2018年9月14日発売
雷門で掏摸に遭い路頭に迷っていた真一郎は、六軒長屋の大家・久兵衛に用心棒兼遣い走りとして拾われる。向かいは真夜中に面を打つ謎の美女・多香、隣は女のヒモで洒落者の笛師・大介。長屋で気ままに暮らす住人たちが、町の騒動に立ち向かう。江戸っ子の粋と人情、そして色恋も鮮やかな新シリーズが開幕!
孤独な少女・翼と、風俗店「ピーチドロップス」のオーナーで大学生の早瀬俊。二人をつなぐ“大切な人”が姿を消して以来、同業の女の子が行方不明になる事件が界隈で相次ぐ。常連客、担任教師、元警察官ー寂しさを抱えた人々が交錯する場所にかけられた、残酷な魔法とは。切ない余韻が迫る、傑作ミステリー。
届けられなかった思いを載せた手紙が届く登天郵便局と、幽霊専門の案件を扱うたそがれ探偵社を舞台に、この世とあの世の間に漂う六つの謎を解く、シリーズ初の短編集。謎の向こうに見えてくるのは切ない過去か、くすぶる怨念か。ちょっぴり怖くてのちほっこり。今を大切にしたくなる温かな物語。
由比産婦人科を訪れる、さまざまな表情をした妊婦たち。産声と歓声に包まれて母となる者、物言わず消えた命を静かに見送る者ーそんな母子の姿を間近で見つめながら、アオイは自分の母に想いを馳せる。お母さんは、私のこと、どう思ってるの?深い共感を誘い、大切な記憶を呼び起こしてくれる、胸を打つ物語。
女子高生の亜李亜は、猟奇殺人鬼の一家に生まれ、郊外でひっそり暮らしていた。父は血を抜いて殺し、母は撲殺、兄は咬みついて失血させ、亜李亜はナイフで刺し殺す。ところがある日、部屋で兄の惨殺死体を発見する。翌日には母がいなくなり、亜李亜は父に疑いの目を…。第62回江戸川乱歩賞受賞の長編ミステリー。
とてつもなく大きな橋を支える巨大コンクリートの塊の中に、国家機密とされるシェルタがあった。現代の最高技術で造られたこの密室に滞在することになった六人が、一人ずつ殺される。痺れるような緊張感の中、最後に残った二人。そして世界が反転するー。謎、恐怖、驚愕。すべてが圧倒的な傑作長編ミステリィ。
2016年、ペルーはブランカ山群。山岳カメラマンの真山道弘は単身シウラ・グランデ峰を登っていた。10年前、クレバスに置き去りにしてしまった親友・樋口友一を迎えにきたのだ。クレバスの底に降り立ち、樋口を見つけ出した真山だったが、遺体の顔を覆う氷雪を落として驚愕する。極寒のクレバスに閉じ込められた遺体は、歳を取ることなく凍りついてしまうはず。しかし、樋口の顔は明らかに10年前より老いていたのだ! ありえない、そんなはずはない。 10年前、あいつは死んだはずだったーー 極寒の氷雪峰に置き去りにされ、 “時”とともに氷漬けになったはずの友。 しかし、対面した遺体は明らかに歳をとっていた…… 2016年、ペルーはブランカ山群。山岳カメラマンの真山道弘は単身シウラ・グランデ峰を登っていた。10年前、クレバスに置き去りにしてしまった親友・樋口友一を迎えにきたのだ。ずいぶん待たせて悪かったなーークレバスの底に降り立ち、樋口を見つけ出した真山だったが、遺体の顔を覆う氷雪を落として驚愕する。極寒のクレバスに閉じ込められた遺体は、歳を取ることなく凍りついてしまうはず。しかし、樋口の顔は明らかに10年前より老いていたのだ。なぜだ、ありえない。まさか、樋口はあの時生還していたのか?ならばなぜ連絡をよこさなかった?そしてなぜ同じ場所で命を落としている?樋口、お前は一体何をしていたんだ? 親友が過ごした、謎に包まれし“歳月”。 真相にたどり着いたとき、あなたはきっと胸を熱くする。 注目の乱歩賞作家が仕掛ける、哀しき罪と罰。 『生還者』につぐ感涙必至の山岳ミステリー!
