はいたるところにのびていた。やがて、最愛の息子、意知が城中で斬りつけられ、意次は絶望の淵へと追いつめられてゆくー。田沼意次曰く、「たとえゆき着くところが身の破滅だとしても、そのときが来るまではこの仕事を続けてゆく、いかなるものも、おれをこの仕事から離すことはできない」田沼意次父子を進取の政治・経済改革者として大胆に捉え直し、従来の歴史観を覆した名作!経済小説の先駆でもある。
東京湾に新設された超巨大フロート建造物“プリン”のメインテナント“サロン・ド・ノーベル”には、美容に関するすべてが収められていた。理想の化粧品や美容法を求めて彷徨う“コスメ・ジプシー”たる岡村天音は、大学の先輩が生まれ変わったような肌をしていることに驚く。彼女は“美容+医療”を謳う革新的な企業コスメディック・ビッキーの“素肌改善プログラム”を受けたというのだが…。やがて“ビッキー”は、アンチエイジング、身体変工などの新商品を次々に発表し、人々の美意識、そして生の在り方までを変えていくー『永遠の森博物館惑星』に続く、著者5年ぶりの最新連作集。