2016年8月発売
アリス3部作をまとめて収録!妖精姉弟との交流を描く『シルヴィーとブルーノ』は完結篇も掲載。短篇2本も加えた、論理や常識を覆すキャロルの迷宮へようこそ。
ポピーはフレッチャー公爵と熱烈な恋の末に結婚したが、4年後、夫婦の間には隙間風が吹いている。夫はベッドで自分を求めてくれない彼女が不満だったのだ。公爵の愛が冷めたと思った彼女はついに公爵家から出る決心をする。冷淡になった夫、口うるさい母から離れ、自由奔放な友人たちと暮らす道を選んだ彼女が見つけたものは?公爵との結婚生活はどうなるのか?登場人物たちの魅力的な会話で描く、人気シリーズ第2弾!
同窓会の幹事、久保健一、40歳。谷口香織、藤井哲也、青木久美子ほか、出席の返事をくれたみんなに会えるのを楽しみにしていたのに、時間になっても誰も来ない。みんな、どうしたんだろう。そのころ“みんな”は、のっぴきならない事態に直面していた。ある者は逃げ、ある者は窮地に立たされ、決断を迫られていたのだった。人生の分かれ道にいるあなたの背中を力強く押してくれる、人生応援小説。
一介の農村婦人が国家を相手に事件を巻き起こす!独りっ子政策の行き詰まりや、保身に走る役人たちの滑稽さなど、現代中国の抱える問題点をユーモラスに描く、劉震雲の傑作長編小説。
中学三年生の滝本望は祖母と神楽坂でふたり暮らしをしている。芸者時代の名前でお蔦さんと呼ばれる祖母は、粋で気が強く、ご近所衆から頼られる人気者だ。後輩の有斗が望の幼なじみとともに滝本家へ遊びに訪れた夜、息子ひとり残して有斗の家族は姿を消していたー。神楽坂で起きた事件にお蔦さんが立ち上がる!粋と人情、望が作る美味しい料理が堪能できるシリーズ第二弾。
リビーは父親に仕事を託され、経営コンサルタントで億万長者のダニールに会いに行く。養護施設で育ち、イギリスの名家の養子となった彼は、なぜか両親の結婚40周年記念パーティへの出席を拒んでいた。彼を説得し、パーティに参加させることがリビーの役目だった。ところが彼女はひと目でダニールに魅了され、一夜の誘いに応じてしまう。ちょうど夢を諦めたばかりで、新しい自分を見いだしたかったのかもしれない。その無邪気な思いつきが、のちに残酷な結末を招くとは、予想すらしなかった。
生まれてすぐ実の母に捨てられ、冷たい祖母に育てられたペネロープ。早く自立したいと仕事に打ちこんできた彼女は、あるとき重要な顧客の結婚式の企画をすることになった。この一世一代の大仕事を必ず成功させようと強く思うが、土壇場で花嫁が盛大な花火を上げたいと言いだしたため、困ったペネロープは世界的な巨大企業に協力をあおぎに行った。ところが、責任者に会わせてほしいと受付係に願い出たものの、CEOのレイフ・エドワーズが興味を持つはずがない、と言下に断られた。すると「それは本当か?どうして?」という男性の声がし、振り返ると、レイフ本人が興味深げにこちらを見つめていたー。
両親の死後、ペーシェンスは大叔母姉妹に引き取られた。大叔母が投資に失敗して財産をほとんど失ってからは、住み慣れた屋敷を引き払い、今はつましい年金暮らしをしていた。そんなある日、空いた屋敷をしばらく借りたいという話が舞い込んだ。しかも借り手のオランダ人外科医ユリウス・ファン・デル・ベークは、執筆に専念するため、雑用係としてペーシェンスを雇い入れたいらしい。彼女は未払いになっている請求書の束を思い浮かべ、仕事を引き受ける。でも、執筆中は完全に静かでなければならないと要求するなんて、きっとミスター・ファン・デル・ベークは暴君のようなご老人ね。ところが現れた雇主は、にこりともしないけれどハンサムな男性で…。
