2014年12月発売
人捜し屋・秋せつらは、“区外”の芸能プロから、“新宿”のウィアード・プロに引き抜かれた蒼海ユカの捜索を依頼された。凄腕と評判のその事務所は、頂点を極めたタレントが必ず死亡するという謎に満ちた会社だった。所在地さえ掴めないせつらは、自らの美貌を餌に、ウィアードのスカウトと接触を図る。だがそれは、芸能界だけに収まらない大争乱を呼ぶことに。やがて、せつらが操る必殺の妖糸さえも拒む異世界が口を開ける!仁義なき争奪戦の渦中に置かれたせつらの捜索行の行方は?魔界の中の“魔界”を舞台に贈る最新刊!
冬の日、雪の結晶の形を調べていた下総古河藩の下士・小松尚七は藩の重臣・鷹見忠常(のちの泉石)に出会う。その探究心のせいで「何故なに尚七」と揶揄され、屈託を抱える尚七だったが、蘭学に造詣の深い忠常はこれを是とし、藩の世継ぎ・土井利位の御学問相手に抜擢した。やがて江戸に出た主従は、蘭医・大槻玄沢や大黒屋光太夫、オランダ人医師・シーボルトらと交流するうちに、大きな時代の流れに呑み込まれていく…。
新宿にある無認可保育園の園長・ハナちゃんこと花咲慎一郎の副業は探偵だ。十五年前に二回会ったきりの男性を探したり、逃げたインコを見つけて欲しいなど、一筋縄ではいかない依頼を受ける花咲の目の前に、箱に入れられた赤ん坊がー。弱き者をほうっておけない優しき探偵を描く人気シリーズ第4弾。
一九五〇年六月、北朝鮮軍の韓国奇襲で火蓋を切った朝鮮戦争。それは、共産主義圏拡大を目論むソ連・中国と、米国をはじめとする資本主義陣営による、世界最大規模の代理戦争でもあった。半島全土が血塗られた三年間の激闘、そして超大国の非情なまでの思惑を、膨大な史料から描いた傑作戦記。
半島全土を血で染めながらも、両陣営とも誤算の連続で混迷の度合を深めた朝鮮戦争。米中の初激突、ソ連極秘参戦と熾烈な攻防が続くなか、日本は再軍備を迫られ、さらには民間人が戦渦に巻き込まれるー。戦闘の実相のみならず、現代にも及ぶ複雑な世界のありようを真に理解しうる傑作戦記。
創也の家にいくことになった内人。創也と砦以外の場所に行くとたいへんな目にあうのはわかっていたのだが、堀越美晴もくる、この言葉に内人は弱かった。しかし、最凶の相手、最新鋭のホームセキュリティシステム「AKB24」と二人は対決する羽目になる。謎と不思議と危険満載。少年冒険ミステリー小説!
文豪・谷崎潤一郎に愛され、世間の羨望の的となった、妻・松子。『春琴抄』や『細雪』のモデルにもなった彼女は、常に谷崎が望む女性であり続けようとした。その生涯は、果たして幸せだと言えただろうか?愛と芸術の狭間で悩む、谷崎夫妻の姿を描いた長編恋愛小説。恋多き男の、理想の女性像が明かされる!
大老酒井忠清から老中堀田正俊へ。将軍死去による権力交代に、留守居役たちが動く。だが堀田家には加賀を裏切った留守居役小沢がいる。しがらみのない数馬が堀田家との矢面に立つことに。江戸城下で加賀忍が伊賀者に手裏剣を奪われた。加賀を陥れる策謀に、若き数馬はその任を果たせるか!?
博多の豪商島井宗室に物資を託され、村上海賊の跋扈する瀬戸内海を進む弥八。危機を救ってくれた毛利輝元に拾われ、評定飯を拵える大役を任された弥八に、山中にいながら鯛を使った昼餉を作れとの無理難題が降りかかる。飯で忠義を立て、下剋上の世を成り上がった男を描く文庫書下ろし戦国エンタメ第二弾。
妹を殺したストーカーに不法に情報を与えた探偵はどこに潜むのか?「対探偵課探偵」紗崎玲奈は、レイプ犯の部屋に忍び込みその手がかりを見つける。妹の仇は絶対にとる、と誓う玲奈は、憎き探偵を「死神」と名付け、その影を追う。知力と情報力で争う現代の探偵を活写する革命的探偵小説、第2巻。
“『蓬莱山の黄金』『鬼道の力』そして空海の秘法『四殺』を得た者が覇者となる”秦始皇帝の使者徐福がもたらし、腐鬼一族が蓄えた黄金の在処、すなわち卑弥呼の墓所とはどこなのか?謎の古文書を読み解いた密教術の天才美空は、精神ダイバー九門、毒島らとともに富士山麓へ向かった…。空海のミイラ盗難に始まった超伝奇小説の金字塔、ついに終局へ!
高野山空海廟堂の配置から、密教術の天才美空は、ついに卑弥呼の墓所を発見した。富士山麓青木ヶ原の樹海、巨大洞窟に入る美空と精神ダイバー九門、毒島。迫る魔人黒御所と猿翁、巨漢文成仙吉!黄金は誰の手に?そして卑弥呼が得ていた鬼道の秘密とは?やがて毒島と九門は最後の精神ダイブに挑むが…。エンターテインメント史に燦然と輝く伝説の巨編、完結!
「天皇の真実を公表する」そう息巻いていた友人が死んだ。歴史作家・望月真司はその死に疑問を抱き、彼が知った事実を調べるため、支那大陸へ。そこで目にしたのは、キリスト教が中国で流行したことを示す石碑、そして古くからあるイスラム教の寺院。これらが望月の頭の中で結び付けられたとき、ヤマト民族の起源が浮上する!真の古代史を追求する、驚愕の歴史ロマン。
「父の仇・柳井宗秀を討つ助っ人を雇いたい」渡り用人・唐木市兵衛は胸をざわつかせた。請け人宿の主・矢藤太によると、依頼人は女郎に身をやつしているが、武家育ちの上品な女らしい。しかし、二人の知る宗秀は病に苦しむ人々に寄り添う仁の町医者である。真偽を確かめるため岡場所を訪ねる市兵衛。だが、仇討ちには宗秀の故郷信濃を揺るがした大事件が絡んでいた!
並木一刀流の遣い手である雄之助の妹・留以は仕合中、女武芸者に怪我を負わされた。無慈悲な仕打ちだった。留以の友で岸裏道場の門弟であり、大店の呉服屋・田辺屋の娘であるお咲は憤り、女武芸者を挑発する。一方、田辺屋の主・宗右衛門と長男・松太郎は、お咲の嫁入りを巡って意見が対立。宗右衛門が秋月栄三郎を頼ってきたー。“取次屋”の面目躍如となる妙案とは!
佐渡から江戸へと帰り着いた鉄次と弥八。鉄次は水替人足として酷使されるなか、唯一の支えが許嫁のおきみだった。だが、苦界に沈んだと知らされ、身請金のため押込み一味に。一方、弥八も親友のため、ある企みに加担しようとしていた。弥八はかつての恩人青柳剣一郎を頼るべきか悩むが…。大切な人のため、悪に染まろうとする二人。剣一郎の救いは間に合うのか?
日々堂の女主人・お葉は店衆の政女を見舞いに訪れた。目の前で主を斬殺され自身も肩を斬られた政女を、一刻も早く立ち直らせたかったのだ。滋養をつけてもらうため携えた桜飯には、便り屋仲間の励ましが詰まっていたー美味い料理と味わい深い人情が満載の“泣ける時代小説”。