2014年9月発売
“サラセン”のテロ計画は、ついにその準備を終え、実行の日が迫っていた。かすかな手がかりをつかんだ“ピルグリム”は、最後の望みをかけて“サラセン”の過去を追う。まったく姿の見えなかった敵の姿がおぼろに浮かびかけ、衝撃が“ピルグリム”を襲う。だが、計画決行までの時間は残り少ない。意を決した“ピルグリム”はついに危険極まりない賭けに出るが…雄大なスケールで驚異のマンハントを描く超大作、完結!
作家志望の青年は、新人賞に落ち続けることに絶望し、人生最後の旅に赴く。名前を棄て、家族を棄て、友人を棄て、わずかな金と数枚の黒い服、数冊の愛読書を黒いトランクに詰め込んだ。金田耕一、明田五郎、神沢恭一、星川龍一…古今の名探偵にちなんで名乗った偽名ゆえか、青年は行く先々で奇妙な事件に出会う。そして、旅が終わりを告げるかに思われた東京・信濃町のアガサ・クリスティー賞授賞式の会場でも悲劇は起きた!三沢陽一、有栖川有栖、東直己、森晶麿、青柳碧人、千街晶之、笹川吉晴等々、関係者が実名で登場する授賞パーティの最中に起きた殺人事件の真相とは?5篇収録の本格ミステリ連作集。
仏滞在中の黒猫は、ラテスト教授からの思想継承のため、イタリアへある塔の調査に向かう。建築家が亡くなり、設計図すらないなかでなぜか建築が続いているという“遡行する塔”。だが塔が建つ屋敷の主ヒヌマは、塔は神の領域にあるだけだと言う。一方、学会に出席するため渡英した付き人は、滞在先で突然奇妙な映画への出演を打診され…。離ればなれのまま、ふたりの新たな物語が始まるー。人気シリーズ第5弾!
「働け、そして愛せよ」彫刻家の父と画家の母を持ち、世界中で愛されるムーミン一家を創った稀代の芸術家、トーベヤンソン。その知られざる側面と色鮮やかに生きた姿を丁寧に描いた決定版・評伝。
私は長い間、この事件の公表を控えてきたーホームズとワトスンが様々な理由で公表しなかった“語られざる事件”の一部がいま明らかに…。フランスのミステリ作家が緻密な時代考証と博識をもとに、ホームズ冒険譚の永遠のテーマに挑んだ、フランス本国で評価の高いホームズ・パスティーシュ集。
ついに夏沫(シャーモー)と欧辰(オウ・チェン)が結婚する。だがその結婚には裏取引があった!?そして二人の結婚式と同じ頃、洛煕(ルオ・シー)はひとり命を絶とうとしていた。容態が急変する澄(チェン)を心配し憔悴し切る夏沫。澄に腎臓を提供するという欧辰の申し出は…。めくるめくラブ・トライアングル、堂々の完結。
警察組織を監視するはずの監察官が不祥事を起こしてしまう。たまりかねた警察トップは、アメリカの諜報企業「リスクヘッジ社」を、監察を含めた組織全体を監視する第三者機関として採用する。リスクヘッジ社vs監察。組織内の不正をどちらが先に発見するか。しかもリスクヘッジ社は、警察トップのほんの一握りしか知らない密命を帯びていた。監察を出し抜いて不祥事を隠蔽し、不正を「無かったこと」にしなければならないのだ! 警察組織を監視するはずの監察官が不祥事を起こしてしまう。たまりかねた警察トップは、アメリカで発展を続ける諜報企業「リスクヘッジ社」を、監察を含めた組織全体を監視する役割で、第三者機関として採用する。リスクヘッジ社vs監察。組織内の不正をどちらが先に発見するか。監察が先んじれば不祥事がまたまた明るみに出て、リスクヘッジ社は不要、日本から撤退ということになる。しかもリスクヘッジ社は、警察トップのほんの一握りしか知らない密命を帯びていた。即ち、監察を出し抜いて不祥事を隠蔽し、不正を「無かったこと」にしなければならないのだ。情報社会における国民生活の安全をも揺るがす、壮大なスケールのインテリジェント・バトルがはじまった! プロローグ 第一話 不祥事、もみ消します 第二話 二つの不正 第三話 酸っぱい葡萄 エピローグ
長靴の戦士ピノとピピが迷い込んだのは、三角錐の頭をした人々が支配する、怖いような怖くないようなホラーゲームのボツの世界!村を脱出した二人が向かうのは、住民がすべて偽者になっている街。大人気“ユルユル系”PRGファンタジー!第4巻もホラーからSFまで、禁断と掟破りのてんこ盛り!巻末ふろく・宮部みゆきのトリセツに逆インタビュー!
その男には、見たくないものが視えた。他人の「死」が。「運命」がー。幼い頃に両親と妹を亡くした木山慎一郎には、友人も恋人もいない。一日中働き、夜眠るだけの日々。夢も自信も持てない孤独な人生だった。その日まではー。
読んでいるとどんどん面白くなってくる、だんだん怖くなってくる、その奥深い魅力。アタマでは分からない中国を、カラダが知った。 ーー谷川俊太郎 莫言、残雪は露払い!? チャイニーズ・マジックリアリズムの真打ち登場に思わず叫んだ「受活(キモチイイ)!」 ーー豊崎由美
ー寂しさは惨めだろうかー 流れ去るしかない生命の煌めきと翳りを水の模様のように描いた物語 著者20年ぶり、待望の書き下ろし作品集 呼吸をするように紡ぎ出される文章は、ひっそりと湖面に浮かぶ水のようでもあり、狂った激しさを見せる濁流を思わせるようでもある。その激しさも密やかさも生み出される瀞(とろ)で深く切なく甘い流れとなる。平等に訪れる死をひたひたと漂わせながら、弱くとも強く生き続ける人たちと水の流れを重ね合わせて描かれた三篇の作品集。 緑の擾乱 水の出会う場所 水の上で歌う
港の見える丘公園・あけぼの子どもの森公園・石神井公園・航空記念公園、そこでしか起こりえない、四つのちいさな奇跡。公園には、あちこちにたくさんの人たちの思い出が隠れている。
ヨークシャーの古い屋敷で春の休暇を過ごしていたドイツ人グループ。三組の夫婦と子供が三人…夫たちの濃密な友人関係のもと、時は流れていたが、ある明るい一日、子供を含めた五人が惨殺死体となって発見された!凶器は同じナイフだ。いったい誰が?なぜ?屋敷の相続権を主張しつづけていた謎の男が犯人なのか?ドイツのベストセラー作家が人間心理の闇を描いた傑作。