2014年11月発売
時は流れて江戸から明治へ。夜の銀座で、とんびを羽織った男が人捜しをしていた。男の名は、仁吉。今は京橋と名乗っている。そして捜しているのは、若だんな!?手がかりを求めて訪ねた新聞社で突如鳴り響く銃声!事件に巻き込まれた仁吉の運命はー表題作「えどさがし」のほか、お馴染みの登場人物が大活躍する全五編。「しゃばけ」シリーズ初の外伝、文庫オリジナルで登場。
養護施設まほろばで育ったイクオとタツヤは、最愛の結子先生が殺されるのを目撃したが、その証言を警察にもみ消されてしまう。真相を握る「金時計の男」を探すためイクオは刑事、タツヤはヤクザとなり密かな協力関係を結んでいた。ある夜イクオが潜入調査中に遭遇した謎の少女。同じ現場で発見された男の刺殺体。彼女の正体は果たして何者なのか?二匹の龍が絡み合う事件、イクオ篇。
刑事イクオが追うある少女が起こした殺人事件でタツヤは犯人にされ、身内に追われる身となる。少年時代を過ごした養護施設まほろばで、最愛の先生を殺され、証言を警察にもみ消された二人は、事件の真相を握る「金時計の男」を探して警察とヤクザの秘密の協力関係を結んでいた。秘密と相棒を守りつつ、事件と少女の闇を暴くことはできるのかー?二匹の龍が絡み合う事件、タツヤ篇。
デラはおんぼろカウチに身を投げて泣いていた。明日はクリスマスというのに手元にはわずか1ドル87セント。これでは愛する夫ジムに何の贈りものもできない。デラは苦肉の策を思いつき実行するが、ジムもまた、妻のために一大決心をしていたー。若い夫婦のすれ違いが招いた奇跡を描く表題作ほか、ユーモラスな「赤い酋長の身代金」「千ドル」など、選り抜きの傑作を集めた新訳版。
まもなくクリスマス。街全体が温かな雰囲気に包まれるなか、寄宿学校の少年たちは、波瀾万丈のクリスマス劇「飛ぶ教室」の稽古に励む。ある日、マルティンに母親から手紙が届く。そこには、マルティンがクリスマスに帰省する旅費を工面できなかったと書かれていた……。たとえ運が悪くても、元気を出せ。打たれ強くあれーー温かなメッセージが込められた、少年たちの成長の物語。
世界を救うために、二人は走る。東京大空襲の夜、東北の蔵王に墜落したB29。公開中止になった幻の映画。迫りくる冷酷非情な破壊者。すべての謎に答えが出たとき、カウントダウンがはじまった。二人でしか辿りつけなかった到達点。前代未聞の完全合作。
パチンコ屋の屋上で拾った奇妙な犬を飼育する三人姉妹の人生を繊細かつユーモラスに描いて第一回創元SF短編賞佳作となった表題作、郊外のうらぶれたアパートで暮らす、多言語の住人たちの可笑しな日々「シキ零レイ零 ミドリ荘」、十五人姉妹の家が立つ孤島を、ある日見舞った異常事態「母のいる島」、ウェブ上に出現した、謎めいた子供たちの日記から始まるシュールな冒険「おやすみラジオ」、ねぶたの街・青森を舞台に時を超えて紡がれる美麗な幻想譚「巨きなものの還る場所」の全五編。新時代の感性が送り出す、優しくて可笑しくて不思議な、家族と仲間の物語。
1950年3月。カレッジの一年生、ローウェルが失踪した。彼女は成績優秀な学生でうわついた噂もなかった。地元の警察署長フォードが捜索にあたるが、姿を消さねばならない理由もわからない。事故か?他殺か?自殺か?雲をつかむような事件を、地道な聞き込みと推理・尋問で見事に解き明かしていく。巨匠が捜査の実態をこの上なくリアルに描いた警察小説の里程標的傑作!
人から依頼されて動くプロの泥棒、怪盗ニックが盗むのは「価値のないもの、もしくは誰も盗もうとは思わないもの」だけ。そんな奇妙な条件にもかかわらず、彼のもとには依頼が次々舞い込んでくる。ターゲットはプールの水、プロ野球チーム、恐竜の尾…それらをいったいどうやって盗む?短編の名手ホックが創造したユニークな怪盗の全仕事を発表順に収録した文庫版全集第1弾。
雪の舞う大晦日。山荘村にナディア・モガール、刈谷正雄、“私”、若竹七海、法月綸太郎、有栖川有栖らが各人の思惑を胸にやってきた。やがて新年へと日付が変わるころ、幽霊山荘を探索していたメンバーは首なし死体を発見する!吹雪で周囲から隔絶された中、次々と起こる不気味な事件。彼らは真相を暴けるのか?人気シリーズの名探偵たちの競演で贈る、本格リレーミステリ!
女のコのためのちょっとコワくて不思議な文芸誌。巻頭の動物奇談小説特集には、はやみねかおる氏と令丈ヒロ子氏が初登場。人気の連載に、辻村深月、柴崎友香、千早茜、伊藤三巳華、今日マチ子ほか。
元勇者イサギを含む四人の候補からついに魔王が選ばれるその日ー不穏な影が迫っていた。地下からは、不死身のS級女勇者!!正面からは、手練の弓士たちが!!はたして戦闘素人の少年たちは魔王城を守りきれるのか!?
金髪、碧眼の幼い少女という外見とは裏腹に、『死神』『悪魔』と忌避される、帝国軍の誇る魔導大隊指揮官、ターニャ・デグレチャフ魔導少佐。戦場の霧が漂い、摩擦に悩まされる帝国軍にあって自己保身の意思とは裏腹に陸、海、空でターニャの部隊は快進撃を続ける。時を同じくして帝国軍は諸列強の手を跳ね除け、ついに望んだ勝利の栄冠を戴く。勝利の美酒で栄光と誉れに酔いしれる帝国軍将兵らの中にあって、ターニャだけはしかし、恐怖に立ち止まる。
神奈川県警の嘱託・二村永爾は、1本の映画フィルムの行方を追って、香港へ飛んだ。それは、ある殺し屋がモデルとなった、封印された映画だった。幻の黒色影片(暗黒フィルム)を巡り、立て続けに巻き起こる射殺事件。二村の前に現われた気高き女優と、謎の映画プロデューサー、そしてゲルニカ拳銃の銃口。横浜、長春、香港ー複雑な過去と現在が交錯してゆく。