2014年12月発売
二世紀末、後漢王朝が崩壊する。群雄割拠の時代、魏、蜀、呉は「三国時代」に突入。千年の時を経て、膨大な「三国志」物語群、資料を整理・編纂。さらに、史実と虚構を巧緻に交錯させ成立した、驚異の物語世界『三国志演義』。本巻は、諸葛亮「出師の表」奏上、魏攻略戦と諸葛亮の死、そして蜀、魏、呉が滅亡、天下は晋に統一される。一大巨編の最終巻。
パリ=リヨン間を二時間弱で驀進する高速鉄道TGV。終着駅までの乗客は、サングラスの老人と二人の警察官、そして死者。永年勤続休暇を利用してパリを訪れた愛媛県警察部の外田保丞警部。知遇を得ているフランス国家警察のポンメルシー警視正とともにTGVでリヨンに向かうが、同じ車内で日本人外交官の射殺死体が発見され、なぜか捜査に巻き込まれることに。しかし、外田が追い詰めるべき犯人は、鉄壁のアリバイと日仏両国の法律に、幾重にも守られていたー。解らんかったら喋らせろ。証拠が無いなら作らせろ。「犯人をして自ら語らしめる」ために仕掛けられた、外田の逆トリックが冴え渡る!
戦国時代。四国山中の小さな村に雑兵が乱入、村長の家に匿われていた謎の子供二人と秀太、鶴吉兄弟はじめ村の子供を拉致。しかし、闇深き道に一行は方向感覚を失い、もののけが多く棲むという不吉な「逢魔が山」へと入り込んでいくー。本当の勇気とたくましさとは?
環状八号線で偽装外交官ナンバーのSUV車が事故に巻き込まれた。乗っていたのは医師二人と麻酔薬で眠らされた男女で、拉致事件の疑いがかかり、捜査一課で祖父も警察官だった南雲、娘が心臓移植待ちをしている茂木らが捜査にあたる。調べが進むうち、厚生労働省の向井俊介が調査中の年金詐取事件とこの拉致事件のかかわりが見えてくる。その背後には複雑な問題をはらんだ哀しき組織的犯罪があったー本格トリックを織り込みながらも、真の正義とはなにかを問う力作ミステリー。
人捜し屋・秋せつらは、“区外”の芸能プロから、“新宿”のウィアード・プロに引き抜かれた蒼海ユカの捜索を依頼された。凄腕と評判のその事務所は、頂点を極めたタレントが必ず死亡するという謎に満ちた会社だった。所在地さえ掴めないせつらは、自らの美貌を餌に、ウィアードのスカウトと接触を図る。だがそれは、芸能界だけに収まらない大争乱を呼ぶことに。やがて、せつらが操る必殺の妖糸さえも拒む異世界が口を開ける!仁義なき争奪戦の渦中に置かれたせつらの捜索行の行方は?魔界の中の“魔界”を舞台に贈る最新刊!
冬の日、雪の結晶の形を調べていた下総古河藩の下士・小松尚七は藩の重臣・鷹見忠常(のちの泉石)に出会う。その探究心のせいで「何故なに尚七」と揶揄され、屈託を抱える尚七だったが、蘭学に造詣の深い忠常はこれを是とし、藩の世継ぎ・土井利位の御学問相手に抜擢した。やがて江戸に出た主従は、蘭医・大槻玄沢や大黒屋光太夫、オランダ人医師・シーボルトらと交流するうちに、大きな時代の流れに呑み込まれていく…。
新宿にある無認可保育園の園長・ハナちゃんこと花咲慎一郎の副業は探偵だ。十五年前に二回会ったきりの男性を探したり、逃げたインコを見つけて欲しいなど、一筋縄ではいかない依頼を受ける花咲の目の前に、箱に入れられた赤ん坊がー。弱き者をほうっておけない優しき探偵を描く人気シリーズ第4弾。
一九五〇年六月、北朝鮮軍の韓国奇襲で火蓋を切った朝鮮戦争。それは、共産主義圏拡大を目論むソ連・中国と、米国をはじめとする資本主義陣営による、世界最大規模の代理戦争でもあった。半島全土が血塗られた三年間の激闘、そして超大国の非情なまでの思惑を、膨大な史料から描いた傑作戦記。
半島全土を血で染めながらも、両陣営とも誤算の連続で混迷の度合を深めた朝鮮戦争。米中の初激突、ソ連極秘参戦と熾烈な攻防が続くなか、日本は再軍備を迫られ、さらには民間人が戦渦に巻き込まれるー。戦闘の実相のみならず、現代にも及ぶ複雑な世界のありようを真に理解しうる傑作戦記。
異例の若さでキシダ自動車の取締役となった山神大地は、保守党議員との交流パーティで知り合った美人秘書の向田由美との初デートにこぎ着けた。26歳にして大人の色香を漂わせる由美の部屋でキスをし、気分も最高潮に達したところで彼女が囁いた言葉に耳を疑う。「あなたには、抱かれたくない」の真意は? 第一章 大地、宣伝部在籍 第二章 大学一年の原宿 第三章 文学部の美佐子 第四章 テニスサークルの先輩 第五章 箱根の深い夜 第六章 タレントの誘い 第七章 大人の社内恋愛 第八章 すべての旅のはじまり
創也の家にいくことになった内人。創也と砦以外の場所に行くとたいへんな目にあうのはわかっていたのだが、堀越美晴もくる、この言葉に内人は弱かった。しかし、最凶の相手、最新鋭のホームセキュリティシステム「AKB24」と二人は対決する羽目になる。謎と不思議と危険満載。少年冒険ミステリー小説!
