2015年11月発売
現代日本。関東の“土地神”である千鳥(←四百歳越え)は、神さま歴一カ月半!忙しい人間生活をようやく引退した千鳥は「ご隠居と呼べ」と皆に要求しつつも、やっぱりなにか仕事ない…?とそわそわする毎日。ある日、頼りになる右腕の柏、現代っ子の帯刀と共に、月に一度の神さま会議に出向くが…先輩神さま方から「平氏の亡霊が蘇った」と厄介な仕事を押しつけられて!?土地の記憶に眠る『伝説の武器』を手に、彼らの戦いが始まるー!
男性アイドルの育成に特化した、私立夢ノ咲学院。そんな学び舎に、初の『女子生徒』兼『プロデューサー』として転校してきてしまった私は、個性豊かな男の子たちと出会い…!?メインシナリオを手がけた日日日先生が自ら執筆を担当ー夢ノ咲学院を舞台に繰り広げられる青春のアンサンブルを、小説でもお楽しみあれ。
学習障害の一つである難読症をもつ小学校6年生の斎賀結望は、両親を亡くし、親代わりである兄・昭彦と二人で暮らしている。ひらがなの文章さえすらすらとは読めないが、とある「道具」を手に入れ、文字と言葉を自分の力に変えていく。そしてある日、両親と縁のある場所をめざし、ユノは西へと旅に出る。
豊島屋の隠居・清蔵が金座裏に姿を見せた。「倅に十代目を継がせたいので、後見方をお願いしたい」という。一方その頃、町廻りに出ていた政次らは、加賀金沢藩御用達箔屋の岩鞍屋が店を閉じる旨の張り紙をしていることに不審を抱く。堅実な商いの大店に、一体何が起こったのか!?金座裏と北町奉行所定廻りの同心の寺坂らが、江戸の平和のために命を賭ける。大ベストセラーシリーズ、鎌倉河岸捕物控、熱望の第二十七弾。
二〇二〇年、夏ー二十八歳になった走水剛は、東京五輪男子マラソンのレースに臨んでいた。暑さに強い点を評価され「第三の代表」に滑り込んだのだ。幼馴染みの時崎太郎をコーチに迎え、この日のためだけに練習してきた。暑い、もっともっと暑くなる。敵はアフリカ勢。磨きに磨いてきた「ロングスパート」を決め、おやじに誓った金メダルを獲得できるのか?ここに至るまでの様々な出会いが走馬燈のように去来する、文庫書き下ろしシリーズ、感動のゴールへ!
若旦那修業が始まって半年が経ち、金貸しの仕事にも慣れてきた新五郎。そこへ、意外な客が訪れた。依田半之助はつましくも安定した暮らし向きのはずだったが、なにやら差し迫った気配。立て続けに借りた五両の金は、果たしてどこに消えたのかー(「桶の金魚」より)。ほか、全三話を収録。「店の繁昌は、客の繁昌と共にある」。そんな亡き兄の言葉を胸に奮闘する主人公を通して、市井の哀歓を濃やかに描く。シリーズ感動の完結。
日本刀ほど、実用性と美を兼ね備えたものは世界にも稀である。霊性さえ備えた名刀に興味を惹かれる入り口は多々あるが、その初手として優れた書き手の短篇小説はいかがだろうか。傑出した刀剣は、実用性と美のみならず、読み手の心を掴む物語も帯びているのだー。苛烈な父によって鎧作りに邁進していた虎次郎が、刀工として名を成すに至るまでを描いた柴田錬三郎「虎徹」。海音寺潮五郎が呪われた剣の真実を探った「村正」を始めとして、東郷隆「試し胴」、赤江瀑「艶刀記」、澤田ふじ子「贋の正宗」、山田風太郎「ガリヴァー忍法島」の六篇を収録。
ベテラン放送作家の工藤正秋は、阪急神戸線の車内アナウンスに耳を奪われる。「次は…いつの日か来た道」。謎めいた言葉に導かれるように、彼は反射的に電車を降りた。小学生の頃、今は亡き父とともに西宮球場で初めてプロ野球観戦した日を思い出しつつ、街を歩く正秋。いつしか、かつての西宮球場跡地に建つショッピング・モールに足を踏み入れた彼の意識は、「いつの日か来た」過去へと飛んだー。単行本刊行時に数々のメディアで紹介された感動の人間ドラマ、満を持して文庫化!
日本橋は木原店にある塩梅屋に、百合根商いの清美の亭主・源七がやってきた。これまで何度も亭主から逃げて塩梅屋に駆け込んできた清美の姿は、今度こそ、どこにもなかった。そしてその五日後、定町廻り同心の田端たちが店にやって来て、源七も行方知れずだというー。揚げ百合根、鮪の昆布〆、えんがわ尽くし、鶏料理…など美味しい料理で皆を幸せにする一方、江戸の平和を守るため、人知れず悪と戦う料理人季蔵の活躍を描く書き下ろし大ベストセラーシリーズ、第二幕目も、益々絶好調。
騎士団にある付属のカフェテリア。ロビンは、そこの料理長。ある晩、居残っていたところ、空腹の騎士団団長・サラがやってきた。残業帰りで空腹のサラに、ロビンは料理を振る舞う。やがてそれは毎夜毎夜の習慣となり、いつしかふたりの距離は縮まるがー。第3回「なろうコン大賞」受賞作!!
戦争よりも過酷な再建時代が始まった。莫大な追徴課税のためにタラを失う危機に直面したスカーレットは、金策のため、アトランタで獄中のレットに自分の身を差し出すと持ちかけるも失敗。妹スエレンの婚約者フランクと再婚し、製材所経営に着手する。
ヴェルデュラン夫妻が借りた海を見下ろす別荘と、そこへ向かう小鉄道で展開される一夏の人間喜劇。美貌の青年モレルに寄せるシャルリュス氏の恋心はうわさを呼び、「私」の恋人アルベルチーヌをめぐる同性愛の疑惑は思わぬ展開を見せる。
殺、掠、姦ー一九三七年、南京を占領した日本軍は暴虐のかぎりを尽した。破壊された家屋、横行する掠奪と凌辱、積み重なる屍体の山。この人倫の崩壊した時間のなかで人は何を考え、何をなすことができるのか。南京事件を中国人知識人の視点から手記のかたちで語り、歴史と人間存在の本質を問うた戦後文学の金字塔。
製薬会社のMR・友永孝は見知らぬ男女から電車内での痴漢の疑いをかけられて駅から逃走、駅前交番の新人巡査・新田真人に逮捕された。友永は無実を訴えるが、聞き入れられず留置場へ。後日、真人は被害者の女子大生と目撃者の中年男に疑いを抱き、老弁護士・五味陣介に協力を求めるがー。三人は、想像以上に深い事件の闇へひきずりこれまていく。留置場から拘置所、そして法廷へ。仕組まれた冤罪との闘いを徹底した緻密さで描く、異色の警察小説!
水野剛太、25歳。高校卒業後、ロックにのめり込むが芽は出ない。バイト先のコンビニも閉店の憂き目にー。ある日、偶然入ったヤンキーバーガーで、フェラーリを乗り回す社長にスカウトされ、有頂天になる剛太。しかし、それが悪夢の始まりでもあった。超長時間労働で残業代はスズメの涙、パワハラは当然…。さあ剛太、これからどうする?