今みんな止まらなかった!?高校生の笹森陽太はひょんなことから自らの「時間停止能力」に気づく。その能力で同級生の美人・麗奈や、隣の組のハーフ美人・沙織の胸を…と卑わいなことを企むが、彼女らの胸ポケットには遺書めいた手紙、そしてナイフが!?下心が一転、学校の闇に立ち向かう陽太の運命はー。
訪れた者を次々と死に誘う狂気の館、教会堂。失踪した部下を追い、警察庁キャリアの司は館に足を踏み入れる。そこで待ち受けていたのは、水死・焼死・窒息死などを引き起こす数多の死の罠!司の足跡をたどり、妹の百合子もまた館に向かう。死のゲームと、天才数学者が求める極限の問いに、唯一解はあるのか!?
東京駅を発った列車の中で、阪田の胸は高鳴っていた。愛人の奈美に京都で会えるのだ。他方、隣り合わせた淳子は老舗菓子屋の社長・松崎の許を目指していた。弄ばれた男に身ごもった事実を伝えるために。そしてそのころ、松崎と奈美は…。交錯する男女の関係と繰り返される性愛。長編恋愛小説の名作が新装版に。
同じアパートに暮らす先輩と交際を始めた“私”。だが初めて交わろうとした夜、衝撃が走る。彼の性器が全く入らないのだ。その後も「入らない」一方で、二人は精神的な結びつきを強め、夫婦に。いつか入るという切なる願いの行方はー。「普通」という呪いに苦しみ続けた女性の、いじらしいほど正直な愛と性の物語。
天才発明家の藤村が急逝した。芝野に事業再生家として歩むきっかけを与えた恩人だった。彼の遺した町工場は経営危機。芝野は専務を引き受け、再生に乗り出す。地元の金融機関やファンドに翻弄され、苦境の渦に。鷲津をも巻き込んで芝野は捨て身の最終戦を仕掛ける。もうひとつの「ハゲタカ」ストーリー!
楚の出身である范蠡(はんれい)は十二歳の時、家族と住居を盗賊の襲撃により失った。奇跡的に難を逃れた彼は、父の親族がいる越の会稽へ移り住み、賢者・計然のもとで学ぶ。ここで親友の種(しょう・後の大夫種)と出会い、優秀な二人は二十代半ばにして太子・句践(くせん)の側近に抜擢される。やがて、越に呉が攻め入ると、范蠡は策略をめぐらし越を救う存在となるのだった。謎多き忠臣を活写する、中国大河歴史ロマン第7弾!
明治十六年、銀座の煉瓦街で、鉄道馬車の馭者が何者かに狙撃され、「青い眼の子…」との言葉を遺して逝った。この意味するところは何なのか?敏腕記者・片桐が幼い“相棒”と、事件の深淵に迫るー。
たくさんのユニークな人々が暮らし、日々さまざまな事件が起きる花咲小路商店街。にぎやかな商店街の裏には、真っ赤な車が看板代わりの駐車場“カーポート・ウィート”があるのです。若社長・すばるちゃんが営むカーポートを訪れるのはいろんな車。ときには厄介ごとも乗せてきてー
母に育児放棄され、誰にも心を開かず生きてきたシャーロット。ある日、仕事でタバトの次期王国サリムと出会い、セクシーなオーラを漲らせた彼に一目で心奪われた。だが彼は美しい唇を歪め、冴えない彼女を冷笑しただけだった。だからパーティの日の朝、部屋に届いたドレスを見て戸惑った。サリムが私に?きっと私をからかっているんだわ。地味な服で出席したのに、気づけば彼の腕の中にいた。強引で熱烈なキスを受けて、初めて感じた熱い疼き。ああ、捨てられるとわかっていて恋におちるなんて…。
プレイボーイ富豪ラムゼイの強烈な魅力に屈した翌朝、切ない想いをもてあましたノーラは彼のもとを逃げだした。さらに3カ月後、ノーラは妊娠に気づいて愕然とする。父にないがしろにされ続けた無価値な私にできるのは、この子を全力で愛することだけー父に捨てられた母のように。幸せな家庭への切望を胸の奥に封じ込め、我が子を密かに産み育てる決意をしたノーラだったが、突然、目の前にラムゼイが現れた。魅惑的なグレーの瞳に、冷たい怒りをたぎらせて。