文豪・谷崎潤一郎に愛され、当時世間の羨望の的になった、妻・松子。「春琴抄」や「細雪」のモデルにもなった彼女は、谷崎の理想の女性であり続けようとした。その生涯は、本当に幸せだったのだろうか?愛と芸術の狭間の煩悩を鋭く描く、恋愛小説。 文豪・谷崎潤一郎に愛され、当時世間の羨望の的になった、妻・松子。「春琴抄」や「細雪」のモデルにもなった彼女は、谷崎の理想の女性であり続けようとした。 その生涯は、本当に幸せだったのだろうか? 愛と芸術の狭間の煩悩を鋭く描く、恋愛小説。 一章 美少女 二章 御寮人さん 三章 仮衣 四章 相聞歌 五章 隠れ里 六章 内縁の妻 七章 縺るる糸 八章 戦雲 九章 谷崎夫人 十章 落陽 十一章 寂 あとがき
カザルムへ行幸し、エリンとリランの絆を知った真王は、エリンを王都の王獣保護場へと誘う。禁じられたはずの幼獣の誕生を喜ぶ彼女に、エリンは疑問を抱く。人と獣が触れあってはならないという規範を定めたのは代々の真王なのだ。王都への帰途についた真王を、突如闘蛇軍が襲う。真王を救うためには、母の一族が命を懸けて秘してきた技を使い、リランを争いの道具とするしかない。惨劇を目の前に、エリンは決断を迫られる。
四代将軍家綱の死去。宮家擁立に失敗した家綱の寵臣大老酒井忠清は権力の座から滑り落ちる。代わって台頭したのが、館林公綱吉を擁立した堀田正俊。加賀前田家には頭の痛い問題があった。不祥事で放逐した留守居役の小沢が事もあろうに堀田家に抱えられている。繋ぎのできるのは、新米留守居役の数馬だけ。藩の命運を懸けた高度な交渉に数馬が挑む。そして、失意の大老酒井は再逆転を狙い伊賀者に秘策を命ずる。百万石、危うし。 第一章 将軍の葬儀 第二章 殉ずる形 第三章 走狗の夢 第四章 見習い同士 第五章 大老最後の策
博多の豪商島井宗室に物資を託され、村上海賊の跋扈する瀬戸内海を進む弥八。危機を救ってくれた毛利輝元に拾われ、評定飯を拵える大役を任された弥八に、山中にいながら鯛を使った昼餉を作れとの無理難題が降りかかる。飯で忠義を立て、下剋上の世を成り上がった男を描く文庫書下ろし戦国エンタメ第二弾。
妹を殺したストーカーに不法に情報を与えた探偵はどこに潜むのか?「対探偵課探偵」紗崎玲奈は、レイプ犯の部屋に忍び込みその手がかりを見つける。妹の仇は絶対にとる、と誓う玲奈は、憎き探偵を「死神」と名付け、その影を追う。知力と情報力で争う現代の探偵を活写する革命的探偵小説、第2巻。
“『蓬莱山の黄金』『鬼道の力』そして空海の秘法『四殺』を得た者が覇者となる”秦始皇帝の使者徐福がもたらし、腐鬼一族が蓄えた黄金の在処、すなわち卑弥呼の墓所とはどこなのか?謎の古文書を読み解いた密教術の天才美空は、精神ダイバー九門、毒島らとともに富士山麓へ向かった…。空海のミイラ盗難に始まった超伝奇小説の金字塔、ついに終局へ!