2018年発売
材木問屋『飛騨屋』が与力の高坂又五郎を抱き込み、源蔵を陥れようと画策。源蔵は、植木職人・升吉殺しの下手人として、時蔵をお縄にした。だが、時蔵は、吟味の場で、升吉が殺された晩、高坂と会っていたと言う。取り違えによって源蔵は、お役差し止めを命じられる。罠を仕掛けた『飛騨屋』の狙いは!?源蔵に代わって、文太、六助、竜吉が、真実に迫る!
「安全地区」に指定された仙台を取り締まる「平和警察」。その管理下、住人の監視と密告によって「危険人物」と認められた者は、衆人環視の中で刑に処されてしまう。不条理渦巻く世界で窮地に陥った人々を救うのは、全身黒ずくめの「正義の味方」、ただ一人。ディストピアに迸るユーモアとアイロニー。伊坂ワールドの醍醐味が余すところなく詰め込まれたジャンルの枠を超越する傑作!
書店員は超多忙。品出しや客注をこなし、レジ対応の合間に万引き犯を捕まえ、閉店後には新作を読んでPOP書きやイベントの準備。でも、本と本屋が好きだから、今日も笑顔でお店に出るのだ。でも時には、お客様から謎すぎる悩みが寄せられて…。ここは町の本屋さん。名物店長と個性的なバイトの面々が、本にまつわる事件を鮮やかに解決します。本屋さんよ、永遠に。
僕は君原樹来、小学六年生。将来の夢は推理小説作家。作品の題材になるような難事件の話を聞きたくて、元刑事のじいじの家に遊びに来た。そうしたら交換殺人や密室、ダイイングメッセージとかすごい謎ばかりで期待は的中!でもね、じいじ。その解決、僕はそんなことじゃないと思うんだけどなあ。可愛らしい名探偵の姿を通じて、本格ミステリーの粋を尽くした魅惑の短編集。
アミの会(仮)とは、各ジャンルで活躍する女性作家の集まり。網のように広がる交遊関係、フランス語で友だちという単語(amie)、全国各地のメンバーがインターネットで意見交換をしながら、一冊のアンソロジーを編むというところから名付けられた。アンソロジー企画第五弾は、十三人の豪華ゲストを迎え、二十五編の書下ろしショートショートをお届け!
銃器ブローカーに発砲されたため、相手を半殺しにしたことで過剰防衛として三カ月の停職となった警視庁の風見竜次は、捜査一課特命遊撃班に異動となる。そのチームには、“ホームレス刑事”など異色の面々が揃っていた。そして、風見たちに、東京の蒲田署管内で起きた事件の捜査が命じられる。遺品整理会社の会社員が殺害された難事件の真相とはー。シリーズ第一作。
愛する息子と妻をシンナー中毒の通り魔に殺された新聞記者の小坂宏樹、我が子を殺めながら無罪判決を受けた平沼香織。“心神喪失者の行為は、罰しない。心神耗弱者の行為は、その刑を減軽する”という刑法三十九条によって、人生を翻弄された二人が、時を経て交錯する。そして、新たな事件が!苦悩と葛藤が導く意外な結末とは!?心理ミステリーの傑作!
警察庁からの依頼を受け、西城秀夫はヨーロッパへと飛ぶ。政府要人や財界の大物がスウィス銀行に預けた隠し金が、次々と強奪されていた。そこにはイスラエルの秘密組織が関わっているらしい。その組織の正体を突き止め、壊滅せよというのだ。パリへと金を引き出しに向かった不動産会社社長を囮に、西城は組織の中枢へと食い込んでゆくー。超絶アクション巨編!
粋で艶やかな新橋芸者の“まり勇”は、ハードボイルドなどの海外ミステリーが大好き。少女時代はメイヴィス・セドリッツやハニー・ウエストのような女探偵を夢見ていた。忙しいお座敷の合間に起きるミステリアスな事件に胸を躍らせ、恋しい刑事と謎を推理。聖ルカ病院、魚市場、歌舞伎座に本願寺ーなんでも一級品の揃う築地を舞台にした都会派連作ミステリー!
