2018年6月発売
異世界からの転生者にして戦闘狂の“ケルヴィン”。獣国ガウンで開催されている獣王祭の決勝トーナメントにおいて、ついに彼は獣王レオンハルト・ガウンと相まみえることに。圧倒的な膂力と圧倒的な魔力のぶつかり合いー。互いに数多の策を弄し、相手を屠るため全力で挑むことになる。一方そのさなか。軍国トライセンにおいて魔王を裏より操り、大戦を引き起こしたとある組織の暗躍はなお続いていた。謎のベールに包まれたその存在は、しかしてケルヴィンたちの眼前にも現れはじめ…?黒衣の“死神”が仲間と共に蠢く闇に立ち向かう、バトルファンタジー第7幕!
「歌は翼を広げて、私たちの生の上へと滑り出す。歌がなくて、その翼で生の上へと滑空する瞬間すらもなかったら、私たちの苦しみはどれほど重さを増すだろうか」--本文より ハン・ガンが「書きたいのに、書けなかった」と回想する時期に生まれた本書には、音楽との出会い、さまざまな思い出にまつわる歌、著者自身がつくった歌について綴られている。著者の繊細な感性に触れるエッセイ集の初邦訳。 巻末にはオリジナルアルバムの音源情報も収録! ♪1章、2章で触れられている音楽をできる限り実際に聴いていただけるよう、クオンのwebマガジンでプレイリストを作りました。本とともにお楽しみください。 https://note.com/cuon_cuon/n/ne43b8f54b094 日本の読者の皆さんへ 1.くちずさむ 2.耳をすます 3.そっと 静かに 4. 追伸 訳者あとがき ハン・ガン オリジナルアルバム
沖田総司、高杉晋作、吉田稔麿、坂本龍馬、中村半次郎……。幕末の京を駆けた志士と、想いを交わした女たち。彼らが生きた、かけがえのない一瞬を鮮やかに描き出す六編。哀切に満ちた珠玉の短編集。
聖都大学附属病院小児科兼電脳救命センターで働く宝生永夢に、差出人不明の小包が送られて来た。中には、「マイティノベルX」と書かれたガシャットが入っていた。まさか、天才ゲームクリエーター檀黎斗からの挑戦!?いや、彼は消滅したはずだ。一体、誰がこんなものを…。永夢は瞑想し、一度だけ深呼吸をした。迷いのやわらいだ永夢は、ガシャットの起動スイッチに指をかけた。ゲームスタートー!!
ある日突然、“運命の女(ファム・ファタル)”と出会い、シングルファーザーになったひきこもりの吐田君。最愛の娘グミ子とふたりで歩む、切ない家族の成長ストーリー。 生まれたときからずっと一緒、ふたりきりの家族。なのに、父と娘はどうしてすれ違うんだろう?
本当に美しいものは、目には見えないのですー「色彩の女王」として注目を浴びるファッションフォトグラファー立花海咲。突如発症した「錐体ジストロフィー」という難病の色覚障害が、夢のような成功から彼女を転落させた。仕事も恋人もプライドも失った海咲が選んだ道は、震災に見舞われた故郷・熊本の天草に帰ることー16年前、故郷も家族も捨てた海咲を天草は優しく迎え入れてくれた。親友、恩師、絶縁状態の母や妹、憎み続けた義理の父との再会によって、海咲の中で何かが少しずつ変わっていく。そして、20年前に海で死んだ実の父の秘密が明らかになっていくが…はたして、海咲が最後に見つけた「この世で一番美しい色」とは?
父と墓地に暮らす少年は、ある夜、男女の心中を目撃した。数年後、少年は死んだ男の娘を連れて列車の旅に出る。二人の眼に映る、敗戦下の日本とは。生を奪われた無数の子どもたちに想いを馳せ描く冒険譚。 単行本未収録「犬と塀について」併録 津島佑子に飛躍をもたらしたのは、 彼女が安吾の作品に見出した 「ひんやりとした、熱い風」である。 それこそが「兄」である。以後、 津島佑子はこの「兄」に連れられて、 オオカミ=遊動民の旅に出たのである。 --柄谷行人「津島佑子とオオカミ」より 笑いオオカミ 犬と塀について 解説 柄谷行人
全感覚没入体験型作戦級戦術シミュレーションゲーム“Walhalla”。そこは様々な種族が武器を手に取り戦う電子の戦場。そのリアルな感覚に誰もが夢中になる世界。ヒルドルクランに所属する谷田契斗はクラン戦で自軍が完全なる敗北を喫す中、唯一人敵陣帷幄を急襲し戦功を上げる。これまでも啼嗟の機転により戦果を上げてきた契人だったが、時にスタンドプレーとも思えるその行動はクランマスターであるガンツェルの反感を買い、以降のクラン戦で自身の部隊を酷使されてしまう。そんな中、契斗の前に電脳自衛隊が現れる。電脳自衛隊とは?そして、彼らが語る衝撃の事実とはー日本の未来をかけた電脳自衛隊と人工知能の戦いが始まる!
