2017年9月発売
家政婦のセイディは雇い主の命令で、愛するザカリーの住む町を訪れた。罪なほどセクシーな町の英雄ザカリー・ガトリンと激しい恋に落ち、別れも告げずに姿を消して5年になるが、今も彼は夜ごと夢に現れる。本当はやりたくない。ザカリーの身辺を嗅ぎまわるなどという仕事は。でも、病気の妹の高額な治療費を稼ぐ方法はほかにない。だから、雇い主であるザカリーの異母弟に協力するしか道はないのだー遺産相続を阻むためにザカリーの汚点を探れ、という卑劣なことでも。高鳴る鼓動を抑えこみ、勇気を振り絞ってザカリーを訪ねたセイディは、冷ややかな黒い瞳に一瞥された。「ここは君のいる場所じゃない」それでも愛の残り火は燃えあがり、セイディは思いがけず妊娠するが…。
ギリシア富豪の屋敷でナニーとして働くケイトは、ある日、尊大な当主ダモンに驚くべき提案をもちかけられた。「ぼくと結婚してくれないか?もちろん寝室は別で」耳を疑うケイトに、彼は説明した。結婚する気はさらさらないが、母に結婚を急かされ困っている、姪のナニーであるきみが相手なら母も納得するだろう、と。折しも気の進まない結婚を父に迫られていたケイトは、1年の期限付きという条件で、彼の提案を受け入れることにする。だが挙式後、バハマへの新婚旅行を強制されてしまったケイト。まさか彼と衝動的に情熱を交わすことになるとは夢にも思わず…。
19歳のデイヴィナは、プロポーズされて夢見心地だった。その男性が、彼女の姉と通じていると知るまでは。裏切りに打ちのめされたデイヴィナは故郷を捨て、ロンドンに出た。2年が経ち、いまは大企業の重役ジェイクの秘書を務めている。彼はハンサムな独身とあって、恋人はいつもとびきりの美人だ。ある日、デイヴィナのもとに姉から結婚式の招待状が届く。相手は元婚約者だった。傍目にも明らかなほどうろたえた彼女は、ジェイクから問いただされたとき、つい心の内を漏らしてしまう。彼はしばらく何か考えていたが、暗く光る目でデイヴィナを見ると、こう言ったのだ。「僕が結婚式に付き添うーきみの婚約者として」
パーティでケータリングをするサマンサに、男性が声をかけてきた。マシュー!ハンサムな彼はイギリスとギリシアの血を引く、船舶会社アポロニアス・コーポレーション後継者という有名人だ。彼は、祖父の誕生日パーティの手伝いをしてほしいのだという。仕事の話にしては、まなざしや態度が親密すぎる気がしたが、彼のような男性がわたしなんかに興味を持つはずがないと、サマンサは恥ずかしくなり、慌てて仕事を請け負った。まさかそのパーティが、ギリシアの美しい孤島で催され、その間ずっと、マシューと寝食をともにすることになるとはーそしてそれこそが彼の思惑だったなど、彼女はまだ知らなかった。
フィアのもとを、イタリア富豪のサントが訪ねてきた。フィアとサントの家には3代前からの確執があるが、3年前、二人は一度だけ夜をともに過ごしたことがある。その後サントはまったく連絡をくれなかったけれど、フィアは妊娠に気づき、一人で息子を育ててきたのだった。何も知らないサントは、彼の一族の事業拡大のため、フィアが息子と住む家を、土地ごと買いたいのだと言う。足元にまとわりついてきた幼子を慌てて隠そうとしていると、サントの顔色が変わったーそう、息子は彼にそっくりだった。彼が強ばった表情で言う。「土地を買うまでもない。結婚しよう」
「僕たち、結婚してもいいんじゃないかな」唐突で、思いがけないプロポーズに秘書のアンバーは、ボスの真意がつかめず目をみはった。ボスの包容力に安らぎを覚えながらも、男としてのそぶりを彼はいっさい見せなかったから…。しかもアンバーは、ある出来事のせいで、二度と恋愛には夢中にならないと決めていたのだ。ところがボスは、この結婚に情熱はいらないという。意味深な言葉を囁かれ、アンバーの心は複雑に揺れた。
エヴィの恋人の名はシーク・ラシード・アル・カダー。父の跡を継いで国を統治し、いずれ一族の女性を妻にするという定めを負った、見惚れるほど美しいアラブのプリンスだ。ラシードの立場を慮り、身ごもっていることを打ち明けるのをためらっていたエヴィだったが、いつものように抱きあい、甘美なひとときを過ごしー妊娠したことを告げると、冷たいまなざしでラシードに、「赤ん坊は僕の子か」と突き放されて、エヴィは青ざめた。しかも追い打ちをかけるように、彼の婚約を知らされ…。
婚約間近のステファニーは、海辺の町で静かに暮らしていた。しかし、その平穏な日常もジェラードが現れたことで一変する。18歳。大人になりかけていた清純なステファニーは、洗練された美貌のジェラードと恋に落ちた。だが悪夢のような出来事によって、地獄に突き落とされージェラードは彼女の愛と純潔を疑って、去ったのだ。永遠に。5年の月日が流れ、再会した彼の瞳には凶暴な光が眩いていた。「綺麗で汚れていないと思っていたのに。君はまた人を欺くのか」君の真実の姿を君の恋人に暴くとでも言いたげに。
