小説むすび | 2014年10月29日発売

2014年10月29日発売

女王女王

出版社

講談社

発売日

2014年10月29日 発売

戦後生まれの荻葉史郎の中にある東京大空襲の記憶。だが彼を診察した精神科医・瓜木は思い出す、空襲の最中にこの男と出会っていたことを。一方、史郎の祖父・祇介は旅先で遺体となって発見された。邪馬台国研究に生涯を捧げた学者の祖父は、なぜ吉野へ向かい、若狭で死んだのか? 瓜木は史郎と彼の妻・加奈子と共に奇妙な記憶と不審な死の真相を探る旅へ。だが彼らに立ちはだかったのは、魏志倭人伝に秘められた邪馬台国の謎!? 東京大空襲、関東大震災、南北朝時代、そして邪馬台国…… ある男の奇妙な記憶と、女の告白、ひとりの老人の不審死が 壮大な歴史の謎へと導く。 「序章を拝読したときに、どこへ連れて行かれるのだろうと驚いた」(田中芳樹) 戦後生まれの荻葉史郎の中にある東京大空襲の記憶。だが彼を診察した精神科医・瓜木は思い出す、空襲の最中にこの男と出会っていたことを。一方、史郎の祖父・祇介は旅先で遺体となって発見された。邪馬台国研究に生涯を捧げた古代史研究家の祖父は、なぜ吉野へ向かい、若狭で死んだのか? 瓜木は史郎と彼の妻・加奈子ととともに奇妙な記憶と不審な死の真相を探る旅へ。だが彼らに立ちはだかったのは、魏志倭人伝に秘められた邪馬台国の謎であった。 衝撃の展開、男女の情愛…… 連城ミステリのすべてが織り込まれた傑作! 序章  5 一章  66 二章  290 三章  411 終章  518 解説 香山二三郎  526 特別収録<最後のインタビュー> 「男と女の物語」に魅せられた作家生活ーわが人生最高の10冊ー 連城三紀彦(構成・朝山実)  529 連城三紀彦さんのことについて 朝山実  533

ルンタルンタ

出版社

講談社

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2014年10月29日 発売

人間という暮らしにうんざりしたというわたしは、それでも自殺はせずに「わたし」と呼ぶ装置をもう少し観察してみたいと望み、家を出て山へ向かうことに。ユという女性との記憶と死んだはずの友人の中西を道連れに山を目指し、吹雪の中で出会った黒い馬「ルンタ」に乗り、さらに深い雪の中を進んでいく。生と死、現在と過去を行き来する人々が、人間の意識や時間の虚構を疑わせながらもまた確かな生を感じさせる。保坂和志氏絶賛! 1996年より劇団FICTIONを主宰。2011年より小説を発表しはじめ、2012年「ギッちょん」で芥川賞候補、同年初の創作集『緑のさる』で野間文芸新人賞を受賞。2013年「砂漠ダンス」で芥川賞候補。同年、「コルバトントリ」で芥川賞候補となる。今最も注目される作家、山下澄人氏最新作。 人間という暮らしにうんざりした、というわたしは、それでも自殺はせずに「わたし」と呼ぶ装置をもう少し観察してみたいと望み、家を出て山へ向かうことに。ユという女性との記憶と死んだはずの友人の中西を道連れに山を目指し、吹雪の中で出会った黒い馬「ルンタ」に乗り、さらに深い雪の中を進んでいく。 生と死、現在と過去を行き来する人々が、人間の意識や時間の虚構を疑わせながらもまた確かな生を感じさせる。 天性の言語感覚と非凡な着想で書かれた傑作。保坂和志氏絶賛!デビュー作『星になる』も収録。 「そろそろ無理か」 ユが言った。たぶんそういった。 「無理ちゃうか」 わたしがいった。 わたしの見ているこいつがそういった。 ユが手元で携帯電話をいじっているのがわかった。 少ししてわたしの携帯電話がメールを受信した。そこにはこう書かれていた。 「でんきつけて」 わたしはため息をわざとつきながら明かりをつけた。そのとたんなぜか電子レンジが大きな音をたてて、パンッと破裂し壊れた。 ルンタがからだを揺すって泣いていたわたしが雪の上へ落ちた。雪は冷たく、わたしはわたしの中にいた。──本文より。 ルンタ 星になる

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