2014年11月発売
5年前に起きた失踪事件のタレコミがあった。現役刑事が容疑者になり殺人犯捜査係が当たったが、有力な手掛かりがなく捜査は終了していたー。傍若無人に周りを引っ掻き回す女性刑事が、未解決事件を洗いなおす!乱歩賞作家の、エンタテインメント警察ミステリー。
絵師を目指す八十八の姉が奇妙な行動をとるようになった。幽霊の類の仕業らしく、話も通じない。困った八十八は憑きもの落としの名人に会いに行った。その男は肌が異様に白く、両眼に赤い布を巻いていた。死者の魂が見えるという破天荒な男に惹かれ、八十八は共に数々の事件に関わっていくー。
東京からきた多岐川優の活躍で、消滅の危機を脱した止村。あれから4年ー。駅前のシャッター通り商店街、再開発か、現状維持か!?優との行き違いから家を出ていた美穂は、劣勢側の駅前商店街保存に奮闘するが…。地方が直面する問題に切り込む、地域活性エンタテインメント!人口減少社会の希望がここにある!!
千夜一夜物語は完璧にアップデートされた。 ボルヘスが冥土で悔しがってる。 ーー古川日出男 虚構の島をめぐる蠱惑の旅行記、 始まりも終わりもない増殖する〈本〉、 連鎖する世界を解き放つ記憶の幻影ーー 物語の極限を比類なき想像力と文学的技法で描く、現代チェコ文学が生んだ異形の大作! 未知の海に浮かぶ島を訪れた〈私〉。垂直に流れ落ちる滝のなかに造られた「上の町」と「下の町」、変容する名を持つ島民たち。家々は水の壁で仕切られ、時間は匂い時計によって知らされる。戸惑いながも島の女と愛を交わし、滞在を続ける〈私〉はある日一冊の書物の存在を知らされる。幾多の物語が収められたその〈本〉は、島民の誰もが加筆や修正できる無限の書物だった……。 「スウィフト『ガリヴァー旅行記』の想像力、レヴィ=ストロース『悲しき熱帯』の知性が、ナボコフやボルヘスの文学的技法で書かれた驚異の物語」と世界が絶賛! 『もうひとつの街』のミハル・アイヴァスの最高傑作、待望の邦訳。
ワイマール共和国末期、頽廃的な空気に覆われたベルリンを舞台に、ファビアンというひとりの男の生活を通して時代と社会を痛烈に風刺しつつ、ひとつの真実を描いた本書は、1931年の初版刊行と同時に大きな反響を呼び起こした。深さよりは浅さを、鋭さよりは月並みを、曖昧さよりは明快さを大切にした、大胆なモラリストにして辛辣な風刺家ケストナー。その最高傑作とも評される長編小説を、初版から削除された章とあとがきとして考えられていた「ファビアンと道学者先生たち」「ファビアンと美学者先生たち」、さらに、戦後に書かれた二種類のまえがきを収めた初の完全版で贈る。
万年売れない芸人、西野謹太郎のもとに傍若無人な成功神・ガネーシャが現れた!しかも横にいるのは“貧乏神”の幸っちゃん…て何それ?第二弾のテーマは、生きていく上で避けては通れない“お金”の話。「夢」を実現させようとする人は「お金」とどう向き合っていけばいいのか。笑って泣けてタメになる自己改革小説第2弾。
羊飼いの少年は、彼を待つ宝物が隠されているという夢を信じてピラミッドへの旅を続ける。人生の知恵と勇気を描いた世界的ベストセラーの誕生25周年記念版。日本版特別メッセージ、特製サイン入り。
ムーミンの作者として知られるトーベ・ヤンソンの評伝決定版。 トーベが遺した日記、手紙、メモなどを、生前に親交のあった研究者ボエル・ウェスティンが丹念に読み解き、ムーミンの物語、一般小説、絵画との関係にも言及しながら、その人物像に迫ってゆく。 フィンランドの大自然と激動の時代背景のなかで、仕事と愛を胸に、何よりも自分に正直に生きることを貫いたトーベ。86年間の人生は、突き進む激しさと、止むことのない好奇心と、小さきものたちを慈しむ愛情にあふれていた。
話したかったことと、話せなかったこと。はじめての秘密。ゆれ惑う仄かなエロス。つないだ手の先の安堵と信頼。生と死のあわい。読み進めるにつれ、あざやかに呼び覚まされる記憶。静かに語られる物語に深く心を揺さぶられる、極上の傑作小説集。
アフリカの赤ちゃん工場、新宿のデリヘル、パリの蚤の市、インドの湖畔。地球上の様々な出来事が交錯し、飽くなき欲望の果て不老不死を実現した人類が、考えうるすべての経験をし尽くしたとき、太陽による錬金術が完成した。三島賞選考会を沸かせた新潮新人賞受賞作「太陽」と、対をなす衝撃作「惑星」からなるデビュー小説集!
図書館の地下のその奥深く、羊男と恐怖と美少女のはざまで、ぼくは新月の闇を待っていた。あの名短篇が、ドイツの気鋭画家によるミステリアスなイラストと響きあう。新感覚アートブック第三弾!
成仏などするものか。ああ、口惜しい、恨めしいー。妹のようにかわいがっていた娘の指図で、毒をもられた女の怨み。死してなお、毎夜、愛しい男の元を訪れる女の情念。八つの古典が、鮮やかに息を吹き返す。
母マリアによるもう一つのイエス伝。カナの婚礼で、ゴルゴタの丘で、マリアは何を見たか。「聖母」ではなく人の子の「母」としてのマリアを描くブッカー賞候補となった美しく果敢な独白小説。
なにもかもありきたりな男の、ありきたりでない忘却…-「亡失」。一番よくないのは、確固たる自分の意見を持つことだ。目覚めないまま動き回る、それが生活だー「黙過」。ペンを置き、机から顔を上げると、街は会社たちのものになっていたー「増益」。日常に地続きで潜む狂気。著者の最高到達点。
ロンドンのオークションハウスで起きた強奪事件。盗まれた品の中には、“アルキメデスの写本”も含まれていたー。8ヶ月後、シアトル発のフェリーに乗ったタイラー・ロックは、謎の男から「船内の爆弾を解除しろ」と迫られる。古典学者で人気テレビ番組の司会者ステイシー・ベネディクトとともに、爆発までわずか30分という厳しい状況に対峙するが…。実はその男は、タイラーの父親と彼女の妹を誘拐しており、タイラーたちにある要求を出す。それは「ミダス王の伝説の秘宝を見つけ出せ。期限は5日間」という難題だった。2人はアルキメデスが遺した数々のヒントを頼りに探索を開始。同じ宝を探す別の一派に命を狙われつつも、世界を股にかけた危険な冒険の旅へ繰り出していく。