2018年8月発売
忍が牙を抜かれた文政の世。さらった子らを鍛え上げ、人体兵器としてひそかに送り出す裏伊賀の砦で育った若者・鬼市。決死の思いで、餓狼の啼く断崖を滑り下りる。執拗な追っ手から逃れ、めざす江戸にたどり着けるのか?そして鬼市の運命を変える出会いが…。胸躍る時代伝奇、怒涛の開幕!
この世界は不完全。君がいなければ。二十代のつぐみは、偶然初恋の人・樹に再会する。樹は車イスに乗り、もう恋愛はしないと言うが。
両親を事故で亡くし、おばあちゃんの温泉旅館「春の屋」で暮らすことになった小学校6年生のおっこ(関織子)。 旅館に住み着くユーレイ少年・ウリ坊や、7歳の少女のユーレイ・美陽、魔物の鈴鬼の力を借りて、若おかみ修業を頑張る日々。 でも時々、両親が生きているような気がして……。 累計300万部を誇る大人気シリーズの劇場版オリジナルストーリー。
「あなたって本当に幼稚」。優等生だし可愛いし、だけどクールな君が、ある日、後ろの席にやってきた。勉強嫌いの俺に、容赦ない指導を繰り出す君。放課後の教室、帰り道、いつの間にか俺の毎日は、その笑顔でいっぱいになっていた。誰もが、切なくて愛しい「あの頃」を思い出す。青春ラブストーリーの翻訳版。 「あなたって本当に幼稚」。優等生だ し可愛いし、だけどクールな君が、あ る日、後ろの席にやってきた。勉強嫌い の俺に、容赦ない指導を繰り出す君。放 課後の教室、帰り道、いつの間にか俺の 毎日は、その笑顔でいっぱいになってい た。誰もが、切なくて愛しい「あの頃」を 思い出す。青春ラブストーリーの翻訳版。
あらたに真吾に迫りくる未亡人の甘い誘惑 昭和二十六年春。大学二年生になった真吾はある朝電車内で、下宿先の未亡人ちえと一緒になる。すし詰め状態の車内で、偶然か故意か、ちえの手が真吾のからだの一部分に触れてきた。いつもの控えめで貞淑なちえからは考えられない行動に驚く真吾だが、前年の秋に彼女の娘・小学生の雪子にもそれを触らせたことがあり、なんとも刺激的な気持ちになるのであった。実験目的で始まった女子学生・明美との関係は続いていた。だが出発点から大きく逸脱し、今や明美は真吾に夢中になってしまっている模様。明美の友人の知子から、重荷になる前に何とかするよう忠告されるも、今度はその知子の誘惑に乗ってしまう。そんなある日、かつての下宿先の娘アキが訪ねてくる。交際している男の粗暴な振る舞いについて相談しにきたと言うが、強引で奔放な性格は変わっておらず、夜の神社で求めてくる。さらに、旅館で働く中年のキクや、下宿先の隣人・新妻の千賀からも好意を寄せられてーー。己の好色性を自任する真吾の周辺はまさに春、さながら百花繚乱の様相を呈していた。
帰省列車で隣り合わせた人妻との危険な情事 夏休みの帰省を前に、下宿先の未亡人ちえに誘われて観劇に行った真吾。厳格な姑のもと貞淑な嫁に徹するちえの意図を測りかねるも、以前の電車内での一件もあり、何かが起こるのではと淡い期待もしていた。解放的な時間のなかで生き生きとしているちえに、はるか年上の女性ながら新鮮な魅力を感じる真吾。案の定、帰り道にひそやかな行為に興じたふたりは、続きは夏休み明けに、と「約束」する。その帰省のために乗った列車では、隣の席の女性・佳子と同郷であることがわかり、話がはずむ。人妻である佳子は、浮気をした夫と一時距離を置くため里帰りするところであった。長時間の乗車中、佳子は真吾としても驚きの大胆な行動に及ぶ。そしてふたりは、帰省先で改めて会うことを「約束」するのだった。故郷の恋人・妙子との関係は良好で、両家の親からも認められ、「婚約」の決意を新たにする真吾。そんな状況にあっても、以前関係した同級生の鈴子と、結婚してからも密会しようと「約束」をする。さまざまな女人たちとの「約束」、共に追い求める官能の世界。真吾の性的探訪の旅は果てなく続いていく。
「わたしのことを記憶しつづけていてください」 夢から覚めたとき、それは見捨てられた駅が話しかけてきたのだと思った。この小説はそんなふうにして生まれた。 だから、二人の男、それから二人の女をめぐるエピソードより成るこの小説の本当の主人公はあの簡易駅なのだ。 「別れの谷」という悲しき名を背負ってそこに生まれた駅は、もはや皆からは忘れられ、跡すら残すことなく、 ひとり消え去ろうとしている…… ( 作者のことばより ) プロローグ 秋ーー別於谷の詩人 夏ーー別れの谷 冬ーー帰路 春ーー指 エピローグ 著者の言葉 作品解説
これは、イギリスで絶滅してしまった熊に捧げる、大人のための寓話です。電灯もオイル・ランプもなかった時代、夜中に森を徘徊する悪魔だと恐れられた「精霊熊」。死者のための供物を食べたせいで、故人の罪を引き受けてしまった「罪食い熊」。サーカスが流行した時代、人間の服を着て綱渡りをさせられた「サーカスの熊」。19世紀、ロンドンの下水道に閉じ込められ、町の汚物や溜まった雨水を川まで流す労役につかされていた「下水熊」。-ブッカー賞最終候補作家が、皮肉とユーモアを交えて独特の筆致で描く8つの奇妙な熊の物語。
〈黒後家蜘蛛の会〉のお楽しみーーそれは知性あふれる6名の会員たちによる丁々発止の会話、毎回のゲストが提供する謎かけの数々、そしてその難問を見事に解決する給仕ヘンリーの名推理である。偉大なる黄金パターンを何度でも楽しめる、殿堂入りの連作短編集。第3巻にはアメリカ大統領にまつわるトリビアから火星や日蝕の様相まで、多岐にわたる分野に材を得た全12編を収録。“ディナーのあとで謎解きを”心ゆくまで堪能せよ!
