2017年発売
力自慢の犬田小文吾は旅の途中、悪女舟虫の計略にはまり牢屋に入れられてしまう。そこへ助けに現れたのは、人気田楽一座の花形美女、旦開野(あさけの)。その正体は、親の仇を狙う女装の若武者、犬阪毛野だった! 一方、犬塚信乃は船で安房の国に向かう途中、玉梓が怨霊の起こした大暴風雨(おおしけ)で、船が難破し流れ着いたその先は、なんと海賊の根城「鬼ヶ城」だった。『南総里見八犬伝』の大胆な解釈のもと、大人気を博した人形劇を、脚本家自らが書き下ろした完全小説版! 一 舞台変わって浅草近く、猪殺して小文吾登場 二 笛を使ったひと芝居、策に溺れた悪女舟虫 三 同じ穴のむじな二匹、ねらいも同じ金と欲 四 小文吾虎穴にはいり、家老の秘密をにぎる 五 娘姿は世を忍ぶ姿、旦開野は男でござる … 二七 道節の活躍で珠戻る、だが浮き出た娘の顔 二八 はたして何を恨むか、フジの下に立つ謎の娘 二九 須紗のうらみ消えて、遂異にに小文吾の目快癒
時は室町時代、安房の国は里見城で打ち首となった玉梓(たまずさ)の祟りに立ち向かうため、伏姫(ふせひめ)は犬の八房(やつふさ)とともに己の胎内から八つの珠を持つ八犬士を生み出す。十数年後、「孝」の珠を持つ犬塚信乃(いぬづかしの)は、父の形見の名刀村雨を、さもしい浪人網乾左母二郎(あぼしさもじろう)にだまし取られ、恋人浜路とも離れ離れになるが、それはすべて、玉梓が怨霊の仕業だった。『南総里見八犬伝』の大胆な解釈のもと大人気を博した人形劇を、脚本家石山透自らが書き下ろした、完全小説版! 一 シロが子犬を生んだ、かくて物語は始まる 二 怨霊が夜空を飛んで、狸は子犬に乳をやる 三 体に散る八つの花房、果たしてどんな宿命か 四 役の行者が現れて、伏姫に数珠を授ける … 十六 伏姫ゆかりの八犬士、犬塚信乃に陰謀の渦 … 三七 現れた四番目の珠、浮き出る忠の一文字
巨漢の大浦・通称ウラと、小柄だが空手の達人の赤池・通称イケーこの刑事コンビは、腕は立つがキレやすく素行不良、やくざのみならず署内でも恐れられている。被疑者を半殺しにし、チンピラの車をぼこぼこにし、拳銃をぶっ放し、カジノでは大暴れーだが、そんな傍若無人で無鉄砲な捜査が、時に誰かを幸せにすることも?笑いと涙の痛快刑事小説が、朗読会で披露された「ぶんぶんぶん」を収録した新装・完全版で登場!
冷静沈着、超絶美人。敏腕機長にして名探偵ー。“キャプテン・ディテクティブ”氷室翼、登場!事件多発の「東京ーパリ国際線」。クルーたちは無事帰還することができるのか!?とびきりポップなトラベル・ミステリ!
勘定奉行大久保忠信の悪事を暴こうとして殺された兄の仇を討つため、武士となった角次郎。勘定奉行所が関わる不正を次々と暴き出すが、大久保は巧みに追及を逃れ続ける。崩落した永代橋の架け替え事業の普請担当だった長兵衛殺害の裏に、私腹を肥やそうとする一派の策謀があると睨んだ角次郎は、妻のお万季と共に、材木仕入れに疑義がないか調べ始める。すると大目付中川忠英の用人頭と一派との不審な繋がりが浮かび…。
北海道・旭川。高校生の僕、正太郎は、姿を消した櫻子さんを捜し、担任の磯崎先生たちと九条邸を訪れた。主が不在の屋敷はひっそりと静まり返り、家族写真がなくなっていた。不安を抱え、僕らは櫻子さんが向かったと思われる層雲峡を目指すが…。(「蝶の足跡」)ほか、正太郎が偶然見かけたひき逃げに端を発する事件を描いた衝撃作も収録。最高にクールで危うい櫻子と、成長著しい正太郎のコンビが光る、必読キャラミステリ!
