2014年10月29日発売
女子高生のきよ子が公園で出会ったのは、地面に空いた穴に首までぴっちりと収まった“おじさん”だった…男は、なぜおとなしくしっぽり穴に収まっているのか!?きよ子は男を助けるために奔走するが、その途中運悪く車にはねられ病院へ。そして意識を取り戻した彼女の前に、公園で埋まっていたあの男が突然現れた。「私、死んじゃったんですよ」そう、男は幽霊となっていた!?髪をピタッと七三に分けた、“シチサン”と名乗るどこか気弱な幽霊と、今どき女子高生の奇妙な日々が始まったー。第16回ボイルドエッグズ新人賞受賞作。
伊豆諸島の東端の須栄島。高校生の打保椰々子は島民たちからなぜか“呪われた美少女”として避けられていた。彼女はある日、「災いが来る」という不穏な預言を聞く。それを皮切りに島では謎の怪異が続発することに。客船の沈没、頭部の欠けた死体、老婦夫刺殺事件、人喰い鮫、海から這い出してくる大量の死者…。次々と死人が出る事態に恐れ慄く島民たち。そんななか、椰々子に好意を寄せる同級生の杜弥は、被害者すべてが彼女の関係者だと気づき…。立ちはだかる苛烈な運命を椰々子と杜弥は乗り越えることができるのか!?第21回日本ホラー小説大賞受賞作。
戦後生まれの荻葉史郎の中にある東京大空襲の記憶。だが彼を診察した精神科医・瓜木は思い出す、空襲の最中にこの男と出会っていたことを。一方、史郎の祖父・祇介は旅先で遺体となって発見された。邪馬台国研究に生涯を捧げた古代史研究家の祖父は、なぜ吉野へ向かい、若狭で死んだのか?瓜木は史郎と彼の妻・加奈子とともに奇妙な記憶と不審な死の真相を探る旅へ。だが彼らに立ちはだかったのは、魏志倭人伝に極められた邪馬台国の謎であった。衝撃の展開、男女の情愛…連城ミステリーのすべてが織り込まれた傑作!
市原玲人が、友人の光恵から見せられた写真には「狼男」が写っていた。忽然と姿を消した光恵を、玲人は息子の一真と探し出そうとする。時は30年近く遡る。山奥で暮らす、ある「力」を持った“マガチ”の青年シズクは、初恋の少女を追いかけて上京する。ふたつの時が交錯し、物語はあまりにも切ないエンディングへと疾走する。
1977年5月、圷歩は、イランで生まれた。父の海外赴任先だ。チャーミングな母、変わり者の姉も一緒だった。イラン革命のあと、しばらく大阪に住んだ彼は小学生になり、今度はエジプトへ向かう。後の人生に大きな影響を与える、ある出来事が待ち受けている事も知らずにー。
父の出家。母の再婚。サトラコヲモンサマ解体後、世間の耳目を集めてしまった姉の問題行動。大人になった歩にも、異変は起こり続けた。甘え、嫉妬、狡猾さと自己愛の檻に囚われていた彼は、心のなかで叫んだ。お前は、いったい、誰なんだ。
空想ですー。弁護人・神原和彦は高らかに宣言する。大出俊次が柏木卓也を殺害した根拠は何もない、と。城東第三中学校は“問題児”というレッテルから空想を作り出し、彼をスケープゴートにしたのだ、と。対する検事・藤野涼子は事件の目撃者にして告発状の差出人、三宅樹理を証人出廷させる。あの日、クリスマスイヴの夜、屋上で何があったのか。白熱の裁判は、事件の核心に触れる。
ひとつの嘘があった。柏木卓也の死の真相を知る者が、どうしてもつかなければならなかった嘘。最後の証人、その偽証が明らかになるとき、裁判の風景は根底から覆されるーー。藤野涼子が辿りついた真実。三宅樹理の叫び。法廷が告げる真犯人。作家生活25年の集大成にして、現代ミステリーの最高峰、堂々の完結。20年後の“偽証”事件を描く、書き下ろし中編「負の方程式」を収録。
「愛犬の行方を探してほしい」「息子が暴れて…」「大切な宝石が消えてしまった」。益井探偵事務所にはさまざまな依頼が舞い込む。彼の相棒は芽原アド、23世紀からやってきた元タイムパトロール隊員だ。携帯式時間移動装置を片手に、真相を探る二人のもとに、未来から武村ロミが加わってー。未来犯罪との対決の行方は?本格ミステリ大賞受賞作家が贈る、時空間ミステリ誕生。
都立駒川台高校演劇部は、個性溢れる奇人変人揃い。幼馴染で親友のナナコに誘われ、美咲は入部を決める。誘った本人が入院して休部になる中、舞台監督として、変わり者のメンバーと演劇部するべく美咲の奮闘が始まる。失踪する先輩、消えた台本の行方、顧問の恋愛問題まで!?公演成功の鍵はいったいどこに?演劇部の日常は謎と刺激でいっぱい。青春ミステリの新シリーズ堂々開幕!