財産目当てで、年の離れた大富豪の後妻となったいとこのために、ケンドラはギリシアを訪れていた。アテネ空港で出迎えたのは、ハンサムだが傲慢なデーモン。大富豪の親戚筋にあたる、彼自身も億万長者の会社経営者だ。ケンドラは彼のことが気になるのに、いとこと同類と決めつけて、皮肉っぽい目つきでじろじろと見つめてくる。ある日、大富豪の息子と出かけたケンドラは、車の燃料切れで帰宅が深夜になってしまう。するとデーモンはここぞとばかりに、「君は金持ちなら誰でもいいのか」と辛辣な言葉を放った。
勇者一行の歩みが止まる事はない。何故ならそれこそが聖勇者としての証明なのだから。ユーティス大墳墓での戦闘を経て、魔王クラノス討伐のために召喚された聖勇者・藤堂直継とその仲間たちー魔導師リミス、剣士アリア、氷樹小竜のグレシャのパーティー一行は、さらなるレベルアップを図るため新たなるフィールドに足を踏み入れた。そして今「魔導人形の谷“ゴーレム・バレー”」にアレスの嘆きが木霊する。「ああああああああああ、なぜ俺は…ステファンなんて呼んでしまったんだああああ」ステファン・ベロニド。新たなるサポートメンバーにして高レベルの白魔導師。しかし彼女を知る者はこう言って自らを慰めるー彼女は致命的な「ドジっ子」だと…。あらゆる予測と期待を超越する最凶無自覚な現象、それがステファン。魔王の影も蠢く渓谷で、アレスは今回も仕事を遂行できるのかー。これは、ハイ・プリーストであるアレスが、聖勇者を英雄に導くまでの物語。書籍版書き下ろしエピソード『ステファン☆おーばーあっぱー』も収録!!
巨大な城壁を擁し、長く平和を誇った聖王国を亜人連合軍が突如、襲撃。 連合軍の総大将は魔皇ヤルダバオト。 残忍冷酷な魔皇によって聖王国は国崩壊の危機に直面する。 苦難の民を救うため解放軍が救いを求めたのは 聖王国にとって不倶戴天の敵であるアンデッドを王に戴く魔導国。 アインズ・ウール・ゴウン魔導王に導かれ 聖王国は魔皇ヤルダバオトの討伐に乗りだす。
迷宮踏破に挑むフィーレンダンクの一行。強さを増す魔獣と立ちはだかる階層主。隠された迷宮の秘密、そして過去の転生者の願いー。アリアたちの“想い”に、ジンは“新たな覚悟”を導き出す。リエンツに集う“仲間たち”は、ジンに“さらなる力”をもたらす。紡いだ絆を力に換え、冒険者たちはリエンツを襲う“最大の脅威”に立ち向かう!!
村人・鏡は湧き上がる復讐心に葛藤していた。仲間を失い、しかし得たものは一つもなかった。それでも、ただ前に進むしかない。來栖を追うために。アリスを守るために。世界を救うために。一行はフォルティニア王国を管理する、北の大地ロシアへと向かう!!
エンダルジア王国は『魔の森』のスタンピードによって滅亡した。錬金術師の少女・マリエラは『仮死の魔法陣』の力で難を逃れたものの、ちょっとした“うっかり”で眠り続けてしまい、目覚めたのは200年後。-そこは錬金術師が死に絶え、ポーションが高級品と化した別世界だった。都市で唯一の錬金術師になってしまった少女・マリエラの願い。それは、のんびり楽しく、街で静かに暮らすこと。ほのぼのスローライフ・ファンタジー、ここに開幕!
なにが本当の喜びなのだろう?あなたはなぜ書いたのか、一人で子を成す孤独を。あなたも知っていたのか、子を奪われる苦しみを。千年の時を超え、平安時代の王朝物語「夜の寝覚」の作者とともに、人間の幸福の意味を問いかける名著。
教室に突然現れた神からの依頼で、クラス全員強制的に異世界へ召喚された!…はずが、隅の席で寝ていた神谷夜兎は魔法陣の中に入ることなく、スキルだけ授かったまま現実世界に留まることになった。ほとぼりが冷め高校生になり、平穏な毎日を過ごそうとするが、学校がテロリストに占拠されたり、異世界からモンスターが現れたりと夜兎の住む街で次々に騒動が起こってしまい…。無気力少年が世界を救う?「小説家になろう」発、大人気ファンタジー!
異世界へと呼び出され特別な能力を授けられた神谷士道。さぞやすごいチート持ちになれるのかと思いきや、手にしたのは「奇術師」という非戦闘系のハズレ能力だった。残念無念な感じでスタートした異世界生活だったが、師匠の古賀玄海と出会ったことで、ハズレながらも次第にその能力を駆使して強くなっていく。だが士道の前にかつて世界を滅亡させた伝説上の人物が現れて…。ハズレの烙印を押された男が強者としてのし上がっていく「小説家になろう」発、異世界成り上がりファンタジー。
ファルグリッドとファルシスに蔓延した病をエクリクスの十賢人であるダニエラらとともに治療した薫。しかし、薫に興味を持った十賢人の一人・ガイナスが、薫を手中に収めるべく彼を指名手配にしてしまった。冤罪だから問題ないと一笑に付す薫は、アリシアとともに温泉の街・ニーグリルを訪れるがー。「小説家になろう」発、異世界医療ファンタジー。