幕末の江戸。神田千両町に暮らす岡っ引きの辰親分は、御用のかたわら福引きの一種である“宝引”作りをしていることから、「宝引の辰」と呼ばれている。辰親分は不可思議な事件に遭遇する度に、鮮やかに謎を解く! 殺された男と同じ彫り物をもつ女捜しの意外な顛末を綴る「鬼女の鱗」。謎の画家が残した吉祥画を専門に狙う、怪盗・自来也の真意を探る「自来也小町」。美貌の女手妻師・夜光亭浮城の手妻中に起きた、殺人と盗難事件の真相を暴く「夜光亭の一夜」。ミステリ界の魔術師が贈る、事件関係者の一人称視点から描かれた傑作13編を収録。
猫ほど不思議が似合う動物はいない。謎めいたところが創作意欲をかきたてるのか、古今東西、猫をめぐる物語は数知れず。本書は古くは日本の「鍋島猫騒動」に始まり、レ・ファニュやブラックウッド、泉鏡花や岡本綺堂ら東西の巨匠による妖猫小説の競演、萩原朔太郎、江戸川乱歩、つげ義春の「猫町」物語群など21篇を収録。猫好きにも不思議好きにも堪えられないアンソロジー。
綾乃は高等部に進級し、中等部には雪之丞の従妹や絵葉の弟や、人間の女の子桜子も入学してきた。そして新学期の一週間が終わったころ、綾乃たちの学年にロシアの水妖ヴォダーくんがやってきた。ところがそんなとき、学院で奇妙なことが起こり始める。周辺では不審者が目撃され、寮の部屋からお八つが消える。妖怪と人間がともに学ぶ魔女学校を舞台にした愉快な学園ファンタジイ。
誰もがうらやむ美貌の持ち主でも、サハラには隠し通してきた傷があった。名家の主人と使用人のあいだに生まれた彼女は、その美しい容姿に目をつけた女主人に無理矢理引きとられ、気の向くときだけ“名家の令嬢”を演じさせられてきたのだ。大人になり、独立して、ようやく手に入れた平穏な日々も束の間、サハラは何者かに命を狙われ始める。過去の影に怯える彼女の前に現れたのは、最強ボディガードとして名高いブレンダンだった。優しくたくましい腕に24時間守られるうち、かたくなに生きてきたサハラの心は少しずつ解けていき…。
15歳のときに、淡い想いを抱いていた人に傷つけられて、アナベルは心を閉ざした。それ以来、誰にも愛されず、誰も愛せず、たった一人で生きてきた彼女のもとに、暗い目をした精悍な男性ラッシュが現れる。孤児院で育ち、里親の家で虐待され、不遇の人生を歩んできたという彼は、自分の素性を知りたくて、記憶の片隅に残っていたオルゴールを手に訪ねてきたのだ。確かにそのオルゴールは昔、アナベルの屋敷にあったものだ。その意味することを考えもせず、アナベルは彼に惹かれる。この恋心が大きな悲劇に繋がるとは夢にも思わずに。
こんなにも彩りに溢れた世界があるなんて、知らなかったーー 19世紀英国に舞い降りたシンデレラ・ストーリー! 煙突掃除人の娘ジェマイマはある日、余興のため貴族の結婚式に呼ばれた。上 流階級の人に囲まれ居心地悪く佇んでいたところ優しく声をかけてきたのが、 見目麗しいセルボーン伯爵ーー思わず胸ときめかせるジェマイマだが、もちろ ん彼は住む世界の違う人。もう二度と会うこともないだろうと思っていた数日 後、その伯爵がジェマイマの家を訪ね、あろうことか便宜結婚を申し込んでく る。聞けば亡父の遺言で花嫁を迎えないと遺産が手に入らないらしい。「結婚 してもきみはきみ、ぼくはぼくで暮らそう」思わぬ申し出にジェマイマは……。
ローレルはひとり、美しく悲劇的なローレライ伝説の地を訪れた。 ライン河畔の城には、祖母の元恋人である老男爵が住んでいる。 若き日のふたりは深く愛しあい、結婚を約束しながらも、 身分の差に引き裂かれて、ついに結ばれることはなかったという。 男爵に祖母の形見を贈り、最期まで愛していたと伝えたい。 庭にいた少年に声をかけ、導かれるまま城の中へ入っていくと、 ローレルそっくりの女性が描かれた肖像画が目に飛び込んできた。 これは昔の祖母……そのとき怒声が響いた。「なにをしている?」 振り向くと、古い写真で見た男爵に瓜二つの男性が立っていた。