美術館から時価20億円の絵画が盗まれた。学芸員に容疑が掛かるなか、その妹と親しい大学生・城戸友彦は力になりたいと、神楽坂の路地裏に佇む探偵事務所を訪れた。慇懃無礼な青年所長が提示した依頼料はなんと3000万円。払えるはずもない額の代償に、その日から仲間になる友彦。狼の如く悪党を追いつめる彼らと共に闇の組織に潜入するのだがー男4人が挑む超弩級ミッション開幕!
将軍吉宗の治世に、突如起こったバイオテロ!?田沼家子息・龍助を助けた剣士桜井右京。それをきっかけに龍助の姉・美也と恋に落ち、将軍家の騒動に巻き込まれ、テロの主犯探しから、怨霊退治までするハメに…。母・芽野に尻を叩かれながら、右京は怒涛の大活躍…が果たしてできるのか。新感覚の痛快ブッ飛びEDOアクションがここにある!
東京でエリート公務員の仲間入りと意気込む八橋鳳一が配属されたのは、特殊郵便だけを配達する部署だった。班長・桜田美鳥の下、どんな物でもあらゆる手段で届けるのが仕事。ある時はトレーラーで一軒家を運び、高層マンションへ速達を配達するのは特殊はしご車で、終電後には深紅の新幹線を走らせる。そして、ダービー馬を出走時間に間に合わせるには!?-特殊任務遂行、お仕事小説。
暗い冬の日、ひとりの少女が父親と霧の立ちこめるロンドンの寄宿制女学校にたどり着いた。少女セーラは最愛の父親と離れることを悲しむが、校長のミス・ミンチンは裕福な子女の入学を手放しで喜ぶ。ある日、父親が全財産を失い亡くなったという知らせが入る。孤児となったセーラは、召使いとしてこき使われるようになるが…。苦境に負けない少女を描く永遠の名作、待望の新訳!
アメリカ・ユタ州山間部の洞窟で謎の爆発が起こった。現場の大地や岩盤は細かい砂と化し、火山の噴火を誘発してしまう。シグマフォースのペインター・クロウ司令官は、現場に居合わせたハンク・カノシュ教授らとともに、爆発の謎を追う。同じ頃、シグマのグレイ・ピアース隊長と女暗殺者セイチャンは、テロ組織ギルドの手がかりを求めて国立公文書記録管理局に向かっていた。トーマス・ジェファーソンら建国の父たちとアメリカ先住民との間の密約とは?「十四番目の植民地」とは?「大いなる秘薬」とは?それらは爆発と、ギルドの起源と、関係があるのだろうか?ニュートリノの謎の放出と、トーマス・ジェファーソンの書簡の内容を手がかりに、グレイたちはアイスランド沖合の島へと向かう。
先住民の歴史から調査を続けるペインターたちと、アメリカ建国の歴史から調査を続けるグレイたち。彼らが探すのは、あらゆるものを粉末へと分解してしまう「大いなる秘薬」-古代のナノテクノロジー技術から生まれた物質が大量に貯蔵されている場所。アイスランドでの爆発により、新たにニュートリノが放出され、次の爆発へのカウントダウンが始まる。金でできた地図からグレイは物質の貯蔵場所を突き止める。そこは考えられる限りで最悪の場所だった。アイスランドの百倍以上の規模と予想される爆発によってその地の火山が噴火すれば、全世界に壊滅的な被害が及ぶ。ペインターとグレイは、人類滅亡へのカウントダウンを止めることができるのか?そして、ギルドに関して驚愕の事実が明らかになる。