2014年12月発売
小学校で出会った少年との約束ープロ野球選手になる。中学時代に身につけたシンカーを武器に、高校野球の世界に殴り込み。待っていたのは、公式戦にも出られない、マネージャー兼任の日々だった…。鳥海真琴、男子プロのマウンドに立つ初の女子投手。少女はいかにして「現実」を乗り越えていったのか?今日、プロ野球の歴史が変わる!全力で紡がれる感動の長編小説。
連続結婚詐欺&不審死事件の容疑者ー稀代の毒婦、佐竹純子。こんなとき“彼女”なら、どうするだろう?「そんなの簡単だよ」親友だった女、被害者の家族、事件を追うジャーナリストのアシスタント…。彼女たちは同じ名前だったがゆえ、悪意の渦に巻き込まれていく。
松茸とれなきゃクビ!?頭の切れる若き藩士が、御松茸同心に飛ばされた!殿への上納2000本は用意できるのか?やる気のない面々に囲まれて、藩士・小四郎は右往左往する。やがて、幕府に蟄居を命じられた傾奇大名・徳川宗春公の幻影までちらついて…。
妻が大きくなっていく。骨を軋ませ、糞尿を垂れ流し、不明瞭な言葉を発しながら。周りには我が家を監視する隣人、私事を詮索してくる同僚、言葉で殺そうとする母…。助けは、要らない。極限の日々が始まった。倫理観を抉るのは怪物か、それともー。
黄金期の日本SFを、希代の小説家にしてアンソロジストが同時代に編んだシリーズ第二弾。星新一のニューウェーブ「門のある家」、小松左京の力技「結晶星団」に加えて、編者自身の傑作「おれに関する噂」、松本零士のセクシー美女が登場する「セクサロイド」など、一作一作が長編なみの濃さと読みごたえを持つ作品がずらりと並ぶ1972年度版!
サンフアン島で小さなホテルを経営するジャスティン。仕事や仲間に恵まれ、充実した日々を送っているように見える彼女は、実は深刻な悩みを抱えていた。それは、男性を心から愛することができないということ。そんなある日、世界的に有名なゲームクリエイターのジェイソンがホテルを訪れ、二人はひと目で恋におちる。生まれてはじめて、こんなに強く惹かれる人と出逢えたことに、胸を躍らせるジャスティン。ところが直後、二人はそれ以上愛しあうことができない、残酷な宿命を知らされる。絶望したジャスティンは彼から遠ざかろうとするが、熱い想いを止められないジェイソンは、命がけの思い切った行動に出る。二人を待ち受ける未来とは…?“フライデー・ハーバー”シリーズ第4弾!永遠に輝く真実の愛がここに。
優等生の悪女ー松下絵里子(28)スポーツ用品メーカー勤務。結婚も決まり、公私ともに充実の日々が始まるも…。懲りない悪女ー佐藤美鶴(34)小さなサンドイッチ店で働く主婦。元デパートの店員。献身的な夫がいながら過去の男に…。華麗なる悪女ー加賀美さとみ(53)セレクトショップ「トップ・シークレット」社長。欲望にどこまでも忠実な女性起業家。多少の犠牲は…。純情そうな悪女ー向井沙也香(21)セレクトショップ「トップ・シークレット」社員。さとみの下で働く新入社員。そこには絵里子の婚約者がいて…。正直に生きれば生きるほど、堕ちていくー。彼と同じ未来を見ていたはずなのに。彼女には僕の知らない別の顔がある。ままならない男と女の関係を、それぞれの視点で描いた、めくるめく長篇恋愛小説。
シンプルなストーリーに隠された意図と背景には、人間っぽさと社会風刺が、ユーモアたっぷりの皮肉とともに、イタリアならではの情景で描かれている。ロダーリ、カルヴィーノを生んだイタリアから届いた25篇のファンタジーア!
辻兵内ー江戸にて“無外流”を打ち立て、天下無双の剣術家を志す快男児。図らずも、五代将軍・綱吉の出生を巡る闇を目の当たりにした彼は、将軍生母の桂昌院、大老の堀田正俊、そして柳沢保明らの妖しき謀に、正義の刃で対峙していく。そんな折も折、将軍家剣術指南“柳生新陰流”の四天王によって、兵内の道場が急襲されるー!?
