2015年発売
一枚も二枚も上手の父・真一郎と家令の鳳がついに帰還…と思ったのも束の間、ふたりは少しだけ成長した花穎の姿を見届け、再び旅の空へ。烏丸家当主残留が決定した花穎は、冷静かつ忠実な執事・衣更月を伴い、因縁ある芽雛川家主催の船上パーティーに出席。ところがそこで、人が海に突き落とされる事件が起こる。真犯人を突き止めるべく、花穎は関係者に聞き込みを開始するが…。半熟主従の上流階級ミステリー、新章スタート!
『天地明察』『探偵はバーにいる』『鍵のかかった部屋』『さよならドビュッシー』『百瀬、こっちを向いて。』『ストロベリーナイト』『まほろ駅前多田便利軒』など、人気作のサイドストーリーが読めるアンソロジー。
不老不死が実現した日本。しかし、法律により百年後に死ななければならないーー西暦2048年。百年の生と引き替えに、不老処置を受けた人々の100年目の死の強制が目前に迫っていた。その時人々の選択はーー!?
禁じられた廃村に紛れ込み恐怖の体験をしたあげく、次々怪異に襲われる若者たち。そこは「弔い村」の異名をもち「のぞきめ」という化物の伝承が残る、曰くつきの村だった──。ミステリとホラーの絶妙な融合!
「とき403号」で、60代とみられる男性の刺殺体が発見された。解剖の結果、被害者・奥山はメイクをしており、実際は30代だったことが判明する。十津川警部たちは、映画やTV関係を当たり、奥山にメイクを施した、須貝という人物を突き止めるが、彼も秋川で殺害されていた(「とき403号で殺された男」)。その他、十津川の妻・直子が殺人事件に遭遇する「夜行列車『日本海』の謎」など、北陸を舞台にした短編5本を収録。
原子力科学の若き第一人者である新婚の夫・雨村を乗せた旅客機と自衛隊機が北アルプス上空で衝突した。乗客全員の生存が絶望視されるが雨村の遺体は見つからず、生存を信じる雨村の妻・久美子は捜索に乗り出す。やがて研究成果に群がる政財界の陰謀と、妖しい女の影が浮かび上がりー。最先端技術を巡る恐るべき“腐蝕の構造”の正体とは!?日本推理作家協会賞を受賞した、巨悪の癒着と戦う愛の行方を描く壮絶なロマン。
「浅野内匠頭、吉良上野介に刃傷」の報は、青天の霹靂のような衝撃となって江戸城を駆け抜けた。しかし、実態の江戸城中・松の廊下の刃傷事件の背後には、冷酷無比な罠が張り巡らされておりーー。
主君への忠義に殉ずる、吉良上野介家臣団。浅野方と対峙するその一人ひとりにも、胸に期する想いがあった。力と力、頭脳と頭脳の駆け引きが繰り広げられ、いよいよ対決の日が迫るーー。
古代から受け継がれる鬼道衆の末裔として、「亡者祓い」を請け負っている鬼龍浩一。「亡者」とは、嫉妬や憎しみ、恐れ、あらゆる欲望といった陰の気が凝り固まったもの。今回依頼されたテレビ局のお祓いも、単純な仕事だった。さらに日本橋の食品会社で起きた異変の解決を頼まれた鬼龍は、出向社員になり、会社に潜入した。だが、会社には女子社員を中心に想像を絶する陰の気が渦巻いていた…。傑作エンターテインメント。
微かに苦いその飲み物を口にした瞬間、わたしの脳裏に走馬燈のようにこれまでの人生が蘇った。ささやかな幸せを母親に邪魔され続けた、私の人生をーー。コース仕立ての極上短篇小説を召し上がれ。
夏休みが終わってバスに乗ったら、彼女に子供ができて電車に乗ったら、世界が少し変わっていたーー。 中学三年生のハルと、小さなデザイン事務所で働くダイチ。気がつくと二人は、いつもと「少し違う」世界に迷い込んでいた。白いうさぎ、奇妙な双子、会えない手品師、水色のワンピースの女……不思議でどこかなつかしいこの世界に、二人はこのままいたいのか、抜け出したいのか。 あの日、何かができたのかもしれない。追憶が導く、過去と未来を繋ぐ“夢の中”。 一作ごとに違う風景を見せてくれる実力派作家の待望長編。
密室と化した倉庫の中には比翼の大斧を振る首なし男、そして生首ひとつ。また、ある男が残していた「殺人計画書」の通りに近くの古井戸では死体が発見された。しかも不思議な形で折り重なって。犯人は「殺人計画書」を書いた行方不明中の男なのか?ならば倉庫の密室の生首はいったい誰?トリックの鬼才が贈る蜘蛛手シリーズ最新作!
デートも恋も未経験、堅物リケジョでキャリアウーマンの依子(29)と同じく恋愛力ゼロ、自称「高等遊民」、母親に奇生するニートの巧(35)が“結婚”を目指すのだが…前途多難、紆余曲折、荒唐無稽!?な、ニュータイプのロマンチック・コメディ。
子供が生まれたのに父親らしい進歩が見えず、家庭内カースト最下層にまで落ちた“残念な夫”。かわいかった妻は、心身ともに余裕をなくし、ヒステリックに怒る“モンスター”に。社会問題化している「産後離婚の危機」に直面した夫婦は、愛ある家庭を取り戻すことができるのかー。世間の夫・妻たちが“普段は言えない本音”を代弁!
能面島と呼ばれる絶海の孤島で、6年に一度の秘祭の最中、“神様”が惨殺された。小説執筆のため取材に訪れていた久堂とひばりは、事件に巻き込まれ、島に伝わる天女伝説と旧帝国軍部による極秘計画の存在を知る。そして、ひばりが神隠しに…!?最凶の宿敵・大鴉が怪しく羽ばたく!!
1989年、日本の喧騒を逃れ、ピアノに打ち込むために東ドイツに渡った眞山柊史。 彼が留学したドレスデンの音楽大学には、 学内の誰もが認める二人の天才ヴァイオリニストがいた。 正確な解釈でどんな難曲でもやすやすと手なづける、イェンツ・シュトライヒ。 奔放な演奏で、圧倒的な個性を見せつけるヴェンツェル・ラカトシュ。 ヴェンツェルに見込まれ、学内の演奏会で彼の伴奏をすることになった眞山は、 気まぐれで激しい気性をもつ彼に引きずり回されながらも、彼の音に魅せられていく。 冷戦下の東ドイツを舞台に、一人の音楽家の成長を描いた、 著者渾身の歴史エンターテイメント。