書店経営者のフランチェスカはまたしても恋に失敗した。地味で冴えない私を愛してくれる人はいないのかもしれない…。打ちのめされた気持ちのまま出版社の催すパーティに赴くと、ある小国の眉目秀麗な王子が執筆した本が話題を独占している。講演を依頼しようと王子を捜しているとき、男に声をかけられた。話の流れで、王子が称号を振りかざしていると力説したフランチェスカに、男は興味を引かれたようだ。見知らぬ男にときめきながらも、彼女はその場を後にした。まさか、彼がコンラッド王子本人とは気づきもせずに。
“だれが戦争などしやがるのか” ーー青春を破壊する絶望の泥濘は心の闇かあるいは国家か 報道班員としてインパール作戦に従軍した火野葦平がつぶさに見、聞いた兵士たちの無残、痛憤、愛、訣別を「麦と兵隊」「土と兵隊」「花と兵隊」の戦争三部作の集大成として描き出す
「小説家になろう!」日間総合・週間総合・月間総合1位を取得した人気作がGAノベルで書籍化!! ※「小説家になろう」は株式会社ヒナプロジェクトの登録商標です かつては最強の魔術師として伝説になっていたダグラス。 しかしおっさんと言われる年になったいま、体は衰えボロボロに。 ワンパン喰らっただけで致命傷を負うような状況に陥った結果、ついにギルドから冒険者ライセンスを剥奪されてしまう。 ーー流れ者になったダグラスは、旅の途中で呪われた少女と出会い、彼女を救い出す。 少女を助け出す過程で最強の力を再び取り戻したダグラス。 ダグラスの元へは国王や騎士団、ギルドから応援要請が大量に押し寄せるが……。 「俺は子育てで忙しいんだ。他を当たってくれ」 自分だけにしか懐かない少女を娘にしたダグラスは、彼女とふたり気ままな旅を続けることを決意する。 星空の下にテントを張ってスープを飲んだり。稲穂の揺れる街道をてくてく歩いたり。立ち寄った先で人助けをするためうっかりチート無双したりーー。 仲良し父娘の冒険は今日も続く。 ・目次 一話:おっさん、冒険者ライセンスを剥奪される 二話:おっさん、力を取り戻す 三話:おっさんと少女、ふたりの晩ごはん〜豆と豚のスープと焼き林檎パン〜 四話:おっさん、哀しき獣の咆哮を聞く 五話:おっさんと少女、旅のはじまり 六話:おっさんと少女、ふたり料理〜川原で魚の塩焼き〜 七話:おっさん、希少アイテムを鑑定する 八話:おっさんと少女、入浴と前髪 九話:おっさんと少女、慈善の街アディントンへ 十話:おっさんと少女、仲直りする 十一話:おっさんと少女、「うちの子」と「お父さん」 十二話:おっさんと少女、バイトでドラゴン退治〜タマゴサンドと肉団子のスープ〜 十三話:おっさん、アディントンのギルドマスターに詰め寄られる 十四話:おっさんと少女、旅立ちと新しい出会い 十五話:おっさんと少女、緑豊かなエルフの集落フローリアへ 十六話:おっさん、雷雨の中で活躍する 十七話:おっさん、春到来の予感? 十八話:おっさんと少女、何より大切なもの 十九話:おっさんと少女、「好きなのはお父さん」 二十話:おっさんと少女、歓楽の都市ミルトンへ 二十一話:おっさん、父としてのあり方を悩む 二十二話:おっさんと少女、愛を買うということ〜元気もりもりスタミナ炒め〜 二十三話:おっさんと少女、弱い犬ほどよく吠える場面に出くわす 二十四話:おっさん、ちょっとした改革案を思いつく 二十五話:おっさんと少女、古着から花をつくる 二十六話:おっさん、有名人になっていた? 二十七話:おっさん、ヴェロニカの心に触れる 二十八話:おっさん、最強のその先へ 二十九話:おっさんと少女、ミルトンにさよならを 三十話(書き下ろし):おっさんと少女、洗濯日和と親子のしあわせ あとがき