2018年本屋大賞翻訳小説部門第1位! ! 圧倒的な世界観で多くの読者を魅了した『カラヴァル 深紅色の少女』 その『カラヴァル』シリーズ最新作! 世界のどこかで開かれる魔法のゲームーーカラヴァルーーが終わった。 ドラグナ姉妹の、奔放で美しい妹ドナテラには、姉スカーレットにも明かせない秘密があった。 そして、彼女はふたたび危険なゲームに挑むことになった。 カラヴァルの支配者・レジェンド、彼の本性とは? ドナテラはそれを明らかにできるのか? それとも、彼女が愛するすべてをーー彼女の命さえもーー失うことになるのか? シリーズ第一作を上回るスリルとロマンス! さぁ、もういちど。 ようこそ、カラヴァルへ!
2018年上半期最大の衝撃と感動 骨格標本が発掘されたことを報じる地元紙の小さな記事を見つけた家具職人・豊は、数十年前の小学生時代、仲間数人で山中に骨格標本を埋めたことを思い出す。 しかし、それは記事の発掘場所とは明らかに異なっていた。同時に、ある確かな手触りから「あれは本当に標本だったのか」との思いを抱いた豊は、今は都内で広告代理店に勤務する哲平に会いに行く。 最初は訝しがっていた哲平も、ふと、記憶の底に淀んでいたあることを口にする。 リーダー的存在だった骨格標本埋葬の発案者・真実子の消息はわからないまま、謎は思いも寄らぬ方向に傾斜していく。 【編集担当からのおすすめ情報】 あえてハードルを上げますが、担当作でここまで掴まれ、揺さぶられ、圧倒的される小説は「サラバ!」以来です。本当に、何度読んでも、そう思います。(担当編集者)
「…り…に、毒を」被害者は奇妙な言葉を遺して死んだ。毒物の正体は不明。親戚にあたる星祭家では独特な七夕祭を執り行っており、異様な事件が連続する。“毒草師”御名形史紋らは、京都に乗り込んだ。和歌に織り込まれた言霊を手掛かりに、笹・砂々・金・星の言葉を読み換え見えてくる禍々しい真相、日本人を縛る千三百年の呪。「七夕」に隠された歴史を明察する傑作民俗学ミステリー。
つまんない子、いつもそう言われてきた──。灯は飲み会も女子会もNG、とにかく他人と食事を共にすることができない「会食不全症候群」。この性分のせいで職を変え、恋にも無縁。けれど仕事で知り合った蝦名から夕食に誘われて……。食べることは生きること。「食」に憂鬱を抱えた6 人が、ユニークでタフな方法で、悩みに立ち向かってゆく。つい頑張ってしまう人に贈る、幸せごはん小説!
ニューヨーク、国連本部。イラク攻撃を宣言する米国務長官の背後から、「ゲルニカ」のタペストリーが消えた。MoMAのキュレータ -八神瑤子はピカソの名画を巡る陰謀に巻き込まれていく。故国スペイン内戦下に創造した衝撃作に、世紀の画家は何を託したか。ピカソの恋人で写真家のドラ・マールが生きた過去と、瑤子が生きる現代との交錯の中で辿り着く一つの真実。怒濤のアートサスペンス!
取り壊しが決まった団地に暮らす祖父を訪ねた六年生の杏奈。そこはかつてドラマ『たんぽぽ団地のひみつ』のロケ地だった。夢の中で主演の少年、ワタルくんに出会ったことをきっかけに、杏奈と祖父、そして住民たちは、団地をめぐる時空を超えた冒険に巻き込まれてー。大人たちが生きた過去への憧憬と、未来へ向かう子どもたちへの祝福に満ちたミラクルストーリー。
掏摸に騙りに美人局。住人が全員悪党の「善人長屋」に紛れ込んだ本当の善人・加助が、またしても厄介事を持ち込んだ。そのとばっちりで差配母娘は盗人一味の人質に。長屋の面々が裏稼業の技を尽して救出に動く中、母は娘に大きな秘密を明かす。若かりし頃、自らの驕り高ぶった態度が招いた大きな罰のことを──。流れゆく大川が静かに見つめた、縺れた家族の行方を丹念に描く人情時代小説。
おかっぱ頭のやんちゃ娘ヘガティ -と、絵が得意でやせっぽちの麦くん。クラスの人気者ではないけれど、悩みも寂しさもふたりで分けあうとなぜか笑顔に変わる、彼らは最強の友だちコンビだ。麦くんをくぎ付けにした、大きな目に水色まぶたのサンドイッチ売り場の女の人や、ヘガティーが偶然知ったもうひとりのきょうだい……。互いのあこがれを支えあい、大人への扉をさがす物語の幕が開く。
謎と事件好きの猫河原家。今夜も家族全員、殺人事件をめぐって、夕食前に迷推理を披露する。これも「推理せざる者、食うべからず」の家訓ゆえ。難事件に嬉々とする両親兄姉たち。普通の女子大生でいたい私はいつもブルー。正直、推理なんかしたくない。のに、遭遇した事件にピンときた瞬間、髪の毛は逆立ち、「名探偵」降臨。真相を見事突き止めるーえ?一番の推理好きは、私?
北日本のとある都市でひっそりと営業する『はなぞのホテル』。所在を明かせぬこのホテルには、たった一つだけ約束事があった。それは、過去ないし未来から来た“時間旅行者”しか宿泊させないこと。ホテルの新米従業員になってしまった一般人・桜井千鶴は、過去から未来からやってくるお客様を必死でおもてなしするのだが。ほっこりでどたばたな時空ホテルには、今日も何かが起こる!