2016年8月発売
「私は必ず戻る。あいつの居場所を教えに」。聖夜の死から十日、盛岡市の喫茶店・ドールズには未だ悲しみが満ちていた。しかし、葬儀に参列した陰陽師・土御門ライの出現で、最大の宿敵である箱神との因縁がよみがえる。箱神を追って消えた聖夜はどこにいるのか。何故、江戸の名人形師・目吉は現代に転生し、月岡怜の身体に宿ったのか。シリーズ最大の謎が今、明かされる。あらゆるエンタメを超越した筆者渾身の超大作ついに完結!
仇敵シア・カーンとの決着をつけ、一度は人間の村に帰ったモーグリ。しかし、自分の居場所はやはりジャングルにあると、育ててもらったオオカミたちの下へ戻り、彼らと新しい関係を築いていく。バギーラやカーたちと穏やかな日々を過ごしていたが、ある日、ジャングルに踏み込んできた人間たちに狙われることに…。モーグリが選択した将来とはー。自然と人間の共存とは何かを改めて考えさせられる、イギリスの不朽の名作。
雨の降り続く日、訪ねてきた女に俺は仰天する。彼女は数時間前、俺に殺され、浴室で冷たくなっているはずだー。過去に負い目を抱えた人々に巧みに迫る、正体不明の復讐代行業者。彼らはある「最終目的」を胸に、思いもよらない方法で標的の一番の弱みを利用し、恨む人・恨まれる人を予想外の結末に導く。人間の心を丸裸にする、6つの恐るべき復讐計画とはー。再読必至の新感覚リベンジ・ミステリ!
岩手の祖波神社跡で「三本指の右手」に続き「金の薬指」を掘り当てた天才発掘師・西原無量。鬼の墓との言い伝えもあるこの場所には、一体何が秘められているのか。一方「悪路王の首」を祀る鬼頭家では、二代にわたり当主が変死していた。真相を探る忍だが、そこには鬼頭家の息子・陽司と、謎の韓国人・ペクが深く関わっていて…!?東北の地に隠された、壮大な歴史の秘密とは。全てが明かされるシリーズ第5弾、文庫書き下ろし!
地球連邦軍の将校、エリアルド・ハンターは、念願だった軍のエリート部隊であるティターンズ入隊を命じられた。新型モビルスーツのテストと共に、さまざまな作戦や実戦を繰り返し、パイロットとして成長していくエリアルド。だが、苛烈な『グリプス戦役』を戦い抜いた彼を待っていたのは、4つの罪状による軍事裁判だった…。法務官コンラッド・モリスはエリアルドの弁護人となり、彼の無実を信じ、共に戦う決意をする。
ティターンズを取り巻く戦況はさらに厳しいものになっていた。ジオン軍残党勢力のほかに、反地球連邦政府を掲げるエゥーゴもエリアルドたちの敵となった。さらに「ガンダム」を追い続けるガブリエル・ゾラもまたエゥーゴに合流する。圧倒的不利な戦局のなかエリアルドはペデルセン艦長から驚くべき密命を受けるがー。一方、戦後の軍事裁判ではエリアルドを救うためコンラッドは、マスコミを利用した危険な賭けに出る。
水槽のあるゲイバー「Aqua」で、僕が出会った優利という美しい青年。ある日彼は、静かに語り始める。昔「Aqua」で働いていた男装した少女のことを。彼女はタマと名乗り、毎夜過激なショーを演じていたが、ある晩オーナー緑山の友人・武史にその正体を見破られてしまう。タマに一目惚れした武史は彼女を強く求め、のめり込んでいくのだがーチェルノブイリの事故で危機管理能力が壊れてしまったルームメイト・オリガと横暴な恋人・マサル、タマを虐待した“あの人”と彼女の恋人たち。タマと出会ったことで運命が変わっていく人々の話を聞いているうちに、いつしか僕もその運命の渦に巻き込まれていく。
虚空に飛ぶ能力を持った蹴鞠の名人の物語「空飛ぶ大納言」。奇想天外な食物幻想譚「饗宴」。中世室町時代を舞台にして、考証と空想のはざまを自在に往還する「開かずの箱」。夢の中の生と生の中の夢が迷路の中で呼びかわす「土偶木偶」。他全46編。
太閤秀吉亡き後、家康は当然、天下を狙う。しかし秀吉は、幼君・秀頼を守るため「組織と法規」を設けていた。それを楯に取り、三成は家康と敵対する。生き残りを賭ける諸将を取り込み、一介の役人・三成は、いかにして天下分け目の「関ヶ原」を創造し得たのか。圧倒的に斬新な歴史ドラマを今、堪能したい。