埼玉県大宮の一軒家に暮らす、和久井家。一見幸せそうに見える家族だったが、高2の次女は彼氏にフラれて非行に走り、ひきこもりの長女はBL趣味に夢中、商社勤務の父は社内で不倫、そしてキャバクラで働く母は家事を放棄。どこにでもあるごく普通の家族に潜む問題が次々と噴出していく。やがて和久井家を思いがけない事態が襲い…。不器用でいびつな家庭の崩壊から再生までをリアルかつ鮮烈に描いた、心温まる感動の物語。
歌舞伎大好き高校生、来栖黒悟(クロ)が部長を務める「カブキ部」。文化祭に向け準備中だが、人手も予算も不足の上、元演劇部のスター、芳をめぐり、演劇部との対立はますます悪化。おまけに公演予定だった場所が使えない!?クロの親友・トンボの機転で、演劇部との観客動員数での勝負を条件に、なんとか場所を確保。しかし、勝負に負ければとんでもないペナルティーがあって…。嵐の予感!?青春歌舞伎物語、第六弾!
老いてなお「女」でいつづける母・登勢。そのあけすけで奔放な性を嫌悪し、実家を飛び出した不器用な娘、千歳。やがて凡庸ながら温厚な夫と結婚し、憧れのマイホームを構え、幸せな人生を手に入れたと信じて疑わなかった。種違いの美しい妹・ユキがある日転がり込んでくるまではー。高度経済成長期、重工業都市として発展していく福山は芦田川河口の町を舞台に描く、壮絶な愛憎小説!
烏丸家当主を継いで一年以上が過ぎ、執事の衣更月と衝突しながらも奮闘する花穎。大学が夏休みに入り仕事の傍ら、石漱棗の誘いを受けて彼の地元を訪ねることに。友人宅でお泊まりという人生初めてのイベントに心躍る花穎だが、道中トラブルに巻き込まれてしまい…!?一方で同行を許されない衣更月は、主人を守るために取るべき行動の限度について悩んでいた。若き当主と新米執事、不本意コンビが織りなす上流階級ミステリ!
かつて“冷たい狂犬”と世界から恐れられた元公安調査官の影山夏樹。商用で訪れた東南アジアで空港テロに遭遇した夏樹は、中国の伝説の諜報員にして恩師の梁羽から時限的に協力を要請される。「黄色五星」と名乗る謎のテロリストは中国の仕業を装っているらしい。暗闘に否応なく巻き込まれてしまった夏樹は、謀略の黒幕に迫るべく広大なフィリピンを奔走するが…。著者渾身の国際謀略小説、益々スケールアップの第2弾!
横浜元町。大学生の大崎結人は、ある店を探していた。幼い結人に、絵本作家になる夢を与えてくれたレストラン。けれど夢が叶う気配はなく、もし店がなくなっていたら、きっぱりと夢を諦めると決めたのだ。思い出の場所にあったのは、色んな趣味の「コレクター」が集まる喫茶店。店長で美貌の青年・佳野が、年代物のテディベアの謎を鮮やかに解く姿を見た結人は…。ほっこりカフェで謎解きを。居場所が見つかるカフェ物語。
公安機動捜査隊特捜班ー通称“特捜班”。それは、凶悪事件の初動捜査を担当する、警視庁公安部に所属する特別チーム。特捜班の稲見は、横浜の39階建てホテルが武装集団に占拠されたとの報せを受ける。宿泊客550名が人質に取られるという非常事態。事件を秘密裏に解決せよという任務に挑むがー。金城一紀原案の設定をもとに気鋭の作家が紡ぐ完全オリジナルストーリー。一気読み必至の警察エンターテインメント!!
