2016年8月発売
東日本大震災をきっかけに地震研究所の広報職を辞した準平は、学界の“プリンス”武智要介に、ある計画に誘われる。“チーム武智”の個性豊かなメンバーたちは、次々と立ちはだかる困難を乗り越え、プロジェクトを成功させることができるのかー元研究者の著者による、「科学」への思いに溢れたエンタメ長篇。
私の名前はクリスティーナ・ノワール。天才だ。一歳で屋敷を自由に駆け回り、三歳で言葉を自在に操り、五歳で書斎の書物をことごとく読み尽くし、七歳で初めて参列した舞踏会で完璧な淑女として社交界をあっと言わせ、九歳で妹の自立を目の当たりにした。そんな私ももう十一歳になった。この先大天使な妹とあははうふふのめくるめく未来が待っていたはずだったのに!!暴走公爵令嬢ノンストップストーリー!
ゴミ集積所に花を捨てようとしている男を見つけた春子さん。まだ咲いてるのもあるし、そもそも土に植えられたまま捨てたらいけないし。それに…。ちょっとしたことから男に声をかけた春子さんだが、その時点ではもちろん、秘められた真実に気づくことはなかった。一生懸命真っ直ぐな春子さん、ご近所だって冒険にあふれてる!
塾には通いながらも不登校を続ける、高校生の遙。母親が教師をしている高校から遠ざかる遙には、学校へ行けない理由があった。ある日、塾の近くのレンタルショップで事件が起き、遙は犯人だと疑われる。窮地を救ってくれたのは、居合わせた塾講師の黒澤だった。寡黙ながら救いの手を差し伸べてくれる黒澤に、遙の心は少しずつ解きほぐされていく。レンタルショップの事件は、遙が不登校になるきっかけとなった出来事にもつながっていき、やがて、黒澤の言葉が彼女の世界を変えるー。普通科高校とは違う道を選んだ高校生たちを描く、珠玉の学習塾ミステリー。
一つになれない家族を猫だけが見つめ続けたーー「すずの爪あと」。不倫に倦んで故郷に帰った女が癒やしを求めたのはーー「秋旱」。幼時の事故で嗅覚を失った男が、ある女と出会ってーー「向日葵」。かつての恋人に書き続けたメールの思わぬ行方ーー「Eメール」。すれ違い、交錯する男女や家族の想いを、美しい風物とともに丁寧に描き出した11篇。最新作を含む珠玉のベスト短編集、第三弾。
手術後のオペ室で起きた医師死亡事件。記録用のビデオに録画されていたのは、一人の麻酔医が「見えない誰か」と必死に格闘し、その末に絶命する場面だった。手術室は密室。容疑者は全身麻酔で身動きのとれない患者のみ。西東京市・清和総合病院で起きた不可能犯罪に対し、天才女医・天久鷹央は独自の捜査に乗り出すが…。事件に隠された“病”を解き明かす、本格医療ミステリ。
有名忌女(=既婚女性)のガリガリ遺体発見をきっかけに、かつてない盛り上がりを見せるネット掲示板「忌女板」。容疑者はある“糖質制限ダイエッター”。忌女たちがネットとリアルで徹底的なスネーク(尾行)を敢行する一方、圏内ちゃんは忌女板に隠された奇妙なサインを見つけてー。天才コミュ障探偵、AI(人工知能)と対決!?おどおどしつつ大胆不敵に前代未聞のバトル勃発!
世界の仕組みを明かす鍵ー“1万ゴールドのアイテム”を手に入れるため、鏡たちはヴァルマンの街にカジノをオープンすることになった。経営に四苦八苦する彼らの前に現れた怪しげな執事・デビッドの思惑。仲間と別れ、王都ヘキサルドリアで一人苦悩するパルナの真意。最強最大のモンスター・ダークドラゴンの謎。すべてが交錯して明かされていく世界の真実…。そして鏡は、運命に抗うため、王都に殴り込む!!