太閤秀吉死去から関ヶ原の合戦まで765日。この間、徳川家康の天下を阻み続けた男、石田三成。一役人に過ぎない三成が、大実力者・家康とわたり合い、国を二分する勢力を成すことができたのはなぜか。綿密な史料分析を礎として、凄烈な戦国の世を鮮やかに描き出す。巨編、完結。
南京のマッサージ店で働く盲目のマッサージ師たち。暗闇の中、ひと筋の光明を求め、懸命に生きる姿が胸を衝く。中国20万部ベストセラーの傑作長篇!茅盾文学賞受賞作品。
飼い主を亡くした悲しみを経て、エドガー・ロードで“通い猫”として暮らすようになったアルフィー。ある日、空き家だった48番地に新しい家族が越してきた。だが何かから隠れるように人目を避ける一家の不審な様子に、近隣住民はざわつきだす。アルフィーはその一家と、彼らが飼う心閉ざした白猫のことが気になり…。悩める者のため1匹の猫が立ちあがる!?全英絶賛ハートフル猫物語、第2弾。
なぜ人は人を殺すのかーその謎が遺伝子レベルで解き明かされた近未来。そこは、殺人遺伝子保因者を蔑み、罪の烙印を押して排除する、静かなる狂気の世界だった!!!自分だけは過ちを犯さないと信じるまっとうな人間の傲慢さ、多様性の否定の存在…最も忌み嫌われる“殺人者”を主人公に選び、人類のありようをとらえ直して、アメリカの十代の心を掴み、衝撃的に登場したトラウマ系思春期小説の最高峰!
人の悪口を言わないし、掃除はサボらないし、「宿題を見せて」と頼まれたら、気前よく見せる人。「いい人」と呼ばれるのは、いいことだと思っていたけれど、実は…?巧妙に仕掛けられた罠。それが、悪意の連鎖を引き起こし、2年1組の空気を変えていく。なす術もなく立ちつくす木佐貫桃は、妹の鞠が「師匠」とあがめる尾島圭機に助けを求めるが…。
イサラに掛けられた「時」を止める呪いー。その解呪アイテムを探すため、遂に王都にて「塔」の攻略を始めたフーズとイサラ。王都で一足先に冒険者になっていたフィスタとも無事に再会を果たし、喜びを分かち合う3人。しかし、そんな彼らを怪しい人物が影から見ていた。神器持ちで美しいフィスタに強い憧れを抱く男・ルードフットだ。世界最強と呼ばれるエクストラレンジャーズに所属する彼は、フィスタをかけた決闘状を突然フーズに叩きつける。やむなく格上の冒険者と戦うことになってしまったフーズ。しかし、ルードフットの背後には王都に紛れこんだ魔壊族の影があり…!?
月夜煌めくとある日ーバンド活動に行き詰まりを感じていた音楽家、ノエルは運命の出会いを果たす。声をかけてきた男は黒の衣装を全身に纏い、夜にも拘らずサングラスをかけた怪しい風体。「てめぇ…、何者だ!?」あからさまな嫌悪を示すノエルに、その男は不敵な笑みを浮かべて…!?月夜の邂逅。青年は夜鷹の如く翔け上るー。バラレルワールドに存在する新生バンド“VANISHING STARLIGHT”の結成までを描いた激アツストーリーが堂々の開演!
図書館の非正規職員として働くゆたきは、コンサート会場で「ブルックナー団」を名乗るオタク3人組に声をかけられる。その一人、タケがサイトに書き継ぐ「ブルックナー伝(未完)」を読んだゆたきは、意外な面白さに引き込まれていく。19世紀ウィーンを代表する作曲家ながら「非モテの元祖」というべき変人ブルックナーの生涯は、周囲からの無理解と迫害に満ちていた。そんな彼に自分たちの不遇を重ねる3人組とつきあううちに、ゆたきの中で諦めていた夢が甦ってきて…。今も昔もうまく生きられない男女を可笑しくも温かく描く、異才の新境地書下ろし小説!
弟が失踪した。彼の妻・楓は、明るくしたたかで魅力的な女性だった。楓は夫の失踪の原因を探るため、資産家である夫の家族に近づく。兄である伯朗は楓に頼まれ協力するが、時が経てばたつほど彼女に惹かれていく。
「この工場で奉仕するために必要なことは、愛情と使命感を持つことだ」ブラック企業を辞め、妻子を連れて地元へUターン就職したアルト。町は巨大工場を中心にシステム化されており、住民は誇りを持って働いている。しかしそこで何が作られているか、実は誰も知らないー。アルトたちも徐々に工場の「秘密」に気づきはじめ…。