天正十八年、豊臣秀吉から減封処分を受けた伊達政宗を陥れようと、徳川家康は配下の伊賀忍者を奥州へと差し向けた。家康の動きを察知した政宗は、精鋭忍者部隊・黒脛巾組に企ての阻止を命じる。伊達藩の伝説の忍者集団“黒脛巾組”対徳川家康“伊賀忍軍”の東北忍者戦争、ここに開幕!
徳川家康の仕掛けた罠に嵌り、伊達政宗は豊臣秀吉から、上洛して偽造密書の釈明をするよう命じられた。黒脛巾組の活躍もあって、何とかこの危地を脱した政宗だったが、秀吉から改めて葛西大崎一揆の鎮圧を命じられる。家康は政宗を葬るべく、伊賀忍軍を使って更なる罠を仕掛けるが…。第一次東北忍者戦争、ここに決着!
三十五歳になるシングルマザーのさなえは、幼い息子の希敏をつれてこの海辺の小さな集落に戻ってきた。何かのスイッチが入ると引きちぎられたミミズのようにのたうちまわり大騒ぎする息子を持て余しながら、さなえが懐かしく思い出したのは、九年前の「みっちゃん姉」の言葉だった。表題作「九年前の祈り」他、四作を収録。
東京で三年ぶりに再会した、故郷の俊才の変わり果てた姿「その言葉を」。他人の怒りと攻撃性を誘発せずにはおかない、風変わりな先輩との四年間「暴力の舟」。父の葬式で一堂に会した親族たちの、幼い頃は窺い知れなかったそれぞれの事情「三つ目の鯰」。七〇年代の青春の一光景を映し出す、瑞々しい初期中篇三作。
海の臭気と耳に差した左手小指「泥海」。私小説の超克、生と死と自然の混淆「みな生きものみな死にもの」。特別料理に漂う不穏な気配「菓子祭」。変貌した町で知人宅に赴く私は…「鯊釣り」。研究室への辞表と乳房を巡る「独身病」。一個のサラリーマンと夏の夢「杞憂夢」。魚雷艇訓練所の長い一日「湾内の入江で」。僕がプールで視る禍々しい幻影「泳ぐ男ー水のなかの「雨の木」」。江戸の腕利き大工が星舟で鎌倉へ「きらら姫」。現代小説四〇年を辿るシリーズ第二巻。
二世紀末、後漢王朝が崩壊する。群雄割拠の時代、魏、蜀、呉は「三国時代」に突入。千年の時を経て、膨大な「三国志」物語群、資料を整理・編纂。さらに、史実と虚構を巧緻に交錯させ成立した、驚異の物語世界『三国志演義』。本巻は、諸葛亮「出師の表」奏上、魏攻略戦と諸葛亮の死、そして蜀、魏、呉が滅亡、天下は晋に統一される。一大巨編の最終巻。
パリ=リヨン間を二時間弱で驀進する高速鉄道TGV。終着駅までの乗客は、サングラスの老人と二人の警察官、そして死者。永年勤続休暇を利用してパリを訪れた愛媛県警察部の外田保丞警部。知遇を得ているフランス国家警察のポンメルシー警視正とともにTGVでリヨンに向かうが、同じ車内で日本人外交官の射殺死体が発見され、なぜか捜査に巻き込まれることに。しかし、外田が追い詰めるべき犯人は、鉄壁のアリバイと日仏両国の法律に、幾重にも守られていたー。解らんかったら喋らせろ。証拠が無いなら作らせろ。「犯人をして自ら語らしめる」ために仕掛けられた、外田の逆トリックが冴え渡る!
戦国時代。四国山中の小さな村に雑兵が乱入、村長の家に匿われていた謎の子供二人と秀太、鶴吉兄弟はじめ村の子供を拉致。しかし、闇深き道に一行は方向感覚を失い、もののけが多く棲むという不吉な「逢魔が山」へと入り込んでいくー。本当の勇気とたくましさとは?
環状八号線で偽装外交官ナンバーのSUV車が事故に巻き込まれた。乗っていたのは医師二人と麻酔薬で眠らされた男女で、拉致事件の疑いがかかり、捜査一課で祖父も警察官だった南雲、娘が心臓移植待ちをしている茂木らが捜査にあたる。調べが進むうち、厚生労働省の向井俊介が調査中の年金詐取事件とこの拉致事件のかかわりが見えてくる。その背後には複雑な問題をはらんだ哀しき組織的犯罪があったー本格トリックを織り込みながらも、真の正義とはなにかを問う力作ミステリー。