戦後日本を生き抜いた男の、人には明かせない記憶の数々。官能文学の最高傑作。情欲、悔恨、恥辱…夜ふけの静かな波音だけが、不思議な深い慰めと安らぎをもたらしてくれる。文壇の巨匠が描く、壮絶な人生の挽歌ー
人類が最初に移住に成功した太陽系外の星ー通称、二番街。ぼくは新生金融の二番街支社に所属する債権回収担当者で、大手があまり相手にしないアンドロイドが主なお客だ。直属の上司はユーセフ。この男、普段はいい加減で最悪なのに、たまに大得点をあげて挽回する。貧乏クジを引かされるのは、いつだってぼくだ。「だめです!そんなことをしたら惑星そのものが破綻します!」「それがどうした?おれたちの仕事は取り立てだ。それ以外のことなどどうでもいい」取り立て屋コンビが駆ける!新本格SFコメディ誕生。
仕事にまい進するあまり、キスの仕方も忘れるほど恋愛はご無沙汰状態のパティシエ・櫻井美咲。しかし突然、仕事をクビになり、転職活動もうまくいかず大ピンチに。そんなとき、高校時代の初恋の人、柴崎千秋と偶然再会。なんと千秋の誘いにより、彼が経営する湘南のレストランで住み込みのバイトを始めることになる。憧れの人とのひとつ屋根の下での暮らしに期待を膨らませる美咲。でもそこには、無愛想で毒舌家の次男・夏向、プレイボーイの三男・冬真も住んでいて…。
中学3年生の築舘凛は、4歳のときに両親が離婚して以来、新聞記者の母・深雪との母子家庭。夏休みに入った7月末、深雪が海外出張中のため母の従姉夫婦が営んでいるペンションで過ごしていたが、強盗に襲われ従姉夫婦は殺されてしまう。凛は間一髪で助かったが、さらに深雪が行方不明に。執拗に凛を追う強盗たちは、どうやら築舘家に伝わる秘文「ドチリナ」を探しているらしい。凛は、仕方なく離婚以来疎遠だった言語学者である父・桜小路賢史を頼ることに。桜小路は、凛の携帯電話のマイクロSDカードの中から、「ドチリナ・カムイモシリ」と書かれた古文書の写真を見つけるー。岩手の山奥に350年以上守られた「ドチリナ」の謎が明かされるとき、黄金伝説が蘇る!
仕事で失敗し、怖〜い社長に目をつけられた私。社長室で二人っきりになったら、彼は豹変!クールなデキる男だったハズがメロメロに?マッサージからのなし崩しHに始まり丹念な愛撫や、蕩けるような甘いキス。照れつつも、愛情たっぷりの言葉まで。けれど私には子どもの頃、結婚を誓った人が。え!?その初恋の人が社長!?12年間ずっと一途に私を愛していたなんて!クール社長が甘〜いダンナさまに溺愛結婚ノベル。
8歳の夏から、すべて憶えている。見たもの、聞いたこと、触れたもの、そのときの感情も全部。でも、さすがにメモリーが限界だ…彼女は生きるために、ある計画を実行する。特殊能力で稼いだ二億円。東大医学部も辞め、一人で生きていくはずだった。でも、出逢ってしまった…。気鋭の脚本家による“忘れられない”物語!
漫画家になり損ね、浅草の路上で似顔絵を描いて生計を立てている袴田鉄雄。あるとき、彼の腕前を見込んだテレビ局の人間から、「法廷画」を描いてほしいという依頼が舞い込む。注文通り描いた絵が、テレビで放送された直後ー鉄雄は頭を殴られて昏倒する。彼は一体、何を描いてしまったのか?
その里は地図に載っていないという。里のお屋敷には燃えるような躑躅の花が植えられており、どんな病でも治してしまうという“蟲宿しの一族”の末裔で強大な力を得た御先が住んでいた。御先は心から慕ってくる雅親を突き放し、里を出て夜の店で働いていた四と出会う。そして“事件”は起こった…。現代の都会の闇に紛れ込み、不老不死の一族が、時を超えて愛しい人を求める、禍々しくも哀しい現代奇譚。