大手メーカーを定年退職した勤。さあ隠居生活と思いきや、商社勤めの娘が出戻り、勤は孫娘のため小学校PTAの副会長を務めることに!会長はギャル男、相方の副会長は気弱な主婦。活動を「暇な主婦のお仕事ごっこ」と公言する勤も、敵を作らぬわけがない。トラブル満載の行事が続く中、信頼する教師がある事件で起訴されてしまい!?人生の全てを仕事に捧げてきた昭和の男が、子供と家族、自分と向き合う1年間!
エーランド島の古い屋敷に移り住んだヨアキムとその家族。しかし間もなく、一家を不幸が襲う。悲嘆に沈むヨアキムに、屋敷に起きる異変が追い打ちをかける。無人の部屋で聞こえる囁き、何者かの気配がする納屋…。そして死者が現世に戻ってくるというクリスマス、猛吹雪で孤立した屋敷を歓迎されざる客たちが訪れる。「ガラスの鍵」賞、英国推理作家協会賞、スウェーデン推理作家アカデミー賞の三冠に輝く傑作ミステリ。
本に取り憑いた美貌の悪魔と、恋人契約を結んだ兄。そして、知らず虜にされた弟ー三人の関係が大きく変わるミステリアス・ファンタジー最新刊!!
辺境の町に流れ着き、保安官となったカウボーイ。酒場の女性歌手に知らぬうちに求婚するが、町の荒くれ者たちをいつの間にやら敵に回して、命からがら町を出たもののー。書き割りのような西部劇の神話的世界を目まぐるしく飛び回り、力ずくで解体してその裏面を暴き出す、ポストモダン文学の巨人による空前絶後のパロディ!
エリュシオン学園を無事卒業したシリウスたちは、見聞を広げるため旅に出ることを決意。その旅の矢先、銀狼族に神の御使いと崇められる白い巨大な狼“百狼”と出会う。圧倒的な存在感を放つ獣は、シリウスと同様この世界に転生した存在であった。さらに元いた世界では、シリウスと意外な関係でー!?その白き狼ホクトと共に旅をすることになった一行は、かつて従者だったディーとノエルと再会を果たす。彼らが営む食堂には、娘・ノワールの姿があった。別れが新たな出逢いをもたらし、人生を豊かに彩り始める。異世界式育成ミッション第5幕ー弟子の成長は新たなステージに。
アルフ・レアヴァースは『賢者』である。仲間の“六英傑”と魔王討伐を果たし、恒久的な平和を誓ってから三百年、アルフは異空間で魔法の研究に没頭した。再び世界に舞い戻り、魔物に襲われたエルフの少女・シェリルを救ったアルフは、彼女に眠る膨大な魔力と英雄の素質を見抜く。シェリルを弟子に取り、世界の実情を聞いたアルフは、平和を誓ったはずの世界が魔物の大発生や種族の対立、組織の陰謀が蔓延する世界に変わり果てたことを知り…!?『灰かぶりの賢者』-それは三百年後の世界が、最上の智慧と魔法の真髄を知るアルフに贈る誉望。いま仲間との誓いを果たすため、世界を救う旅が始まる!
ある義勇兵が深い傷を負い、山中で一人その人生の終焉を迎えつつあった。死の間際、彼は思い出す。元いた世界の残滓を。そして、疑問を抱く。-この“グリムガル”という世界とはなんなのか?と。一方、千の峡谷を抜けオルタナを目指し東へ進んでいたハルヒロたちは、道中の森で、巨大な猿のようなモンスター・グォレラたちの襲撃を受けていた。レッドバックというリーダーに率いられたグォレラの群れに苦戦を強いられる。辛うじて追撃を振り払い、逃げ込んだのはオークの出来損ないが隠れ住む村だった…。-彼は知っている。この世界で“明日”は当たり前には訪れないということを。