ケイトはブラジルの山間部の町へやってきた。大企業ミンバスコ社の社員に英語を教えるために派遣されたのだ。到着早々、彼女は驚くべき事件に巻きこまれる。まさか滞在先のホテルに血まみれの男が倒れ込んでくるなんて!なんて恐ろしいところに来てしまったのかしら。慌てて助けを呼んだケイトは、その男の兄だというルイスから突然、無礼な言葉を浴びせかけられ、ショックを受けた。どうやらケイトが事件の主犯だと勘違いしているらしい。翌日、出社した彼女は、社長を紹介されて思わず凍りつく。目の前で、まさに昨日の尊大な男、ルイスがこちらを睨んでいた。
サビーナは19歳。父が決めた婚約者のニコラスは45歳。結婚式は2カ月後に迫っているというのに、なぜか心がざわつく。一人になって考えたくて、サビーナはスコットランドへ旅に出た。ネス湖の湖畔をサイクリングしていると、にわかに濃霧が広がり、気づけば彼女は森の中にさまよいこんでいた。ようやく山小屋を見つけて安堵するが、扉を叩いても反応はない。すると窓辺のカーテンが揺れ、小さなふたつの緑の目が光って、思わずサビーナは悲鳴をあげた。「サタンはお節介やきが嫌いでね」背後からの声に振り向くと、目も覚めるようなハンサムな男性が彼女を訝しげに見ていた。
ジェシーは数年来の恋人だった大富豪ネイトの屋敷を訪れたー妊娠したことを知らせるために。ネイトとは出会ってすぐに惹かれ合い、情熱的な関係を続けてきたが、気まぐれな彼はふたりの仲が進展しそうになるたびにジェシーを遠ざけた。彼女がどれだけ傷つくかなど、まったくおかまいなしに。先日、また距離を置こうと告げられ、ジェシーの心は限界を迎えた。ところが、別れを決意した直後に身ごもっているとわかったのだ!彼はわたしを愛していないのだから、結婚はありえない。これを最後に姿を消し、ひとりでこの子を産み育てよう。しかし、ネイトは妊娠のことを聞くとすぐに結婚を迫ってきて…。
結婚式の晩、自由になりたいと置き手紙を残して10万ドルの債券を持ち出し、ジェニーが姿を消した。エドワードは愕然としたー僕の財力をめあてに群がる人間は大勢いたが、彼女だけは違うと信じていたのに…。半年後、送られてきた写真と手紙から彼はジェニーの居場所をつきとめる。しかし彼女は記憶を失い、さらに失明していた。ジェニーの世話をしてきた牧師夫妻の話では、彼女は瀕死の重傷を負い、病院に運び込まれたのだという。ジェニーは犯罪に巻き込まれたのか?僕を裏切ったわけではない?エドワードの心に一縷の望みがわき起こった。
リポーターのアリアンは、マノロ・デル・グアルドの屋敷を訪れた。著名な実業家であるマノロを、泊まり込みで取材するのだ。彼は妻を亡くしたばかりで、取材中も赤ん坊が泣く度に中座した。生後6カ月の娘がなつかず、ナニーがすぐに辞めてしまうのだという。その夜、アリアンは激しく泣く赤ん坊の声を聞きつけた。子供好きなのに子供をもてない体の彼女は衝動を抑えきれず、声を頼りに子供部屋へ向かうと、赤ん坊を懸命にあやした。アリアンの腕の中で安らかな寝息をたてはじめた娘を見て、部屋に入ってきたマノロは驚くべき提案をする。「このまま屋敷に残って、娘の面倒を見てくれないか」と。
女子的生活を楽しむため、東京に出てきたみきは、アパレルで働きながら、念願のお洒落生活を満喫中。おバカさんもたまにはいるけど、いちいち傷ついてなんていられない。そっちがその気なら、いつだって受けて立ってやる!彼女は、自由。だから、最高の生活を知っている。読めば胸がスッとする、痛快ガールズストーリー!
有機神経知能によって高度に制御された未来社会で、恐るべき最終計画が始動した。永遠の平和を実現するため、人々が欲望を抱くことを禁じ、嫉妬も争いも根絶すべく暴走する監理者。並行する二つの世界で、少年は感情を自らの手に取り戻せるのか。圧倒的スケールの冒険SF長篇。
ならず者の頭目・骨皮道賢は幕府に食い込み、洛中の治安維持を任されていたが、密かに土倉を襲撃する。浮浪の首魁・蓮田兵衛は、土倉で生き残った小僧に兵法者への道を歩ませ、各地で民百姓を糾合した。肝胆相照らし、似通った野望を抱くふたり。その名を歴史に刻む企てが、奔り出していた。動乱の都を駆ける三人の男と京洛一の女。超絶クールな熱き肖像。