天文方に勤める川本浩之助は絶滅した生物の化石探しに没頭していた。ある夜、不審な男たちが、別れた女房を拐かし「不死の鳥の化石を出せ」という要求を突きつける。一方、市中の事件を追う中で浩之助に目をつけていた定町廻り同心の近藤信吾。彼もまた黒い陰謀に巻き込まれていく…。太古のロマンが巻き起こすドラマを壮大に描く!人気時代シリーズ、堂々たる最終巻。
吉原の妓楼から依頼を受け、客から借金を取り立てる始末屋「だるま屋」。そこで働く直次郎は、大見世「丁字屋」の花魁・真鶴から名指しで依頼を受ける。真鶴の妹分である花菊の首を絞めて逃げた男を探し出し、百両を取り立ててほしいと言う。直次郎の胸に、吉原で命を落とした妹の最期が浮かびあがるー。逃げた男の正体は!?そして、花魁の秘めたる思いとは!?
幕府の役職を投げ打ち、兵学と儒学を講義する兵聖閣と武術稽古場・兵原草廬を創って門弟を育ててきた兵法家の平山行蔵。江戸の町を荒らす巨悪が出現し、もと老中の松平定信の命で盗賊集団退治に乗り出したがー。当代屈指の武術研究家・長野峻也氏の原案。過去の時代小説にないド迫力の剣戟と武士の悲哀などを描いた珠玉の作品。著者、光文社文庫デビュー作品。
池田屋に踏み込むも、なぜか敵を斬ろうとしない新選組隊長・近藤勇。その胸中にあった切実な願望とはー。(「戦いを避ける」)新選組について語られる史実の隙間を覗けば、隊士らの心理や葛藤がにじみ出る。近藤・土方らの意外な一面や、馬術師範・安富才助、密偵・村山謙吉、文吏・尾形俊太郎らにも光を当て、歴史小説の名手が、鮮烈にして新しい新選組像を描き出す。
東京・秋葉原の路上、若い女性が浅見光彦の腕の中に倒れ込んだー。それはロマンチックな出会いなどではなく、凄惨な事件の始まりだった!そのまま絶命した女性からは毒物が検出され、死の直前まで故郷の兵庫県淡路島の神社にまつわる“祟り”を怖れていたという。浅見は古事記に描かれた神話の里・淡路へ飛ぶが、待っていたのは官僚の死と巨大な闇だった…。
北緯三十四度三十二分。数々の遺跡と神社が一本の線上に並んだ通称「太陽の道」。事件の鍵はその「道」にあると考えた浅見光彦は、連続毒殺事件を追って淡路島から伊勢に向かう。すると不気味な動きを示す謎の宗教集団が浅見の前に!やがて、有力政治家と大企業の黒い関係が浮上、関係者が次々と姿を消した。難事件に挑む浅見が掴んだ戦慄の事実とはー!?
高さ四百五十メートルを誇る超高層タワーが銀座にオープンした。数万人が集まる営業初日、漏電による小火が発生。防火設備を過信するあまり対応が遅れ、タワーのあちこちで炎が噴出。嵐のような火が群衆を混乱に陥れた。未曾有の大火災に飛びこんだ銀座第一消防署の消防士・神谷夏美は最上階に取り残された人々を救えるのか?究極のパニック小説、待望の文庫化!
量子コンピュータ開発企業の代表・辻川が米国で殺害された!警護していた山辺努も負傷し、帰国後に「キー」を捜す男たちから襲撃を受ける。キーとは何か?なぜ自分が?すると、田上美香と名乗る女が現われ、衝撃の事実を告げるー。闇組織が企てる史上最悪のサイバーテロ。日本を護る、そう決意した山辺の前に、因縁の男が立ちはだかった。烈しい戦闘の行方は?
花巻の正教会で、宮沢賢治のロシア語の師ペトロフ司祭が殺された。現場で犯人を目撃しながら誤認逮捕された賢治は、釈放後、恩師から鉱物調査を依頼されて遠野を訪れる。そこで待っていたのは、民俗学者の柳田国男、美しき公爵令嬢エルマらとの貴重な出会いだった。しかしそこへ司祭殺しの大男が再び現われ、エルマを攫い…。エルマの救出に賢治が駈ける痛快冒険活劇!
始まりは新宿発、松本方面行きの最終列車、急行「アルプス号」だった。浮気旅行の相手延子に袖にされた赤阪は、乗り合わせた美女美那子と旅先で一夜をともにする。だが、帰京すると、延子は殺害されており、美那子も何者かに殺される。一方、暴力団黒幕の暗殺に失敗したヒットマン北浦は、車中で隣り合った弘子と上高地へ逃亡し…。二組の男女の背後で蠢く驚きの殺意とは?